« 2020年12月 | トップページ | 2021年2月 »

2021年1月

2021年1月28日 (木)

01/28 【聴】KiCK i / Arca, XL Recordings(XL997CD)

IMAGE

 ベネズエラ出身、現在はアメリカ在住のテクノ・アーティスト・アルカことアレハンドロ・ゲルシの最新作。ビョークのライブ・ツアーに帯同したことでも知られる新進が今回フィーチャーしたのは、ヴォーカル。ビョーク他複数のヴォーカリストが参加したほか、彼自身もヴォコーダ声を披露している。全12曲。


 テクノ界隈に衝撃を与えたミュータント的なアルバム"Xen"を引っ提げて登場したアルカも、気づけば7年、アルバムリリースも4枚を重ねる。狂気とメランコリック、そして異形のビジュアルは、彼自身の人生の苦悩をまるで音楽にたたきつけるかのような激しさをもって聴く人を圧倒してきた。インストばかりだったこれまでの作品から趣向を変え、今回はヴォーカル・トラックを全面に押し出しているが、彼の狂気やメランコリックは本作においても変わることがない。理解不能な歌詞、インド語とも、宇宙語ともとられかねない独特なイントネーションや節回しは、彼の楽曲をよく知るはずのファンたちの頭を再び混乱させる。そう、ビョークの音楽と近いものがあるかもしれないが、アルカの楽曲はビョークの音楽と似て、しかし非なるものである。徹底した人間不在、まるで南極大陸のど真ん中に突然放り出されたような孤独感と寒々しさをいったい誰と共有し、共感したらよいというのか。12月に購入以降、亭主自身何度もこのアルバムを聴いてはいるが、まだアルバムの深奥部分に到達していない、そんな気がしてならない(2020.12.03)

2021年1月24日 (日)

01/24 夢の話

 農村の、よく風が通る高台の一角に家を借りた。

 東西に連なる小道の、南側に並ぶ数軒のうちの1件、古い日本家屋が亭主の借りた家だ。

 借りてまだ日が浅く、仕事の都合でこちらに立ち寄った際に使うくらいなので、家の中はまだ雑然としている。玄関を入ってすぐ左の畳部屋に布団や荷物がばらばらと置いてあるくらいで、生活感はほとんどない。風呂にはまだ火を入れていないので、家全体が寒々しい。

 小道の反対側には企業の工場だか、倉庫があるが、どんな会社かはわからない。特に興味もない。

 家を出て、道を西の方角へと進む。100mほど行って最初の四つ辻(交差点なんて豪華なものではない)を左に(つまり南の方角へと)折れると小さな商店街に入る。右側に化粧品や小物、文房具などを売る雑貨屋が、左側に衣料品店がある。どちらも店は開いており、店先に貼られたオレンジや緑や黄色のポップに今日のお買い得品が値段とともに書かれている。人の気配はないが店内には煌々と電気がついている。ここにも人々の生活が息づいている。

 雑貨屋の前に、バス停がある。

 どうやら店の前が小さなバスターミナルになっていて、ここが路線バスの終点の一つらしい。

 バス停には大きな文字で「○亡土一丁目」とある。○亡の○は偏、亡は旁で一つの文字を表すらしい。偏はわからないが「ぼうどいっちょうめ」と読むのだろう。一丁目、というくらいだからここが集落の中心地なのだなと、納得していたら目が覚めた。

 平凡社世界大百科事典によれば

 「亡土(もうど)」

 もうど、と読むらしい。

 【間人】より

 「日本の中世および近世に見られる被支配者身分の一つ。〈亡土〉とも書き、〈もうど〉ともよむ。中世の農村においては、住人百姓によって構成される村落共同体の正式の構成員になれない農民をいう」

 「亡土」なる言葉がどこから出てきたのか、いつ亭主の記憶にしまい込まれたのかはよく分からないが、夢の中で田舎に家を借りるというシチュエーション、また現実世界における亭主の立ち位置すなわちどこにいても常にヨソモノであるという心境を良く表しているように思う。

2021年1月22日 (金)

01/22 iPod Classic(第6.5世代,160GB)の大容量化(4)

 iPod Classicの大容量化について、思うところをもう少し書いてみたい。


 まず2TBという広大な容量を手に入れたiPodになにをさせたいかといえば、ズバリ「ロスレスによる音楽データの保存」。容量の都合から、これまで256kbpsという圧縮音源を聞いていた亭主にとって、ロスレスによる音楽再生は束縛からの解放を意味する。iPodをカーオーディオにつなぎ、音質を気にせず、どこまでもどこまでも旅をしたいーーー今はコロナ禍でおいそれと出かけられないけれど。


 もう一つ、iPodの大容量化は同じく大容量デジタルオーディオプレーヤを提供するAstell & Kern、あるいはFiiOへの憧れだったりもする。亭主のような音楽ファンにとって、デジタルオーディオプレーヤの大容量化は「正当進化の一つ」だったはずなのに、AppleはiPod Classicシリーズをディスコンにし、iPod touchに256GBモデルを出してある種の幕引きを図った。亭主にとっては残念な出来事であった。世の中のトレンドが(ローカルに音楽データを保存しない)ストリーミングに移りつつあるとはいえ、過去からの膨大な音楽資産を持ち続けている亭主のような音楽ファンは確実に居る。ところが、Astell & Kernも、FiiOも、結構なお値段がする上に見た目が非常にゴツくて(メーカの方には大変申し訳ないのだけれど)欲しいという気持ちが起きなかったのだ。


 今回購入したiPod用microSDアダプタの形状がiPodClassicにぴったりだったことは「まだまだ世間はiPodに期待している」ことを意味している(でなければこんなニッチな製品がAmazon's Choiceに選ばれるはずがない)。草の根かもしれないが、もしかしたらiPodにはもう一つふたつ、新しい展開があるかもしれない。そんな淡い期待を寄せている。


 ちなみにこの記事は、iPod ClassicにAudio Technicaのインナーイヤフォン(ATH-CM707)を繋げ、音楽を聴きながら書いている。iPodにインナーイヤーフォン(カナルじゃないよ)、それに有線接続。古いシステムだが最高に快適な音楽再生環境を楽しんでいる。

01/22 【聴】Him / 二名敦子, Invitation|Victor(VDR-1275)

IMAGE

 ポップス系シンガー・ソングライター二名敦子さんの通算5枚目となるアルバム。アレンジャーに小林信吾氏、佐藤準氏の両名を迎え、マイアミ・ビーチサイドをフィーチャーしたおしゃれなポップスを聴かせる。USのポップ・シンガーで作曲家のレスリー・パールによる「夜も泣いていた」の日本語カヴァーを含む全11曲。1986年作品。


 ハワイ、西海岸、そして東海岸(しかもマイアミ)。二名さんによる音楽の旅は、アルバム3枚目にしてついにアメリカを横断した。化粧品メーカとのタイアップでハワイをフィーチャーした「ロコ・アイランド」、西海岸のカラッとした空気と都市生活を歌った「ウィンディ・アイランド」ときて、本作はなんと生粋のラブソング。自然や都市の風景に重ねるは、アルバムタイトルである&quit;him"すなわち恋の相手である。


 大事なのはタイトルが"You"ではないこと。つまり聴き手は彼女の友人となって彼女の恋の相手を(歌を通じて)垣間見ることになる。前作で見せた「クールな大人のイメージ」はなく、恋する女性が見せる愛らしさ、人懐こさが曲の端々に感じられて、誰もがハッピーな気持ちになる。歌詞もメロディも、それに歌い口も、それまでの作品に比べてとてもチャーミングなのだ。


 それにしても、二名さんのアルバムはどれを聴いても個性的である。以前彼女の楽曲を「ゴールデンベスト」シリーズで聴いたときにピンとこなかった、その理由がはっきりわかった。彼女の楽曲は、個々のアルバムでしっかりと文脈化されているのだ。これらのアルバムをベストという形で一緒くたにしてしまうと、本来の文脈が失われてしまう。彼女の作品はアルバムで聴くのが一番良いと思っている。(2020.12.12)

2021年1月20日 (水)

01/20 iPod Classic(第6.5世代,160GB)の大容量化(3)

 そしてついにiPod ClassicのmicroSDXC換装を試みる。

  1. iPod Classicのふたを分解工房の工具で開ける
  2. バッテリーを取り出す
  3. HDDを取り出す
  4. マウンタにmicroSD4枚を挿す
  5. マウンタを取り付ける
  6. 交換用バッテリーを取り付ける
  7. 動作テスト(iPodのリカバリ)
  8. 動作が確認されたところでふたを閉じる

 おおきな流れとして以上を想定した。予想以上に手間がかかったのは(1)と(5)であった。

 まず(1)について。Apple社の製品(特にiPhone系)は分解を前提としない作りとなっているので、開けるのは相当難しい。Youtubeの動画を参考にしたが、基本的に「こじあける」ことはわかってもどこにツメがあり、どこにひっかかりがありどこがフリーなのか、どれくらい力を込めるべきかどれくらい無理が利くのかなど皆目わからない。わかっていたところで、ここでそれを伝えられる自信もない。

 格闘すること小一時間、冷や汗をかきながらなんとか開腹した。フタが若干外側に変形し、内側の固定金具がひん曲がったがなにしろ初心者のやることなので贅沢は言えない。二度とやろうとは思わない。これを仕事にしている人は本当に尊敬に値する。

 当初は分解の様子を逐一写真に納めようとも思っていたのだが、分解で完全にテンパってしまい、写真を撮るのを忘れてしまった。有益そうな情報を一つ共有するならば「大きなツメが本体上部にあるので要注意。側面はほぼ全体にわたって小型のツメでひっかけてあるため、左右、側面全体均等に、小さな隙間をつくって開けていくのが望ましい。下部に格段のひっかかりはないので、マスクを剥ぐように、下から上に開くのがよい」ようである。

 iPodは基板の固定に小型ねじを使っているが、HDDは緩衝材(ウレタンやスポンジ)で、バッテリーは粘着テープで固定されていて、基本的にドライバーは不要である。今回も互換バッテリーを(付属の)粘着テープで固定し、HDDを取り外したあとにマウンタをひっかけるように固定しただけで、まったく工具を使用していない。特にマウンタの形状は絶妙で、ケース内部の凹凸にフィットすると完全に固定されてしまう。非常によくできている。

 大変なのは(5)換装後にマウンタやバッテリーを本体基盤に接続するためのフラットケーブルが非常に小さいこと。フタを開けたらまずどこに、どうやってつながっていたかをしっかり記憶しておく必要がある。老眼気味の亭主、フラットケーブルの接続部分がよく見えず苦労した。拡大鏡の使用はそれぞれの目と相談で。手元を明るくした方が作業性はよいだろう。

 すべての接続を終え、フタを閉じる前にiTunesと接続する。フラットケーブルの方向が違うとここでなんらかエラーが出るらしい。iTunes上でiPodが認識されるとリカバリーが始まり、少し待つと容量1.8TBのiPodがマウントされる。ここまでできればフタを閉じてもよい。ふたが若干ゆがんでいて素人仕事なのが見え見えだが、仕方ない。密閉性が損なわれているので耐環境性は期待できない。

 ともかく、これでiPod ClassicのHDDがmicroSDXCに換装された。バッテリーも新品となり完全リフレッシュである。

Ipod-classic-2tb

01/20 iPod Classic(第6.5世代,160GB)の大容量化(2)

 次いで、ハードオフでiPod classic 160GB(MC297J/A)のジャンクを買い増しした。店頭には「動作しました」との説明書きがあったが、ジャンクなので油断はできない。前オーナが不具合を隠して売った(あるいは偶然にも買い取り時に店側が不具合を見つけられなかった)場合も多々あって、亭主自身そういった品物を少なからず購入して痛い目に遭っている。ジャンクは不具合を徹底的に疑うべきで、それにはそれなりの「目利き」と「評価のための時間」が必要である。

 自宅に戻り、iTunesに接続して様子を見る。本体はリセットされており当初の容量が正しく表示されている。本体を平らなところにおいたところ少しがたつきが見られ、よくよく見ると中央部が若干盛り上がっているのに気がついた。バッテリが経年劣化で盛り上がったか、それともなにか外力が加わったか。ホイールの中心にあるボタンが若干へこんでいることが、本体の盛り上がりを裏付けている。これ以上は中を見てみないとわからない。

 試しに数曲を転送し、イヤフォンで聴いてみる。再生・停止、ボリューム、トラック送り・戻しも正常である。イヤフォン端子の接触不良もない。比較のためこれまで所有していたiPod Classicを聴こうとしたところリセットがかかった。以前からカーオーディオに繋げた際にたびたびリセットがかかっていたので、もしかしたら不具合含みなのは亭主のClassicのほうかもしれない。

 というわけで改造の対象は決まった。今回ハードオフで購入したClassicを2TBに換装する。

01/20 iPod Classic(第6.5世代,160GB)の大容量化(1)

 以前から懸案だったiPod Classicの大容量化に着手した。

 きっかけは所有しているiPod Classic(第6.5世代、160GB)の容量が残り10GBと逼迫してきたこと。メインのオーディオプレーヤをiPod touch(第7世代、256GB)にしてからは、現時点で17780曲を保存するミュージック・タンクとしてカーオーディオに繋いで使ってきたが、購入以来約9年が経過している上に、かなりまえにコンクリの上に落っことし、アルミ筐体の一部がゆがんでしまったため、買い換えを考えていたのだ。

 ちょうどハードオフにiPod classic 160GBのジャンクが売られていて、これが代替にならないかとつらつら考えていたら「大容量化」の構想がどんどんと膨らみAmazonで一気に部品を買い揃えてしまった、というわけ。

 大容量化に向け買ったものは下記。

  •  Samsung EVO Plus 512GB microSDXC UHS-I U3 (MB-MC512GA/ECO)国内正規保証品(\8999)×4
  •  互換バッテリー for iPod Classic 80GB/120GB/最終型160GB(\1320)
  •  iFlash Quad MicroSD Adapter for the iPod変換アダプター(\5877)
  •  iSesamo iPhone/iPod/iPad対応修理工具 分解工房オリジナルロゴ版(\998)

 4スロットの変換アダプタに512GBのMicroSDを4枚乗せれば、容量2TBのiPod Classicが出来上がる。変換アダプタの製品レビューに2TB化された方の写真が載っていて、これが大容量化を決意させたのだ。ついでに分解工具と、交換用バッテリーを購入。ハードディスクとバッテリー、経年劣化しやすい部品をすべて取り替えてしまおうというのが今回の構想の全貌である。

 なおSamsungのmicroSDXCは安全をみて国内正規品を購入した。この手のメモリは容量を偽装した海外品が当たり前のように流通しているため、Amazon.co.jpが販売・発送するものが安心である。

2021年1月15日 (金)

01/14 【食】ラーメンショップ御前山店(ねぎチャーシュー麺中盛・茨城県常陸大宮市)

誕生日ということで、車を走らせてラーメンショップ御前山店に行ってきた。

 

Youtube界隈を中心に根強い人気のラーメンショップ。亭主もこの夏に美味いと評判の牛久結束店、近所のひたちなか店を訪問していて、今回県北唯一のラーメンショップである御前山店に行ってきた、というわけだ。

御前山店は、茨城県常陸太田市長倉、水戸市と宇都宮市をつなぐ国道123号線沿いにある。ちょっと見には何の変哲もない街道筋のラーメン店。以前からその存在は知っていたが、行こうと思ったことは一度もなかった。なにしろ亭主が宇都宮に行くときは必ず宇都宮市内の天下一品で昼食なり夕食を食べていたからだ。

とにもかくにも、今回はここが目的地。例によって亭主の定番「ねぎチャーシューめん(中盛)」を注文した。

20210114gozenyama


麺は細目の縮れ麺。黄色がかっていて鹹水が多いと思われる。スープは力強い醤油味をベースに豚骨スープを少量あわせていて、他のラーメンショップに見られる「古典系東京豚骨醤油」とはちょっと違う。トッピングはざく切りチャーシューと、これまた濃い味のネギ、それに輪をかけて濃いメンマ。それぞれがラーメン全体にパンチを与えている。麺の食べ応えといい醤油味のスープといい、なんというか「古き良き時代のラーメン」という感じだが、表面に浮いた油が醤油味の強いスープに適度なこってり感を与えていて、古いけれども新しい、そんなラーメンだ。麺が他のラーメンショップでは標準の中太麺でなかったのはちょっと意外だったが、醤油味のスープにはこれが一番マッチするのだろう。亭主的にはもう少し麺が固いとさらに美味しく食べられたかもしれない。

ところで、水戸市と宇都宮市とをつなぐ国道123号線。以前は宇都宮に行くための主要道路として頻繁に利用していたが、北関東道が茨城〜栃木間で開通した2008年12月以降はすっかり足が遠のいていた。御前山といえば那珂川で穫れる鮎を名産に、鮎の塩焼きが売られている土産物店が街道筋のあちこちにあったものだが、この日訪れた街道にはそれらしき店は一つもなかった。かなり前に店を畳んでいたようである。以前は散見された飲食店もその数を減らしていて、ずいぶん寂れたな、というのが正直な感想。ただし跡地の多くが更地になっていたためか、街道筋はむしろこざっぱり、清潔な印象を受けた。今回は栃木県まで行かなかったので、隣の県がどうなっているかはわからないのだけれど。

 

2021年1月14日 (木)

01/14 サイトリニューアルに向けての作戦会議(第1回)

マキタスポーツ氏の「越境芸人」に「おば写」と「おじ写」という言葉があって、ナルホドと得心してしまった亭主である。

マキタ氏によれば「おば写」は構図を無視したパッションを感じられる写真。人の家の庭先に咲いている花を「まあ、きれい(はーと)」とかいいつつ撮っちゃうのが「おば写」だそう。一方「おじ写」は「こうみられたい」「誰かに見られたときに恥ずかしくないものを」みたいなつまらない言い訳、べき論的退屈さがある写真なのだそうだ。

翻って亭主のサイトを眺めれば、亭主の写真もまた「おじ写」の要素が強い。どこか引いているというか、醒めているとか、パッションと呼ぶにはほど遠いものが多くて、「パッション」がサイトリニューアルの際の一つのコンセプトになるのかな、と思ってみたりする。

まずもって、1998年に亭主がデジカメ(Fujifilm FinePix 700)を買ったときに、最初に思い浮かんだ用途が「ホームページのための素材集め」や「PCのデスクトップの壁紙」で、素材(テクスチャ)も壁紙も、どちらかといえば一歩引いた画像なのだから亭主のメンタリティは「おじ写」よりももっと実用性に寄ったものなのだろう。だがDomuya Portalのトップページの画像に「おじ写」的な言い訳があることは否定できず、結果的に淡々とした内容のサイトになっているのではないか。

亭主のスマホのアルバムを眺めてみると、だいたい98%は犬の写真で、残りはラーメンの写真という有様である。パッションはおろかホームページの素材すらないという体たらくに絶望するが、そもそも街歩きが自粛されているなかで、見慣れた身の回りの品物にパッションを感じろというのが無理な話である。

もう一つ。手元にスマホがあるから常にパッションのある写真が撮れるとは限らない。いつでも撮れるという安心感が、写真を撮る行為をおろそかにしている。本来写真を撮る行為とは、もっと緊張感のあるもの、一瞬のチャンスをものにするための真剣勝負の結果なのではないかと思うのだ。

思うだけだけど。

歳をとって気分がすっかり沈滞しているのもよろしくない。歳を経るにつれ人生の可能性がどんどん失われ、選択肢がせばまり、貯金がどんどん目減りし、毎朝起きてもHPがぜんぜん回復していない、という現実がパッションを無くしている原因ーーー

とかもう考え始めるとどんどんおなか急降下なので、もうこれ以上はなにも言わないけれど。マキタ氏によれば「おば写」と初期のヒップホップは「つい、うっかり」という点でよく似ているという。敷衍すれば「おば写」のパッションは芸人のそれとも共通するだろう。してみると亭主のサイトリニューアルの原動力はもしかしたら「つい、うっかり」であり芸人的なメンタリティなのかもしれない。

以前の「Plannet Act3」や「四季旬彩どむや」にはそんな芸人的なメンタリティを持つコンテンツ(たとえば廃墟とかラーメンとか、一発芸的な写真とか)が結構あったように思えて、ああいうノリは間違っていなかったなと改めて思う。ただ、ああいうコンテンツは賞味期限が短く、蓄積していってもまったく厚みが出ない(この「厚み」についてはいずれ改めて考えてみたいと思う)。

亭主のサイトリニューアル、まだまだ考え中といったところだが「パッション」と「つい、うっかり」というキーワードはありがたくいただいておきたい。

2021年1月13日 (水)

01/13 Domuya Portalがモバイル対応になりました

この日、一念発起し「どむや」のほぼ全ページをモバイル対応へと改修した。

実際にはサイト内の要素のサイズを、PCの解像度とスマホの解像度で切り替えるためのcssを実装したうえに、スマホで見た場合に不自然にならないようフォントサイズや要素のレイアウトを調整している。構想1日。作業時間は約5時間。

20210113domuya120210113domuya2

情報量が多く、スマホで読むには若干きついかな?と感じてしまうのはテキストサイトの宿命。とはいえ、最小限の変更で、PCサイトとスマホサイトを切り替えられるようになったのだから当初の目論見は達成された、と言っていいだろう。新年早々サイトの目標の一つが達成されたので、調子にのって次の目標である「サイトのデザイン変更を」―――と思いつつ沈思黙考、まずは構想を立てることから始めたい。

2021年1月 6日 (水)

01/06 【聴】色彩音楽 / World Standard, Stella/Inpartmaint(SLIP-8506)

IMAGE

 鈴木惣一郎氏のソロ・プロジェクト、ワールドスタンダードの最新フルアルバム。アメリカ音楽やアンビエントなど多彩な音楽を指向してきたワースタの最新作は、なんと鈴木氏自身によるヴォーカルのアルバム。Sketch Show(細野晴臣+高橋幸宏)の"Stella"のカバー、ならびに鈴木氏自身も参加するバンド・プロジェクトSoggy Cherriosから"SAIHATE(最果て)"のカバーを含む全11曲。

 ギターを中心としたオーガニックな風合いのバッキングと、鈴木氏による素朴な歌い口が特徴の本作。亭主などはまず渚十吾氏の楽曲を思い出した。ギターの爪弾きとシンプルな歌詞で綴られる日々の心情や情景は、殺伐とした日常の中で疲れきった心にじわりと染みる。年末年始という時節柄もあるし、コロナが国内で蔓延しているからでもあるだろう。こういう音楽を求めているのは亭主だけではない。社会が、世界中が癒しの音楽を求めている。アルバムには"World Standard(世界の標準)"という曲も含まれている。果たしてこのアルバムが、この音楽が世界の標準であるかはさておいて、鈴木氏の音楽は、聞き手が自らの心情を一人語りしてるかのように、聞き手の側にそっと寄り添ってくる。

 そうそう、このアルバムを聞いていて、砂原良徳の"Take Off and Landing"に似ているなと、なんとなく感じている。Take Off...はラウンジングなエレクトロニックで、アイランド・ミュージックの要素を多分に含むため本アルバムとの直接的な共通点は少ないが、オールド・アメリカンへのリスペクトであるとか、楽曲から垣間見える色彩感(というか配色)に通じるものが多い、そんな気がしてならない。(2020.12.07)

 

2021年1月 5日 (火)

01/05 【聴】Windy Island / 二名敦子, Invitation|Victor(NCS-10014)

IMAGE

 ポップス系シンガー・ソングライター二名敦子さんの通算4枚目となるアルバム。アレンジャーは芳野藤丸氏、LAでの録音には米国のポップ/ロックバンドPablo Cruiseが全面参加するなど、前作にも増してパワフルなサウンドを聴かせる。全10曲、うち1曲はPablo Cruiseの"Atlanta June"の日本語詞カヴァー。1985年リリース。


 前作"Loco Island"ではハワイをフィーチャー、亜熱帯のリゾート・ポップスを指向したが、本作では一転アメリカは西海岸を舞台に、爽やかなシティ・ポップスに挑戦している。アメリカ西海岸のカラッとした暑さ、都市での生活、雨や夕闇などの情景が色彩豊かに歌い上げられる。アルバムジャケットおよびインナースリーブには、JALとのタイアップによるハワイのおススメスポットが紹介されているが、サウンドそのものはSFやLAをフィーチャー、というあたりがなかなか面白いというか悩ましいというか。制作側もかなり戸惑ったのではないかと勝手に想像するのだが、実際のところサウンドそのものにまったくブレがないのが頼もしい。これでスポンサーが納得したのか、正直どうでもよかったのかはよくわからない。案外「どのみちおんなじアメリカなんだからOK」だったのかもしれない。いい加減なものだが、それだけおおらかな、おおざっぱな時代だったと言えなくもない。個人的にはこのおおらかさがお気に入りだったりする(2020.12.11)

2021年1月 3日 (日)

01/03 新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。どむや亭主です。

少し遅れてしまいましたが新年のご挨拶を申し上げます。本年もDomuya Portalおよび有象無象をよろしくお願いいたします。

唐突で申し訳ないが、実は酔っている。

昨年末に「正月に飲む酒」とアイラモルトを何本か買い込み、3日目の夕食後にさっそく飲み始めたところ止まらなくなってしまったのだ。本日のアイラモルトはハミルトンズ。アンガス・ダンディ社がリリースするブレンデッド・モルトとのことで「やまや」ではラフロイグやボウモアといった代表的なアイラモルトよりも安価で購入できる。アイラモルトに特有のピート感は感じられるものの、ラフロイグやボウモアに比べるとベースとなるモルトの香りと若干乖離していて、良い意味で若い酒、といった印象。ただし飲み口は非常にソフトなのでクセの強いアイラモルトのなかでも特に飲みやすいタイプの酒といえそうだ。

この夜は「ぽつんと一軒家」を見ながら飲み始め、ハイボールで2杯飲んだあとはストレートのダブルを氷なしで2杯、結構良い感じになったところでわんこの散歩に行き、30分ほど町内を歩いた後わんこたちを寝かしつけ、現在キーボードに向かっていると、そんな感じである。なので、新年早々いきなりなにやら意味不明な文章がつらつらと続くことになるかもしれないが、それもこれもハミルトンズの飲みやすさのなせる業、正月3が日のお屠蘇気分のなせる業と、どうかご容赦いただければと思っている。

さて、そんなわけで新年第1回目の投稿。

今回は新年ということでDomuya Portalの今年の改修予定などを語っていきたいと思っている。

今年まず手を付けたいのはサイトのUIをモバイル・フレンドリーにすること。スマートフォンでも見やすいようなCSSへと修正することだ。実は昨年からの積み残し案件で、下調べの結果、CSSの修正方針もある程度たっていたのだが、なんだかんだで先延ばしになっていた。一番心配なのは、Domuya Portalのすべてのページが、CSSの修正によって右向け右、モバイル・フレンドリーするかの確証がなかったことで、サイト修正の手間を考えて二の足を踏んでいたのだ。今年は意を決してモバイル・フレンドリー対応にしようと考えている。

次に実施したいのはサイトそのもののリニューアル。現在Domuya Portalのトップページには、自分で撮影したカピオラニ公園からのダイヤモンド・ヘッドの画像を使っていて、ハワイ好きな亭主にとっておおいに癒しとなっているのだが、これを別のデザインにしてしまおうと思っているのだ。まだ具体的なデザインは決まっていないものの、もう少しテクノ感のあるものがいいかなと漠然と思っているところである。

さらに実施したいのは新コンテンツの追加。当サイトにはもともとWikiがあったのだけれどSPAM投稿が酷く、うっかり保護を書けていなったページがSPAMで上書きされてしまうなどトラブルも多発したため、Wikiのリンクを外しているのだ。Wikiに限らず新しいコーナーを立ち上げたいと思っているが、構想ばかりで実際のコンテンツが集まらないため、目下構想段階で止まっているのだけれど。

Domuya Portalは「四季旬彩どむや」の後継サイトとして、トップページにわりと新しめのサイト設計を採用している。ただし「聴」や「読」といったコンテンツ部分にはレガシイな部分も多く、2000年あたりから脈々と蓄積してきたレビュー記事に最新のデザインを適用するのにかなりの工数がかかるため大改修に二の足を踏んでいる、というのが実情である。CSSにデザイン部分を、HTMLにコンテンツ部分を寄せることでページデザインを簡単に変えることができるのが最近のページデザインのトレンドなのだから、本サイトもなるべくその方針に沿うべきであろうとかねがね思っているだけに、今年こそ大改修に手を付けたいと思っている。

振り返ってみれば当サイトも約20年分のコンテンツを保有しており、CDレビュー、読書レビューの数も相当数に上っている。こういう巨大資産を今後どのように活用していくかを真面目に考えていきたいと、新年最初の記事で意思表明する次第である。

まあ、なんというか、自分で言うのもなんだけれど、20年というのはすごいよね。一朝一夕にはできるものではないため、このコンテンツをなんとか社会に還元していきたいと思っているところ、です。

2021年1月 2日 (土)

01/02 【読】「今昔百鬼拾遺-月-(京極夏彦、講談社ノベルス)」

「今昔百鬼拾遺-月-(京極夏彦、講談社ノベルス)」

 京極堂シリーズ最新作。昭和29年、巷に頻発した怪事件を雑誌記者・中禅寺敦子が追うスピンアウト作品。東京で起きた連続辻斬り事件を扱った「鬼」、千葉で起きた連続水死事件の「河童」そして東京高尾山で起きた連続失踪事件の「天狗」の3エピソードを収録している。


 本作の主人公である中禅寺敦子は、メインシリーズの主人公である中禅寺秋彦(京極堂)の妹。様々な奇妙な事件・現象を科学の目で解き明かす雑誌「稀譚月報」の記者として日々奔走している。本作では、かつて千葉で起きた「連続目潰し魔事件(「絡新婦の理」所収)」の関係者である呉美由紀が巻き込まれた3つの事件に敦子が関わり、独自の推理によって真相へと達する様が描かれる。書痴ゆえにあらゆる分野に精通し、その豊かな知識でもつれた事件を快刀乱麻に解き明かす京極堂や、特殊能力によって一足飛びに真相へと肉薄する榎木津礼二郎とは異なり、敦子の推理は事実を積み上げ、着実に真実へと近づくスタイルである。事件の背後に見え隠れする妖怪の影、そしてそのさらに背後にうごめく人間の心の闇を、理路によって白日の下に晒すあたりが本作の醍醐味だろう。衒奇な舞台設定や超絶技巧なトリックは存在せず、京極堂や榎木津のようなスーパーヒーローは一切登場しないため地味な印象は否めないが、その分ストーリーは複雑で、読者が事件の全容を把握するのはなかなか難しい。読み応えたっぷり、正攻法の探偵小説が存分に楽しめる。


 なお本書所収の3つのエピソードは、2019年に講談社タイガ、角川文庫、新潮文庫からそれぞれ刊行されたもの。3つを一つに合本した、いわゆる決定版となっている。それぞれを読んだことがある人はそちらを読めばOK。1つのみ、あるいは2つのみ読んだ人がどうするかはよくわからない(2021.01.02)


« 2020年12月 | トップページ | 2021年2月 »

2021年3月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
フォト
無料ブログはココログ