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2019年3月25日 (月)

03/24 【聴】A Salty Dog / Procol Harum, Esoteric Recordings(ECLEC-22503)

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 Gary Brooker(Vocal, Piano)を中心とするイギリスのロックバンド、Procol Harumの3rdアルバム。1967年にバンドを結成、メンバー交代を繰り返しつつ現在に至る長寿命バンドの代表作ともいえるアルバムが本作となる。タイトル・ナンバーである"A Salty Dog"ほか全10曲。リリース当時はアメリカビルボードで32位、イギリスチャートで27位と果たしている。今回はEsoteric Recordsから、ボーナス・トラック12曲がDisc 2として追加された特別イシューを購入した。オリジナルは 1979年リリース。Disc 2にはスタジオセッション、ラジオ収録バージョン、ライブ録音などのレアトラックが並び、ボーナストラック12曲中5曲が未発表曲となっている。

 亭主はこのあたりのロック・シーンに詳しくないため、単なる印象として述べるにすぎないが、個人的にはオーソドックスなブリティッシュ・ロックという印象。ただしロックのエネルギーで押しまくるという感じではなく、むしろバラエティに富んだアレンジ、豊かな世界観などサウンドトラック的な雰囲気を持つ。その後英国のロックはニューウェーヴの波に席巻されることになるのだが、その後のロックに比べればこのアルバムは文句なく「牧歌的」であり、誰もが安心して聴ける健全な音楽である。

 一方、亭主のようなYMOに大きく影響を受けた人間にとって、本アルバムは「YMOのエッセンス」が凝縮されたアルバムでもある。アルバム・ジャケットのデザインは、その後細野さんがアルバム"Tropical Dandy"でまるまる引用している。浮き輪の中の水夫然とした人物は、Tropocal Dandyでは細野さん自身のイラストに置き換わっているほか、Procol Harumの"Harum"は細野さんの名前"Haruomi"と音素が共通する。それだけではない、このアルバム・デザインから想起される「海」のイメージは、細野さんのみならずサディスクティック・ミカバンドやはっぴいえんどにおける「海賊」や「港」へのイメージへと受け継がれている。ミカバンドやはっぴいえんどなどのアルバムにおいて「海」は還るべき場所であるとともにフロンティアであり、「海賊」は反逆と自由の象徴である。社会からはじき出され、異分子として肩身の狭い日々を送る若者にとって、「海」や「海賊」は最後の希望なのだ。

 そういえば荒井由実がアルバムを作る際、Procol Harumの曲に大きな影響を受けた、あるいはProcol Harumを意識した曲作りをしたなどという話をどこかで聞いたことがある。アルバム最後の曲"Pilgrims Progress"はその後鈴木慶一と高橋幸宏のユニット、Beatniksがアルバムでカヴァーした曲でもある。YMOを追っかけている人間ならばこのアルバムのはしばしに懐かしいものを感じるだろうし、現在の音楽シーンの根底にProcol Harumを含むブリティッシュ・ロックの系譜があることに気が付くことだろう。

 ちなみにPilgrims Progressは亭主が大好きな曲の一つで、精神が弱っているときには必ずこれを聴いていたし、スピーカの前を離れてもこの曲が頭の中をリフレインしていた。これももう30年も前からの話である。

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