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2020年10月12日 (月)

10/12 【読】「怪談に学ぶ脳神経内科(駒ヶ嶺朋子、中外医学社)」

「怪談に学ぶ脳神経内科(駒ヶ嶺朋子、中外医学社)」

 獨協医科大学の脳神経内科・総合内科専門医で医学博士でもある氏が、奈良時代~大正時代の文献にみる怪談や怪奇現象を「脳神経内科」の観点から解き明かした書。ざしきわらしやろくろ首などの妖怪や、ドッペルゲンガーや幽体離脱といった心霊現象を医学の光を当てることで、「怪異」の陰に隠れた意外な真相が詳らかとなる。2020年4月刊。


 医学書のようであり、怪談・怪奇現象の解説本でありーーーと一風変わった内容の本書。ざしきわらし、狐憑き、幽霊、ろくろ首、かなしばりなどの十編怪異が症例として提示され、考えられる疾患や現代における類似の症例、また検査方法などが膨大な文献とともに解説される。解説の主体は著者であり、本書において著者は「現代脳神経内科の知識を有するまま過去に時間留学した」医者という立場を徹底する。一つの症例から様々な疾患が導き出され、それら疾患の可能性をひとつひとつ消していくことで真の疾病へとたどり着く様は医学系の推理小説のようでもある。ただし、本書にはおどろくべきどんでん返しも、涙を誘う悲劇も、また事件の真相を暴き出す爽快感もない。あるのは真摯に病に向きあい、一刻も早い患者の快復を願う医者の姿である。


 なお、著者である駒ヶ嶺氏は、医大に進む前は早稲田大学文学部に在籍し、現代詩での受賞歴を持つ文学者でもある。文章の随所に、マジメな医学書からちょっとはずれたユーモラスな表現が散見されて、読んでいてクスッとすることしばしば。とはいえ、全体として非常にハードな内容であり、専門用語がガンガン飛び交う文章は、医学を志した人ならばともかく、一般の読者にはなかなか厳しいものがあるだろう。


 エンターテイメントと学術書のハイブリッド、しかしその敷居は意外と高い。気合いを入れて読むべし。(2020.09.18)


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