11/08 【聴】Tiny Reminders / Two Lone Swordsmen, WARP(WARPCD77)
Andrew WeatherallとKeith TenniswoodによるUKテクノ・デュオ、Two Lone Swordsmenの2000年リリースのアルバム。UKの老舗テクノ・レーベルWARPからのリリース、短めのテクノ・トラックを連ねた小気味よい小品集。全19曲。
メンバーであるAndrew Weatherallは他の名義でも活躍しており、国内ではThe Sabres of Paradise名義が特に有名かもしれない。ただしTwo Lone Swordsmenの名前もテクノ・コンピレーションの常連アーティストとして度々楽曲が提供されており、国内での知名度が足りない、といったほうが正確だろう。実際、Two Lone Swordsmen名義で国内からメジャーリリースされていたアルバムはなく、特にSONY TECHNOなどWARPレコードの作品を固め打ちでリリースしていたレーベルからも国内盤が発売されなかったというのは意外と言えば意外だ。
作品は非常にオーソドックスというか、1990年あたりから盛りあがりを見せていたUKテクノの潮流ど真ん中といった感じのエレクトロニック・ミュージック。極端なミニマリズムや、ブレイクビーツや生楽器と組み合わせた奇抜なアレンジメントなどは見られず、ダンス・ミュージックとしての機能性(フロアを爆アゲするためのテンション)もなく、ある意味非常にピュアでイノセントな電子音楽といえるだろう。
ある種テクノのお手本ともいうべきトラックがならぶ本アルバムだが、その中で一種異彩を放っているのがM8"Brootle"。実はこの曲、イントロがYMOの"Camouflage"とまったく同じなのだ。少しBPMを速めているが、そのほか音色もビートもYMOにそっくりで、YMOファンならば「え、えっ?」とうろたえること間違いなし。サンプリングしたのか、それとも一から作り直したのかはよくわからないが、Two Lone SwerdsmenがYMOのこの曲に大いにインスパイアされたことは確かだろう。当時のテクノ・アーティストの多くがYMOに強く影響を受けていることはインタビュー記事などからも窺い知れる。確かにアルバムに収録されたトラックのなかにはYMOの楽曲を思わせる雰囲気のものも少なからずあって、YMOの影響がまだまだ色濃い時代だったのだと勝手に想像している(2020.10.14)
« 11/06 CASIO 関数電卓fx-7000Gの退役 | トップページ | 11/12 【聴】Technasma / Logic System, pinewaves(PW-10) »
「聴(軟)」カテゴリの記事
- 01/22 【聴】Him / 二名敦子, Invitation|Victor(VDR-1275)(2021.01.22)
- 01/06 【聴】色彩音楽 / World Standard, Stella/Inpartmaint(SLIP-8506)(2021.01.06)
- 01/05 【聴】Windy Island / 二名敦子, Invitation|Victor(NCS-10014)(2021.01.05)
- 12/27 【聴】Loco Island / 二名敦子, Invitation|Victor(NCS-10013)(2020.12.27)
- 12/26 【聴】Capture it / Faith, Vap(VPCC-86291)(2020.12.26)
« 11/06 CASIO 関数電卓fx-7000Gの退役 | トップページ | 11/12 【聴】Technasma / Logic System, pinewaves(PW-10) »
コメント