« 08/01 日々雑感 | トップページ | 08/10 【読】「日本SF論争史(巽孝之・編、勁草書房)」 »

2020年8月 7日 (金)

08/07 【聴】誓い空しく -Incomplete Deluxe Edition- / 京浜兄弟社, Disc Union|Super Fuji Disc(FJSP389/390)

IMAGE

 京浜兄弟社は、加藤賢崇、岸野雄一、常盤響、EXPO(山口優+松前公高)、ハイポジ(もりばやしみほ、近藤研二)、SYGYGYS、TIPOGRAPHICA(菊地成孔など)らが在籍する/したテクノポップレーベル。高円寺のレコード店「マニュアル・オブ・エラーズ」を拠点にライブ活動を展開した。レーベルよりもアーティストの存在感が強く、Playstation用ゲームのOST「がんばれ森川くん2号(山口優)」、「キリーク・ザ・ブラッド(松前公高)」、アルファレコードのゲーム音楽レーベル"G.M.O."から「エキスポのバンコク大戦略(EXPO)」、東芝EMI「カモン・サマー」「社員にチュー(ハイポジ)」など様々なレーベル、メディアで活動している。なお、ハイポジの近藤研二は「栗コーダーカルテット」のメンバーでもある。


 本作は、京浜兄弟社在籍のアーティストが一堂に会した唯一のコンピレーション「誓い空しく」(1991)-Disc 1と、そのライブ・リミックス盤"Snack-O-Tracks"(1993年)-Disc 2を2枚組アルバムとして再発したもの。参加アーティストはもすけさん、ハイポジ、TIPOGRAPHICA、コンスタンスタワーズ、ドミニクス、ラッカスビーンズ、ZYPRESSEN、SYZYGYS、EXPO、モンシロチョーズ、ART CORE FUNK、クララ・サーカス、倉地久美夫とアジャ・クレヨンズ、どくろ団(以上誓い空しく)。さらに今堀恒雄+FRED FRITH、加藤賢崇、岡村みどりは"Snack-O-Tracks"のみに参加している。Disc 1が14曲、Disc 2が13曲の全27曲。


 個人的に、京浜兄弟社参加のコンピレーションといえばまず真っ先に「サエキけんぞうPRESENTS はれハレナイト」が思い出される。もすけさん、ハイポジ、コンスタンスタワーズ他「誓い空しく」参加アーティストの多くがこちらにも登場し、アルバムとして統一感のある、おしゃれなテクノ・ポップのアルバムに仕上がっていた。一方で「誓い空しく」はポップ性よりもアーティストの個性が優先である。ポップありパンクあり、キワモノ系の曲もそれなりにある。京浜兄弟社のコアなファンにはたまらない内容、当時のレーベルをよく知る人向けの「全出し」なコンピといったところだろうか。


 もう一つ注意したいのは、楽曲の多くに生楽器が登場、ジャム・セッションタイプの楽曲が多く登場すること。テクノの「ピコピコ・サウンド」を期待して聴いた人にはもしかたら不意打ちになるかもしれない。岸野雄一氏がYoutubeの自身のチャンネルに当時のライブ映像などもUploadしているが、このレーベル、実はかなり人力である。現在もジャズの分野で第一線を行く菊地成孔氏の超絶サックス・プレイや、SYZYGYSが駆使するオクターブを43微分で分割したオルガンなど、前衛・最新鋭の演奏にも要注目。レーベル内でのアーティストの交流も頻繁だったので、アーティスト一人一人の動きに注意しながら楽曲を聴くとより楽しめることだろう。(2020.07.13)

« 08/01 日々雑感 | トップページ | 08/10 【読】「日本SF論争史(巽孝之・編、勁草書房)」 »

聴(軟)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 08/01 日々雑感 | トップページ | 08/10 【読】「日本SF論争史(巽孝之・編、勁草書房)」 »

2020年10月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
フォト
無料ブログはココログ