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2019年7月 4日 (木)

07/04 【読】 「虚実妖怪百物語 序/破/急(京極夏彦、角川文庫)」

「虚実妖怪百物語 序/破/急(京極夏彦、角川文庫)」


 小説家として「姑獲鳥の夏」「嗤う伊右衛門」「巷説百物語」など多数の著作を発表、デザイナー・妖怪研究家・劇作家など幅広いジャンルで活躍する京極夏彦が、2016年に発表した大長編妖怪小説。多数の小説家・漫画家・タレント・研究者・出版関係者などが実名で登場、魔人復活で存亡の危機を迎える日本を救うべく、京極ら妖怪馬鹿がゆる~く立ち上がる京極版「妖怪大戦争」。なお、単行本として出版された際には「序」「破」「急」の3分冊だったものが、文庫版では1冊に統合され、まるで「豆腐」のような見てくれとなった。文庫版の総ページ数はなんと1388ページ。


 現代の日本を舞台とした「仮想戦記」を思わせる内容。登場人物に京極夏彦、多田克己、村上健司といった「妖怪馬鹿」をはじめ、水木しげる御大(先日逝去された)、荒俣宏がメインキャストに、またゆうきまさみや高橋葉介、嶋田久作、宮部みゆきらもちょい役で登場するという豪華な内容。第1巻である「序」では日本を覆う異様な雰囲気、異変の数々が断片として語られ、第2巻「破」以降はその異変が日本全体を揺るがす動乱へと発展する。いわゆる「スペクタクル小説」だが、その情報の多さ、中身の濃さはすさまじく、世間の「妖怪馬鹿」はともかくアニメファンや特撮ファン、漫画ファンやミステリファンなどなど、世間でいう「マニア」な人々全方位のハートをぐさりぐさりと射貫く内容となっている。自慢ではないが亭主もいっぱしの漫画ファン、ミステリファンであり、アニメや特撮にもそれなりの知識を持っている。もちろん「妖怪馬鹿」・・・ほどではないが「妖怪」含めたオカルト関係にも一応通じているつもりなのだが、本書のどこを読んでも「濃い内容」、生半可なファンでは太刀打ちできないマニアックな内容に、最初から最後まで笑いっぱなしであった。現実に存在する人々が、濃い話題でかけあい漫才を披露し、また日本存亡の危機においては時にゆる~く、また時にはやけくそで立ち向かうという姿がとてもリアルな一方で、そのリアルさを維持したまま「日本を救う」という偉業を成し遂げてしまう、アクロバティックなプロットが本書一番の見どころ、楽しみどころだ。(2019.07.04)


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