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2019年5月24日 (金)

05/24 【読】「YMOのONGAKU(藤井丈司、アルテスパブリッシング)」

「YMOのONGAKU(藤井丈司、アルテスパブリッシング)」


 1980年にヨロシタミュージックに入社、アルバム「増殖」から散開までYMOのアシスタントを務めたほか、サザンオールスターズのアルバムではシンセ・プログラマーとして、また1990年代以降は音楽プロデューサーとして玉置浩二、JUDY AND MARY、ウルフルズなどを手掛けた筆者が、YMOの活動当時をアルバムのレコーディング・データとともに振り返った書。2016年に下北沢のライヴ・カフェで開催されたトークイベントの書き起こし、毎回豪華なゲストを迎え、観客とともに当時の様子を楽しく語る。YMO結成40周年記念企画、とのこと。


 毎回1枚のアルバムをお題に挙げ、ゲストとともに当時の社会情勢、メンバーや録音現場の様子、使用機材、楽曲構成などレコーディングにかかわるあらゆる事柄をトークした内容。トークイベントは全6回、アルバムYellow Magic Orchestraの回、Solid State Survivorの回には松武秀樹氏、アルバムBGM、Technodelicの回には飯尾芳史氏、浮気なぼくらの回には砂原良徳氏、テクノドンの回には木本ヤスオ氏がゲストとして登場する(おっとSurviceはなかったことになるのかな?)。いずれもYMOに縁の深い人々、松武氏からはYMO結成当初のシンセ事情が、飯尾氏からは解散の危機を乗り越え、最高傑作として名高いTechnodelicがリリースされた当時が詳しく語られる。一方砂原氏からは小学校・中学校当時のいちファンとしてのYMO観や近年のYMOメンバーとのかかわりが、また木本氏からはテクノドンの制作風景、特にYMO再結成にまつわる込み入った事情やメンバーの様子などが語られている。これまでのコレクター本、メディア論や文化論などの視点から書かれた解説本とは異なる、現場感にあふれたトークとなっている。特に筆者の藤井氏はYMOを熱烈に愛するファンでもある。楽曲に対する深い理解と音楽知識があいまって、なかなか熱い語りを聞く(読む)ことができるのがうれしい。イベント会場に集まった聴衆もコアなYMOファンばかりで、司会とゲスト、会場全体が一体となってYMOに思いをいたせるというのは同じくコアなファンを自認する亭主にとっては大変羨ましい。


 こういうファン本・企画本の多くは(残念ながら)ノリで書かれた軽薄な内容、あるいは渡された膨大な資料をライターが淡々と時系列に並べ物語る内容になりがちで、亭主もまたそのような軽薄・淡々とした内容の本には正直うんざりしていた。ところが本書に限っては本当に最初から最後まで興味深く、また楽しく読めて、久しぶりに当時の興奮やときめきを思い出すことができた。文句なしのおすすめ本、YMOファンならばぜひ読んでおきたい決定版といえる(2019.05.24)

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