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2019年12月22日 (日)

12/22 【聴】 Philharmony / Haruomi Hosono, SONY GT(MHCL-510)

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 2005年にSONY GT musicから再発された細野さんのソロ・アルバム、Philharmonyを購入。オリジナルは1982年にALFA Recordsからリリースされており、今回購入した再発盤はデジタルリマスタリング、細野さん自身によるインタビュー記事を収録している。オリジナルと同じく全10曲。なお2019年にはSACDハイブリッド盤もリリースされているので、今ならばSACDハイブリッド盤を買うともろもろ幸せだろう。ではなぜ亭主がこれを購入したかといえば、Hard-Offの中古CDコーナー売り場「クラシック音楽」にこのアルバムが置かれていて大変不憫に思ったから。Philharmonyはアルバム名であってジャンルではない。細野さんがクラシック音楽に傾倒したという話もない。Hard-Off売り場担当者の見識が疑われる。


 YMO活動中はソロ作品を一切発表しないと公言していた細野さんではあったが、当初はタンスなどと呼ばれて松武秀樹さんのようなプログラマでしか扱えなかったシンセが民生品として普及し始めると、細野さん自身もシンセを直接操作して曲作りができるようになる。たしかPhilharmonyではローランドのMC-8を使っていたはずだ(詳しい方はご指摘乞う)。地味なルックスに反してアルバムの人気は高く、イタリアの大衆歌謡「フニクリ・フニクラ」をカヴァーしたり、"Luminescent/Hotaru"ではサンプリングしたヴォイスをコラージュしたり、はたまた"Sports Men"、"Living-Dining-Kitchen"ではアメリカン・テイストなポップ・ミュージックを披露したりと、後年ほど多くのアーティストがこのアルバムをフェイバリッドに挙げ、コンピレーションなどで積極的にカヴァーしている。当時のセールス具合はどうだったかは定かではないが、多くのアーティストがこのアルバムにインスパイアされ、また細野さんのフォロワーとして(細野さんのアルバム制作の意図はさておいて)育ってきたことは間違いない。


 YMO散開後は東洋思想やスピリチュアリズムなどに接近した細野さんであるが、こと本作に限っては歌詞に「ビッグマック」や「ワンダーウーマン」などアメリカ的な生活スタイルを引用していて、あっけらかんとした明るい作風が心地よい。アルバムリリースの1982年といえば、メンバの軋轢や社会的抑圧の中製作されたアルバム"BGM"、"Technodelic"をリリースしたのちメンバ各自がソロで活動していた頃であり、その後の「君に、胸キュン。」リリースで再び脚光を浴びるまでのある意味「気楽」な時期であった。無責任な物言いだが「気楽」な時期に作られた作品が多くの人に支持されるというのはとても健全なことであるし、
マージンや余裕が一切なくなり、殺伐とした世の中になってしまった今からすれば大変羨ましいことでもある。(2019.12.08)

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