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2020年12月

2020年12月30日 (水)

12/30 年末のご挨拶

 2020年もあと1日を残すのみとなったが、個人的にはさんざんな1年だった。

 1月に伊豆伊東のサンハトヤに行き、念願の海底温泉に入った以外は本当に良いことがなかった。実際ブログ記事もCDレビューが主体、それもレビューを上げるのが1ヶ月近く遅れていて、12月の記事に至ってはまだ1つしか上がっていないという、大変残念な状況となっている。

 亭主の場合、CDのレビューを書く時はまずじっくりと作品を聴きこむことから始める。聴くうちに心の中にもりもりと「何か」が盛り上がってくるので、こんどはその「何か」の言語化を試みる。「何か」がすっきりとした言語となったらいざテキストにしたためる。「何か」がどんどんと盛り上がってくる作品は記事にしやすいが、その逆はかなり苦戦する―――といってもたいがいは時間が解決してくれるので、あわてず騒がず、まったりと作品を楽しんでいればいつかなんとかなるだろうと、気楽に考えている。

 割と楽に書けるCDのレビューに対し、本のレビューは本の完読が大前提なので、毎回時間がかかる。そもそも本を読む時間がない。部屋の隅には読んでいない本がうずたかく積みあがり、もう何年も積読状態になっている本もある。もっとも旬を過ぎたら面白くない、などという本は買っていない(つもりな)ので、あとは時間が解決してくれると思いたい。

 来年はどんな一年になるのだろうと考える。コロナはしばらく終息しないだろうから、日々増え続ける感染者の数にうんざりしながら自粛生活を送ることになるのだろう。世間のコロナに対する感覚のずれに、常にストレスを感じる生活になるかもしれない。そんな中にあってもCDや本は、そんな世界にあって自らの精神を健全に保つ安定剤となっている。

 それはさておき。

 皆さま、本年も当サイトをご愛顧いただきありがとうございました。

 大変な一年となってしまいましたが、来年こそはきっと穏やかな日々となりますよう、心から祈念して本年最後のご挨拶とさせていただきます。

 来年もDomuya Portalそしてどむや盛衰記をどうぞよろしくお願いいたします。

どむや亭主拝

2020年12月27日 (日)

12/27 【聴】Loco Island / 二名敦子, Invitation|Victor(NCS-10013)

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 ポップス系シンガー・ソングライター二名敦子さんの通算3枚目となるアルバム。アレンジャーは佐藤博氏、ハワイでの録音にはHenry Kapono、Gaylord Holomalia、D.J.Pratt、またウクレレにハーブオオタ(Hervert Orta)らも参加している。ハワイの魅力と、二名さんの七色のヴォイスが存分に楽しめるアルバム。全11曲。


 おそらく、二名さんのアルバムの中でも最も有名なアルバムが本作。ながらく彼女=ハワイというイメージを明確に刻んだのも本アルバムがきっかけ、と言って間違いない。ハワイで制作されたもののハワイアンの要素はほとんどなく(明確にハワイをフィーチャーしたものはM3「ラハイナ・ミッド・ナイト・クルージン」くらいか)、むしろ洗練されたシティ・ポップといったほうが良い。もちろん歌詞には様々なハワイの情景がフィーチャーされていて、先行して発表されたM8「渚のフェイム」が大手化粧品メーカー・マックスファクターの1984年キャンペーンソングとして使われたほか、M1「カラパナ・ブラック・サンド・ビーチ」がサッポロのスポーツドリンクのCM曲となったりとまさに「出世作」と呼ぶにふさわしい作品といえるだろう。なお、当時は海外旅行ブームで「渚のフェイム」はJALのハワイ・キャンペーン・ソングとしても使われたそう。


 以前にも書いたが、二名さんの魅力はその伸びやかで、華やかなヴォーカル。ウェットとも、またパワフルとも異なる七色のヴォイスは、ソロでも、またユニゾンでも、ハーモニーのなかでもしっかりとした存在感を示しつつ、重層的に響く。佐藤博氏のアレンジの妙、ハワイのスタジオのピースフルな雰囲気なども充分に伝わってきて、南国のリゾート気分が楽しめる。ちなみに亭主は「大橋照子のラジオはアメリカン」で「カラパナ・ブラック・サンド・ビーチ」「渚のフェイム」を聴き一発でファンになった。ただ当時の亭主は高校生、ファンになったからどうなるわけでもなく、また亭主が住んでいた小さな町でそれ以上の情報が入ってくるわけでもなく、GoogleもYahooもない状態でそれ以上何をするわけでもなく、しばらく忘れかけていたのが高校の近くのレコード店で彼女のアルバムを見つけて購入したというのがそもそもである。


 本CDは2013年に再発されたもので、当時のジャケットが復刻されているほか、音楽ライターである金澤寿和氏の解説が追加されている。当時の雰囲気をしる貴重な情報がたくさん含まれていて読み応えは充分である(2020.12.11)

2020年12月26日 (土)

12/26 【聴】Capture it / Faith, Vap(VPCC-86291)

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 長野県伊那市のライブハウスを中心に活動。男女5人の混成バンドFAITHのメジャーファーストアルバムが本作"Capture it"。これまでにリリースしたシングル曲を含む全9曲を収録する。英詞による本格ロック/ポップスは、日本のみならず海外からも評価が高く、Youtubeのチャンネルには世界中の人々から応援の声が寄せられている。2020年1月リリース。


 FAITHというバンドを一言で表現するのに「規格外」という言葉はどうだろうか。地方発のロックバンドを掲げるほか、男性3人、女性2人というメンバー構成、5人のうち3人がハーフというのもまた日本のロックバンドにはない特徴である。ハイスピードなリズムに乗せられる英詞はとにかく情報量が多く、若者らしいヴィヴィッドな感性と、今風なガジェットが目いっぱい詰め込まれているあたりも彼らを「規格外」と呼ぶ理由である。邦楽ポップスのフォーマットにとらわれない自由な曲構成、豪奢で凝った編曲、Youtubeを使ったプロモーションなどなど、おそらく彼らは地方から直接世界を狙っているに違いない。


 メンバーはモデルとしても活躍するヴォーカルのAkari Dritscheler、ギター・ヴォーカル担当のレイ・キャスナー、ギター・ヴォーカル担当のヤジマレイ、ベースの荒井藤子、ドラムのルカ・メランソン。高校生の頃から地元のライブハウスで活動していたようである。ちなみにDritschelerさんの実家は亭主の実家のすぐ近所で、実家の父などは彼女のお父さんに良くパソコンの設定をお願いしたりしている。彼女自身も学校の帰りなどに亭主の家の柴犬さくらをかまってくれていて、身近な人がアーティストとして活動している、というのはなんだかとても不思議な気分である。残念ながら亭主が高校を卒業し、実家を離れてからドリチェラさん一家が越してきたので亭主自身は懇意というわけではないのだけれど・・・。


 なお亭主はこのバンドを、たまたま聞いていたTOKYO FMの番組で知った。ドリチェラさん、という珍しい名前にピンときて、父に尋ねたところ「あかりちゃんだよ」とさもあたりまえのような返事が返ってきた。地元のバンド、というバイアスがなくとも世界に通用する新進気鋭のロック・バンド。亭主としても強烈にプッシュしていきたい。(2020.11.22)

2020年12月21日 (月)

12/21 【聴】Hana ni Mizu(花に水) / Haruomi Hosono, Victor(VISL-37564)

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 細野さん1984年の作品。もともとは無印良品店舗のBGMとして制作・限定販売されたものが、今回カセットテープで復刻された。収録曲はSide A"Talking"、Side B"Grouth"の合計2曲。愛らしい、そして心休まるエレクトロニカの良作。


 "Talking"を聴きながら、ハテ以前にも聴いたことがあるぞと細野さんのアルバムをごそごそと探ってみたが見つからず。 調べてみるに本作は(ヤフオクなどではカセットテープが流通しているものの)初音源化されたものだそうで、亭主が聴いたのはどうやら別バージョンだったらしい。細野さんのアルバム"Endless Talking"や"Coincidental Music"にもつながるミニマルなアンビエント、店内のBGMということでいつまでも聴いていられる、そんな優しいサウンドが楽しめる。2曲ということで多少食い足りない部分はあるかもしれない。まあ縁起物というか企画モノというか記念品というか―――カセットの手触りや使い心地などもしっかりと味わいたい(2020.11.06)


 

2020年12月18日 (金)

12/18【聴】Naturally / Atsuko Nina(二名敦子), Victor(VDR-1123)

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 ポップス系シンガー・ソングライター二名敦子さんの通算5枚目となるアルバム。アレンジャーに芳野藤丸氏を迎え、美麗で豊かなシティ・ポップを聴かせる。全10曲。1985年のリリースだが、2013年にタワーレコード限定のリマスタリング盤が発売された、とのこと。今回はオリジナル盤を購入している。


 二名さんのアルバムでもっとも有名なもの、といえば1984年にリリースされた3枚目のアルバム"Loco Island"だろう。以降、二名さんといえばハワイをイメージしたアイランド・ミュージックがもっぱら思い出され、亭主もまた長い間「二名敦子=ハワイ・ミュージック」という印象を持っていた。ただ、"Loco Island"を冷静に聴いてみると、たしかに歌詞はハワイをフィーチャーしているものの、サウンドそのものはアメリカ西海岸を思わせるシティ・ポップであり、南国というよりも爽やかな風吹き抜けるカリフォルニアやLAの風景をイメージしたほうがしっくりくる。4枚目のアルバム"Windy Island"、そして本作"Naturally"のカラーもまたシティ・ポップの路線であり、おそらく3枚目で強烈にアピールした「二名敦子=ハワイ・ミュージック」というイメージを本来の位置に戻そうと苦労していたと思われる。


もちろん、ハワイのイメージを借りずとも、二名さんの魅力は本作からしっかり伝わってくる。伸びやかでかつウェットな声質は、まるで薔薇の花びらのような、ベルベットのような風合い。スロウ・バラードも、また快活なポップスも自在に表現する実力派だ。 今となっては語る人も亭主くらいになってしまったが、個人的に大好きなヴォーカリストの一人である(2020.11.13)

2020年12月15日 (火)

12/15 【聴】Novum / Procol Harum, Victor(VICP-65438)

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 1967年に結成、以降メンバーを変えつつ、また途中の解散・再結成を経て現在まで活動を続けるUKのプログレ・ロック・バンド、Procol Harumの最新アルバム。全12曲、国内盤はボーナストラック1曲を含む全13曲。2017年4月リリース。


 1967年のデビュー曲"A Whiter Shade of Pale"(邦題・青い影)が世界的なヒットとなり、スターダムにのし上がったプロコル・ハルム。バンドを主宰するGary Brookerを中心に多くのメンバーが参画、1977年までに9枚のアルバムをリリースしている。その後「すべてをやりつくした」とのGaryの言葉から一旦バンドは解散したが、1991年に再結成、2017年の本作までに3枚のアルバムをリリース、現在も活動を続けているそうである。古典的な楽曲構成と、ケルトやカリビアンなどの異国情緒や、シティ・ポップなど最新の音楽をどん欲に取り込む新しさに、アーティストからも絶大なリスペクトが向けられていて、特に松任谷由実やティン・パン・アレイなどはプロコル・ハルムの音楽に多大な影響を受けていると公言しているのを、何かの本で読んだことがある。


 そして、2017年にリリースされた本作もまた、UKプログレの王道を行く作品である一方で、伝統的なブルーズや最新のポップスの手法も積極的に取り入れることで、懐かしいのだけれどどこか新しい、新しいのだけれどどこかほっとする楽曲に仕上げている。プログレらしい節回しと、ブルーズのゆっさゆっさとしたリズムは「いかにも」といった感じだが、コード進行やメロディの音階に日本のポップスを彷彿させるものもある。Jポップに慣れた人にも非常に聴きやすい、聴いていて素直に楽しいアルバムとなっている。


 なおアルバムのジャケット・デザインは、デビュー曲を収録した1stアルバム"A Whiter Shade of Pale"を意識している。長らく音楽活動を続けてきた彼らの原点回帰たる作品、古くからのファンは1stとの雰囲気の違いなどを楽しんでみるのもよいだろう(2020.11.04)

2020年12月13日 (日)

12/13 【硬】Aviot TE-D01d mk2-TQ (Takkyu Ishino Limited Edition)

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 AVIOTのBluetooth ワイヤレスイヤフォン"TE-D01d mk2-TQ(Takkyu Ishino Limited Edition)"を購入。

 もともとTE-D01d mk2というモデルがあって、これに石野卓球が音質チューニングを施したもの、が本モデルとのことである。アナログシンセが気持ちよく聞こえるような音作りがなされているそう。またデザインもオリジナルのダークな雰囲気から、黄色を主体としたポップな(というか攻撃的な)色調へと変更された。リミテッド・エディションということで以前数量限定で販売されたが好評だったようで、今回満を持しての再発、となったようである。

 (亭主を含む)テクノファンには待望のモデル。石野卓球がサウンドプロデュースしたということで、電子音楽やダンス・ミュージックを楽しむ人たちには特に楽しみなモデルといえるだろう。スマートフォンや音楽プレーヤとペアリングした際、また外界の音を取り込むモードに切り替えた際に流れる日本語音声ガイダンスが、テクノ・ポップを意識したヴォコーダ声なのもこだわりの一つ、こういう細かい作りこみが製品全体の完成度を高めるとともに、ユーザ・エクスペリエンスに貢献していることは間違いない。

 では、実際の使い勝手はどうか。亭主は現在ワイヤードではAudio Technica ATH-CM707を、ワイヤレスではApple Airpods with Charging Caseを使っている。どちらもインイヤー型なのは偶然ではない。亭主はカナル型が徹底的に苦手なのだ。かつて国内線の機内でよく使われていた、ビニールチューブを使った安っぽいヘッドフォン、チューブ部分にふれるとペタペタと音(タッチノイズというらしい)がし、全体的にもこもこと耳の詰まったような音質が苦手で、以降意識してカナル型ヘッドフォン・イヤフォンを避けてきた。

 今回のTE-D01d mk2もまたイヤーピース部がカナル型となっているものの、予想よりもずっと快適に使えている。当初は同梱の標準イヤーピースを使っていたが、耳穴から頻繁に外れてしまうため同じく同梱のウレタンフォームに替えたのがよかったのだろう。おかげで普通に使うには申し分ない。運動をしたり、外で動き回ったりしたらどうかはよくわからない。フィット感があるのでおそらく大丈夫とは思うのだが。

 ただ、肝心の音質は、残念ながらあまり良いとはいえない。シンセ向けのチューニングがなされているというが、全体的に鮮度が低く、高域・中域・低域すべてが不足。高域は伸びあがらず、中域は艶がなく、低域は圧倒的に物足りない。特に低域は、このモデルにおいては桶の底を叩いたかのようなポコポコ音で、ダンスミュージックのドスの効いたキックは望むべくもない。念のため音量を上げてみたところ、全体的な音量レベルは上がったもののサウンドとしての広がりというか、華やかさがない。もしかしたらAirpodsの音質が良すぎる、音作りが派手すぎるのかもしれないし、むしろTE-D01d mk2のほうが自然な音作りなのかもしれない。ただ、それにしてもAirpodsとの音質差があまりにも大きく、いやはやどうしたものかと、正直言って亭主、かなり困惑している。もしかしたらエージングが進めばよい音になるのかもしれないし、音質をカスタマイズできるスマホアプリを使えば好みの音になるのかもしれない(が、現時点ではアプリがうまく動作してくれない)。

 もう少し長い目で見る必要があると思いつつ、オーディオ専業でないAppleが非常に完成度の高い音を提供してくれていることに改めて驚かされる。さすがはApple、自社のブランドに対する徹底的なこだわりと、製品のポテンシャルを最大限に生かす術をよく心得ている。AVIOTの製品レビューにあえてAppleを出さずともよかろうという声もあろうが、Appleの製品はやはり無視できない。サードパーティならば、やはりAppleの標準品の音質は押さえておかないといけないし、標準品を越えた音作りを目指すべきだと思うのだ。

2020年12月 9日 (水)

12/09 【聴】パール玉 / パール兄弟, Pearlnet(PEAR-5006)

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 5人兄弟として活動再開、着実にアルバムリリースを重ねるテクノポップバンド・パール兄弟の最新ミニアルバム。「らぶデカ」ほか全5曲にインストバージョン5曲、ショートバージョン1曲を含む全11曲。


 念のためメンバーはサエキけんぞう(Vo)、窪田晴男(G)、バカボン鈴木(B)、松永俊弥(Dr)、矢代恒彦(Keyb)。1983年にサエキと窪田のユニットとしてデビューした彼らが、紆余曲折を経て5人兄弟となったのが2013年のこととなる。以降「馬のように(2018年)」、「歩きラブ(2019年)」とミニアルバムリリースを重ね、今回リリースしたのが「パール玉」。ん?


 勘のよい人はお気づきかと思うが、アルバムタイトルに「馬」「歩」「玉」とあって、将棋の駒の名称が織り込まれている。残りは「飛」「角」「金」「銀」「香」などなど、今後タイトルに織り込まれてくるものと思われるが、果たして全貌がどのようになるのかはよくわからない。それぞれがミニアルバムでのリリースとして、今後フルアルバムがリリースされるのか、それとも音楽ビジネスの変遷に応じて今後もミニアルバムでのリリースが続くのか。楽しみなところではある。


 パール兄弟の魅力は、各メンバーが(それぞれが他のバンドで中心的な役割を担うほどの)実力派プレイヤーであり、テクノポップのみならずロック/オルタナ/パンクなど様々なジャンルを巻き込んだ最強ユニットであることだろう。もちろんサエキけんぞうによるキッチュな歌詞、独特な世界観も見逃せない。本作においてもその魅力は健在で、抜群の安定感と、歌詞からこぼれでる独特な浮遊感が存分に楽しめる。(2020.11.07)

2020年12月 4日 (金)

12/04 【聴】 This is Arashi / Arashi(嵐), JStorm(JACA-5872, 5873, 5874)

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 今年いっぱいで活動を休止する嵐の、おそらく最後となるであろうフルアルバム。ジャニーズとしては初のYoutubeでの音楽配信となった"In the Summer"、米津玄師が楽曲を提供した「カイト」などの話題曲を含む全11曲。今回は初回限定盤としてこれまでの嵐の楽曲を海外向けにリアレンジ(Reborn)した6曲入りボーナスディスク、および5曲入りミュージックビデオ(Blu-ray)付きを購入した。


 約1年前、デビュー20周年を記念して敢行した国内5か所・全50公演のライブツアー5x20の途中で突如活動休止を宣言した嵐。会見の席上、ファンが納得するのかという記者の質問に「これからの1年の活動を見て判断してほしい」と堂々と告げた5人の活動も、残り1ヶ月を切るまでになった。ライブツアーの完遂を皮切りに「嵐と旅する展覧会」、新国立競技場での無観客配信「嵐フェス2020」ほか、ファンに対する怒涛のホスピタリティ(つまりおもてなし)を見せている彼らだが、なかでも特筆すべきはこれまでジャニーズ事務所が頑なに避けてきた「ソーシャルメディアを通じての音楽活動」だろう。Twitter、Instagram、そしてYoutube。あらゆるチャンネルを通じてコンテンツを配信し、しかもどれ一つとして手抜きのない、そのクオリティの高さにファンのみならず多くの人々が称賛している。特にYoutubeでの楽曲配信は、これまでの嵐が活躍の舞台としていた国内・アジアから、欧州、米国といった英語圏へとその範囲を広げていて、英語詞によるグローバルなポップ・ミュージックやキレのあるダンスは、明らかに「世界」を意識したものとなっている。ジャニーズ事務所がこれまで守り続けてきた様々な権利と、コントロールしてきた情報が、嵐によって一気にオープンとなった。嵐というビッグ・アーティストの大仕掛けは、ジャニーズ事務所という城塞の壁を打ち崩したばかりか、日本のアイドル・コンテンツを改めて世界に向けて発信する起爆剤として、世界に向け大きな「嵐」を巻き起こしている。世界に向けた堂々たる挑戦状、それが本アルバムが"This is Arashi"と名づけられた真意、なのだろう。

 

 英語詞あり日本語詞あり、J-Popのフォーマットに沿った曲あり、ハウスやヒップホップの文脈で作られた曲ありと、嵐のファンにも、邦楽ポップスファンにも、また海外のリスナーにも楽しめる内容。J-Popの特徴である「キャッチーなサビ」が控えめとなった一方で、噛めほどに味の出る、じわりと良い楽曲が揃っている。一方で活動休止までの期限は刻一刻と迫っていて、ファンにとっては待望のアルバムであると同時にどこかざわざわと落ち着かない、そんな作品に仕上がっている(2020.11.06)

2020年12月 3日 (木)

12/03 【食】匠家ひたちなか店(ラーメン中盛ノリ増し、茨城県ひたちなか市)

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 平日の昼間、移動中少し時間が空いたので、ひたちなか市にある「匠家ひたちなか店」に寄ってみた。

 匠家(たくみや)は横浜家系本家からのれん分けしたいわゆる「直系」のラーメン店で、茨城県央・県北地域における横浜家系ラーメンの草分け的存在である。本店は水戸駅南に、2号店は水戸市内国道50号沿いにある。3号店がひたちなか市のこの店、4号店が水戸市末広町にあると記憶している。2号店以降は、本店やそれ以降の店からののれん分けであり、いわゆるフランチャイズではない。そういえば土浦・牛久に2店舗を構える「たくみ家」と「匠家」の関係はどうなのだろう。最近ラーメン事情にすっかり疎くなってしまい、わからないことのほうが多い。

 ひたちなか店はずいぶん前から知っていたのだけれど、なんだかんだ、いろいろな理由で行っていなかった。避けていたわけではないし、かといって積極的に行く理由も見つからず、ずるずると引き延ばした結果現在に至っている。今回行った理由も「時間が空いたから」という消極的な理由だが、手近で本格家系ラーメンが食べられるというのは嬉しいことだ。「食べたいときにそこにある」というある種の安心感が、今の今までこの店に入らなかった本当の理由なのかもしれない。

 横浜家系ラーメンも、最近ではすっかりメジャーになってしまった。亭主の家の近所にも家系のフランチャイズ店が何件かあって、家系そのものの希少価値は薄れてしまった感がある。だが、時は隔てても「直系」の味をしっかり守っている店はやはり強い。とんこつと醤油を合わせてどっしりと深みのあるスープ、大橋製麺謹製の極太麺、またどんぶりをぐるりを囲む海苔の意匠まで「これぞ匠家」という味を久々に堪能した。

 そういえば最近はラーメンショップばかりに行っていた。あちらもうまいが、こちらもうまい。本当は天下一品にも行きたいが、茨城県内の天一は目下コロナが絶賛パンデミック中の県南にあるので、安全を考え行くのを控えている。いずれにせよどれもこれも旨い。

 いまさらながら、亭主のラーメンライフの未来は明るい。

12/03 日々雑感

 早くも今年もあと1ヶ月を切った。


 5月頃には収束するだろうなどといわれていたコロナ禍も、蓋を開けてみれば8月、10月、どんどんと延びて、結局年末までもつれそうな勢いである。いや、例年ならばこの時期猛威を振るっているであろうインフルエンザなどと併せて、結果的に来年の春まで、いや5月、8月、10月、来年のこの時期もやはり結局コロナに脅かされているような気がする。


 GOTOキャンペーンだの医療崩壊だのと世間は相変わらず騒がしいが、亭主が何か言ったところで事態は良くも悪くもならないし疲れるしで、得になることは一切ない。うちの会社が社員にアンケートをとったところでは、コロナの影響で社員の心理的疲労というかストレスがきわめて高くなっているそうである。精神の不調で会社を休みがちとなる人の割合も増えている、とのこと。パンデミックが収拾しないなか、自らの精神を健全に保つことができるのは(国でも社会でも会社でもなく)もはや自分自身のみである。


 最近少し気になるのは、現代を舞台にしたフィクションの作品で、登場人物が「マスク」をしているものが増えていることだ。現代社会をリアルに再現する、あるいは物語にリアリティを与えるために必要な演出かとは思うが、そこまで現代社会を再現せずともよいような気もする。たとえばコミックの場合、登場人物がだれもかれもマスクをしていたら、キャラのかき分けができないし、表情の多くがマスクに隠れて、マンガで一番重視すべき微妙な表現が一切できなくなってしまう。コロナが収拾するまでの経過措置といえなくもないが、亭主にはパンデミックの終わりが見えないでいる。いや、せっかくコミックという、現実世界と切り離された世界で登場人物を活躍させるのだから、その世界にまでコロナを持ち込まなくとも良いと思っている。


 もし現実世界が「ニューノーマル」などとマスクをするのが当たり前の世界になってしまったら、コミックの中でも登場人物はマスクをするのが当たり前になってしまうのだろうか。モラリストたちがコミックの中で登場人物がマスクをしていないとクレームを付け始めるのだろうか。そう考えて暗澹たる気分になる。

2020年12月 1日 (火)

12/01 【聴】X-Mix The Electronic Storm / Mr.C, !K7(k7044CD)

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 ドイツはベルリンを拠点とするテクノ/エレクトロニック・レーベル、Studio !K7がリリースしたDJ Mixシリーズ"X-Mix"より、UKのテクノ・ユニットThe ShamenのメンバーRichard West(Mr.C)のミックスが登場。シリーズ全10作の6作目となるアルバム、初期テクノらしいアッパーでカラフル、ノリの良いミックス・アルバムに仕上がっている。全21曲。今回Amazonマーケットプレイスで購入したところ、Limited Editionが届いた。Limited Editionには"Techno Quiz"なるトランプ状のカードが同梱されており、全51枚のカードにそれぞれLevel 1から5まで5問づつ、合計255問のクイズが書かれている。


 亭主はThe Shamenのことを実はあまりよく知らず、当然Mr.Cも存じ上げなかったのだけれど、本ミックスを聴くと非常にポップで、いまさらながら個人的高感度が爆上がりしている。Carl Craig, Planet 6など有名どころは控えめに、しかしトラックそのものは非常に陽性かつバラエティに富んでいて、聴いていて素直に楽しいし、ノれる。これまで亭主がDJ Mixのアルバムを聴いてきた限りでは、ミックスは大きく二つの傾向に分かれて一つは「すべての曲を同系統で揃える」もの、もう一つは「様々な曲を超絶技巧でつなげる」ものなのだが、Mr.Cのミックスは二つの傾向のちょうど中間に位置している。テクノとして各曲の粒を揃えつつ、様々な趣向を凝らしたトラックをつなげることで、飽きの来ない、楽しいミックスに仕上がっているのだ。ちなみに「すべての曲を同系統で揃える」タイプのアーティストの代表格はジェフ・ミルズ、ミニマルテクノ系のDJがこれを得意とする。対する「様々な曲を超絶技巧でつなげる」タイプのアーティストはケン・イシイあたりだろうか。個人的にはどちらも好きだし、それぞれに楽しめるのだけれど、いわゆる「テクノ初心者」に向けては圧倒的に後者をおススメしたい。Mr.Cの本ミックスもまた「楽しさ」からすれば「テクノ初心者」向けだが、アーティストのラインナップからすれば中~上級者向けでもあると言える。このあたりのバランスが絶妙である。


 なお、同梱の"Techno Quiz"、亭主もそれなりに知識があるのでチャレンジしてみたのだけれど、Level 1~3あたりはなんとかなるとして、以降はなかなか歯ごたえがある。当時のテクノシーンをよく知っている人、特にUKの細かいレーベルや、DJたちに知識がある人でなければ答えられない難問ばかりで、読んでいて「わかるかい!」と突っ込みを入れたくなるものも多かった。こういうゲームは、うーん、現在できる人がどれくらいいるのかな。亭主の周りにテクノに詳しい人はほとんどいないので、ただカードを眺めているだけ、コレクターズアイテムになるだけになりそうで大変勿体ない(2020.11.05)

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