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2018年11月 7日 (水)

11/07 【聴】 Hosono House (CT) / 細野晴臣, Bellwood|King|Fuji(FJCT103)

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 秋葉原のタワーレコードに、細野さんの1stソロ・アルバムであるHosono Houseの復刻テープが置いてあって、問答無用で購入した。


 今回購入したメディアは2018年8月22日に、Fujiというレーベルから本数限定で再発されたもの。同時にはっぴいえんどのアルバムも同時に再発されたようである。型番がFujiのものである、という以外はジャケットのデザインも、歌詞カードも当時を完全に復刻していて、その再現度・完成度は非常に高い。音質も非常に良い・・・といいたいところだが残念ながら亭主はテープの音質を云々するほどデッキを使い込んでいないので、まずは再生できること、音楽が楽しめることが最優先となる。ちょっと聞きには低いレベルで録音されている。音量を上げると「うわっ」とサウンドスケープもまた立ち上がってきて、しかもその温かい音色にほっとする。ハイレゾ、ハイビット、高S/N。テープメディアの前では最新のテクノロジーも形無しである。そんなテクノロジーなどなくとも音楽は楽しむことができるのだ。


 Hosono Houseのレビューはこれまでにも何度か記事にしている。


 はっぴいえんどの活動休止後、細野氏の自宅で製作されたいわゆる「宅録」による1stソロアルバム。1973年リリース。松任谷正隆、鈴木茂、林立夫ら当時の仲間達のバックアップを受けて出来上がったアルバムは、細野氏の原点であるニューオーリンズや当時細野氏が住んでいた狭山の自宅など、「土」の匂いのするパーソナルな作品集。その後も何度かカヴァーされる"Choo Choo ガタゴト"、"恋は桃色"など全11曲。デジタル・リマスタリングによる再発盤。ギターの胴鳴り、響きが美しいが、宅録であることを考えると美音すぎてちょっと不自然かも?(2005.05.09)


 その4日後には以下のようなレビューも書いている。こちらは上の記事の数日後に書いたものらしいが、現在は閉鎖中のコンテンツらしく公開がないようなので、恥ずかしながらここに再掲する。


 浪人状態を脱出した亭主が、東京に程近い地方都市にある大学生向けの学生寮に入ったとき、持っていたオーディオ関係の荷物といえば、春休みに買った真新しいCDラジカセと数枚のCD、それにこれまでコツコツと集めてきたカセットテープだけだった。引っ越してきて間もない頃は、独房のような病室のような、殺風景で底冷えのする4畳足らずの部屋の中で、買ったばかりの"Hosono House"を繰り返し聴いていた。鉄筋のクセにやけに薄い壁を気にして、ヴォリュームはかなり絞り気味。それでも朴訥な細野さんのヴォーカルはがらんとした部屋に響いた。「終わりの季節」「冬越え」そして一番好きな曲、「恋は桃色」。


 本作では、全ての音源を当時の狭山の自宅で録音している。音響にはかなり苦労したそうで、多量の録音機材のほか畳や布団、フスマを吸音材にして録音したと、モノの本で読んだことがある。聴いてみると不思議な音響、ヴォーカルはデッドなのに、楽器の音は妙に生々しく響く。後日、ジャズの自宅録音盤にHosono Houseに似た雰囲気のものがあり、なるほどこれが宅録の味かと納得したこともある。本作で宅録の効果が最も良く現れているのは、ずばりヴォーカルである細野さんの「近さ」だろう。音程が低い上に響きの少ない細野さんの声が、何の加工もなくマイク~CD~そしてスピーカへと伝わり、圧倒的な実在感を持って聴き手に迫ってくる。特に再発盤のデジタル・リマスタリングの効果は絶大で、録音現場で自分が細野さんに向かってマイクを差し出しているような錯覚に陥ることすらある。


 ・・・とはいえ、CDラジカセを作りつけの勉強机の上に置いて聞いていた当時の亭主には、そんな実在感など分かろうハズもなく。


 当時は、歌詞のセンスの良さにとにかく感動していた。はっぴいえんど時代は「海外の音楽に影響を受けすぎ」と辛い評価ばかりだった細野さんの作風が、ソロ = ホソノハウスという一つの閉世界の中で見事に完成している。英語的な日本語で書かれたパーソナルかつ内省的な歌詞は、まるで悲しいときに見上げる空のように淡々としていて、透明で、そして深い。


 そういえば本作には「春」を意識した曲が多い。冷たい季節が去り、ほどなくやってくる暖かい季節に期待と不安を抱く時期。亭主もまたそんな季節に、がらんとした部屋でこのアルバムを聴いていた。・・・そういえば、このごろもそんな時期だ。道理で歌詞がココロにしみるはずだ。(2005.04.13)


 亭主にとってテープメディアは、ラジオとともに亭主の音楽体験の根幹にある。亭主の浪人時代の財産は、当時CD再生すらできないラジカセとカセットテープだけだった。受験勉強の傍ら深夜放送を聴き、月3万円の生活費のなかから、毎月1本のミュージックテープを買うことだけが楽しみだった。カセットテープのサイズ感、適度な重み、歌詞カード、ケースを開けた時にふわりと香る独特の匂い。そのどれもがテープに録音されている音楽を美しく飾っていた。(2018.10.19)

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