« 11/12 【聴】Technasma / Logic System, pinewaves(PW-10) | トップページ | 11/22 【聴】omni Sight Seeing / Haruomi Hosono, SONY GT(MHCL-10136) »

2020年11月16日 (月)

11/16 【聴】 Join the Pac -Pac Man 40th Anniversary Album- / V.A., U/M/A/A(UMA-1137-1138)

IMAGE

 1980年にアーケードゲームとして発表され、様々なプラットフォームで遊ばれてきた「パックマン」のリリース40周年を記念して製作されたアンソロジーが本作。参加アーティストはケンイシイ、パソコン音楽クラブ、sasakure.UK、中塚武、Buffalo Daughter、Dian(静電場朔、A-bee、immi)、テイトウワ、スチャラダパー、Power Pill(R James)と、ベテランから新進気鋭まで濃いメンツを揃えている。なお本作はディスク2枚組、Disk 1にはアンソロジーとして12曲が、Disk 2にはパックマン・シリーズ(Pac Man, Super Pac-Man, Pan & Pal, Pacmania)4タイトルのゲーム音82トラックが漏れなく収録されている。


 画面内のコースに散らばるドットをすべて取るとゲームクリア、となるタイプのゲームを一般にドットイートゲームと呼ぶ。亭主の記憶する限りドットイートゲームの元祖はSEGAのヘッドオン。パックマンはヘッドオンから下って1年後にリリースした、いわば後塵を拝するゲームということになる。ただ、パックマンが革新的だったのは、単純な周回コースであったゲーム画面を迷路タイプにし、その中に個性ある4種の敵キャラ(オバケ)を配置したことだ。単純なアルゴリズムながらもまるで意思を持つかのように動き回る敵キャラ、コース4か所に配置され、一発逆転が可能なスペシャル・ドット(パワーエサ)、画面左右をつなげるワープトンネルや、数々の隠されたフィーチャーは多くの人々の支持を得て、パックマン(主人公)自身がナムコを代表する、マスコット的なキャラにまで成長した。


 パックマンの成功は、その革新的なゲーム性もさることながら、当時のポップ・カルチャーと絶妙にシンクロしたゲーム・デザインによるところも大きい。たとえば青いワイヤーフレームで描かれた迷路はブルーのネオン管すなわちディスコ・カルチャーをイメージさせるし、パックマンがくねくねと迷路を曲がり進む姿はまるでダンスを踊っているかのようである。なお、パックマンのデザインは、当時の開発者がピザを食べているときに(欠けたピザの形から)思いついたというのは有名な都市伝説らしい。シンプルな画面から垣間見えるアメリカンな意匠の数々は、日本の人には最先端のポップカルチャーとして、海外の人には世界の中心たるアメリカのアイコンとして見えたに違いない。


 話がずいぶん曲がりくねったが、要するにパックマンをダンス・ミュージックの文脈でとらえることは、上の経緯から言っても全く自然な話。ケンイシイをはじめ内外のコンポーザによるアレンジは、どれも80年代ディスコ・シーンを思わせるキラキラしたもので、パックマンの世界観をよく表している(おっとスチャダラパーのラップは、昭和の駄菓子屋にあった小さなゲームコーナーのワンシーンだけれども)。シンプルなゲーム音を組み合わせてガシガシのテクノ・トラックにしたもの、女性ヴォーカルと中国語をフィーチャーし異国情緒たっぷりに仕上げたもの、おっと、Buffalo Daughterは相変わらずのダビーなエレクトロック、テイトウワはおなじみのCHATR(音声合成システム)を使ったハウスとアーティストならではの個性が垣間見えるのも楽しい。アーティストのファンはもちろん、テクノ/エレクトロニカが好きな人にもおススメの一枚。


 なおDiac 2はゲーム中の音楽/SEを集めた純粋な「ゲーム・ミュージック」。特にPacmaniaの音源はこれまで陽にリリースされたことがないため必聴といえる(2020.10.31)

« 11/12 【聴】Technasma / Logic System, pinewaves(PW-10) | トップページ | 11/22 【聴】omni Sight Seeing / Haruomi Hosono, SONY GT(MHCL-10136) »

聴(軟)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 11/12 【聴】Technasma / Logic System, pinewaves(PW-10) | トップページ | 11/22 【聴】omni Sight Seeing / Haruomi Hosono, SONY GT(MHCL-10136) »

2021年1月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
フォト
無料ブログはココログ