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2020年1月 8日 (水)

01/08 【聴】 Yellow Magic Children #1 / YMC, UMAA(UMA-9135, 9136)

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 YMO結成41年。その後の音楽史に名を遺すビッグ・アーティストに影響を受け、「YMOチルドレン」を自称・他称する若手・ベテランアーティストらによるコンピレーション第1弾がリリースされた。バンド・マスターはおなじみの高野寛。高田漣、ゴンドウトモヒコ、沖山優司、白根賢一、網守将平といったメンバーに、HANA、坂本美雨、細野悠太、野宮真貴、カジヒデキ、片寄明人、DAOKO、宮沢和史らがゲスト・ヴォーカルとして参加する。ちなみに坂本美雨さんは坂本教授の娘さん、細野悠太さんは細野さんのお孫さんに当たりベーシストとして活動しているという。DISC2枚組で、DISC1は各アーティストがYMOのカヴァーと、持ち歌をそれぞれ1曲づつ披露(全16曲)。DISC2は東京新宿文化センターで2019年3月14日に開催されたライブ映像で、YMOのカヴァーのみ10曲が収録されている。マスタリングはこれまたYMOチルドレンの砂原良徳さん。


 チルドレン―――と呼ぶにはなかなかバラエティに富んだメンバー。YMO散開後に現れた、いわば「直系」アーティストもいれば、さらにそれ以降のアーティストもいる。さらに言えば本当のチルドレンもいる。いずれもJ-Popの世界ではベテランあるいは実力派と呼ばれるメンバーだが、アコースティック系に偏った感はある。CDでは、YMOの曲と、持ち歌を交互に演奏しており、例えば高野さんならば"CUE"と「夢の中で会えるでしょう」、坂本美雨さんならば"The Other Side of Love"と"ONGAKU"、野宮さんならば「東京は夜の七時」と「君に、胸キュン。(カジヒデキさんとの共演)」など非常に手堅い選曲となっている。YMOカヴァーも原曲をかなり意識していて、オリジナルにかなり忠実である。非常に真摯でシリアスな構成、ディレクションは高野さんだろうか。もう少し遊びがあっても良かったような気もする。


 古今東西コンピレーションと呼ばれるものには、企画側の意図として振れ幅や遊びがアルバム中に仕掛けられている場合が多い。たとえばとんでもないアレンジであったり、新進気鋭だがちょっと外したバンドが参加したりと、アルバムに一つの「落としどころ」が設けている。いわゆるイロモノといってもよいようなアレンジ/バンドは、多くのファンから顰蹙を買いつつも、ちゃっかりとアルバムの中で存在感を放ち、次の活動へとつながる足掛かり(というか爪痕)を残していくはずなのだ。してみると本作には「落としどころ」であったり「爪痕」らしきものは見つからない。YMOを敬愛し、また楽曲に真摯に取り組むことで、かつて存在した伝説のバンドに敬意を払っているのだろう。メンバーとして実力派・正統派アーティストが集まったからでもあるのだろうが、個人的にはもう少しハメを外しても良かったと思っている。もしこの企画が第2弾、第3弾と続いていくならば、例えば第2弾は電子音楽系で、第3弾はダンス・ミュージック系でとジャンルとアーティストを替えても良い。YMOの遺伝子を引き継ぐアーティストは、ほかにもたくさんいるはずだ。(2019.12.27)

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