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2020年9月 9日 (水)

09/09 【聴】 Japan's Period / No Lie-Sense, ナゴムレコード|Ultravybe(CDSOL-1635)

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 鈴木慶一とケラ(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)のユニット、No Lie-Senseのセカンド・アルバム。全11曲、「君も出世ができる」「ミュータント集団就職」「労働者たち」などなど、昭和歌謡とナンセンスな歌詞をフィーチャーした、独特の世界観が楽しめる作品。2016年、かつてケラ氏が主宰を務め、No Lie-Sense活動開始により再始動を果たしたナゴム・レコードからのリリース。


 アルバムコンセプトは昭和の黄金時代、高度経済成長期、だろうか。戦後急激に発展を遂げ、と同時に激しく歪む日本の有様を、近い将来起こるであろう日本の終焉に絡め、皮肉たっぷりに描き出している。シニカルな笑いとともに過去と未来が同居する不思議な世界観は、彼らなりの「ダダ」の表現なのだろう(サード・アルバム「駄々録」を先に聴いていたからこそ得られる気付きだ)。虚無感を基調とする「ダダ」の世界観と、狂信的・盲目的に突撃を続ける日本人の価値観が渾然一体となり、圧倒的な徒労感となって聞き手に迫る。救いはどの曲も「ナンセンス」に仕上がっていてちょっと聴きには面白おかしいポップスであること、だろうか。笑いは、絶望や不幸から人々を解放する一種の鎮痛薬である。


 アルバムタイトルである"Japan's Period"のPeriodは、「終止符」というより「時期」「期間」「段階」「一区切り」と解釈するほうが精神衛生上好ましい。世紀末がやってきても世界が終わらなかったように、これからも世界と日本は「区切り」を繰り返しつつ動き続ける。


 おそらく、多くの人間が「終焉」を望んでいる。それは「人類の滅亡」や「世界の破滅」であると同時に、それぞれの苦境から解放されるという「救い」でもある(まさしくキリスト教の教義ではないか)。だが残念なことに、そう簡単に問屋は卸してくれない。大災害や犯罪に巻き込まれてもそこで人生が終わることはそうそうない。苦境は以降もまだまだ続く。ならばいっときでもその苦境から目を背けることのできる鎮痛薬としてのナンセンス・ポップの役割もまた、まだまだ終わらないということになる。


 盛大に話が逸れたけれども、まあ、そんな感じ。(2020.08.16)

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