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2018年9月

2018年9月30日 (日)

09/30 【聴】 No Nukes 2012 / Yellow Magic Orchestra, Commmons(RZCM-59939)

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 2012年7月7日、幕張メッセで開催されたライブ「NO NUKES 2012」より、YMOの演奏をアルバム化した作品。東日本大震災でメルトダウンした福島第一原発の事故を受けて、反核、反原子力のメッセージを強く打ち出したライブであったという。なおアクトにはドイツからクラフトワークが参加。大いに盛り上がったらしいが亭主は行っていない。


 8トラック、全9曲。YMO初期の作品を主として集めた、非常にプリミティブな内容。M1に唯一YMO以外の曲、クラフトワークのRadioactivityを収録するが、これには反核のメッセージを込めるべく"Stop Radioactivity"と歌詞をアレンジしている。細野さんによるヴォーカルが聴けるのも本トラックの特徴の一つ。


 M2以降はこれまでのYMOに戻り、M2にFirecracker、M3にSolid State Survivor、M4にLa Femme Chinoise、M5にThousand Knives、M6にCosmic Surfin'ならびにAbsolute Eno Danceのメドレー、M7にTong Poo、M8にRydeenと、初期のベスト的な選曲。人によっては物足りないと思うかもしれない。ステージ上にはベースの細野さん、キーボードの坂本さん、ドラムの高橋さんと、アコースティックを意識した編成で立ち、サポートにギターの小山田さんと高田(連)さん、コンピュータオペレーションのゴンドウさんが加わる。以前はYMOといえば3人、最近は3人を中心にサポートメンバーが加わるのが定番である。テクノロジーとアコースティックが絶妙なバランスで組み合わされた新しいYMOにすっかりなれたこともあって、(これが反核イベントだということはさておいて)CDを通してその雰囲気を存分に楽しむことができた。


 ちなみに、亭主は原子力に関して肯定も否定もしないが、ただ一つ「今の人類の成熟度・文明の程度で原子力・放射能はまだ早い」と思っている。(2018.09.20)

2018年9月29日 (土)

09/29 【聴】 Monster Exist / Orbital, P-Vine(PCD-25265-6)

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 Phil HartnollとPaul Hartnoll。ハートノル兄弟によるテクノユニット、Orbitalの6年ぶりとなるフルアルバム。豪華盤は2枚組、さらに日本盤にはボーナストラック1曲が追加されて全18曲とヴォリュームたっぷり。


 かつてより、有機的かつ異形のクリーチャーをアルバムデザインに据えてきたOrbial。ここのところはどちらかといえばサイバーな雰囲気を前面に押し出してきたが、このアルバムで原点回帰がなされた感がある。アルバムタイトルの"Monster"とは、(ハートノル兄弟のコメントによれば)現代のモンスターのことであり、「銀行家」あるいは「あの男」、自身の中にいる悪魔や恐怖かもしれないという。同じくUKハウスのベテランアーティストMobyもまた現代における矛盾や怒りをアルバムにしたためているが、Orbitalのアルバムもまた現代への痛烈な皮肉であり、批判であるようだ。


 ただし、アルバムそのものは非常にOrbitalらしい、と言ってよい。ポップで、身体を動かさずに入られない躍動感のあるテクノ。ゲスト・ヴォーカルの端々に社会への怒りをのぞかせつつも、素直に聴いて楽しい、ユーモアにあふれる作品に仕上がっている。「怒り」や「恐怖」がテーマだとしても、決して短絡的な表現へと落とし込まないあたりがベテランである。クラブやレイヴ・イベントで盛りあがりまくるハイパー・アクティブなトラック群についつい繰り返し聞いてしまうことだろう。実際、Orbitalの作品からは、スノビズム臭がいっさい漂わない。そのポップなサウンドは日本人向きといってもよく、実際日本での人気も極めて高い。(2018.09.13)

2018年9月28日 (金)

09/28 日々雑感(3)

短い文章であれば、Pomera DM100でQRコードに変換し、iOS 12の新機能であるQRコードカメラで読みとり後ココログアプリに貼り付けて記事にするのが手っ取り早い。実際ここに挙げた3つの記事はいずれもこの方法で作成した。以前はEvernoteで連携したりファイルをPCに取り込んだりと以外と手間がかかっていた。QRコード自体ローテクな技術であるが、要は使いようである。

09/28 日々雑感(2)

一日に4通、5通とダイレクトメールを送ってくる某ECサイトの人間たちは、個人のeメールというものをなんだと思っているのだろう。eメールといえば以前は友人知人からの連絡や、使用しているソフトのアップデート情報くらいのものだったが、今では平均で40〜50通、ダイレクトメールが到着する。ほとんど見ずに自動フィルタを使ってフォルダに分類している。

09/28 日々雑感

自らのアイデアを書き留めておく手段としてEvernote、Clear(本来はToDoを管理するアプリ)などを使っているが、ブログの記事にしたあとは消してしまっているのでなかなかアイデアが溜まっていかない。学生時代に自由罫のノート(落書き帳)を使っていたが、あれが一番使い勝手がよい。ちなみに学生時代に書き溜めたアイデアノートは50冊に及んだが、「子供の落書きレベル」と就職の際にすべて焼いてしまった。

2018年9月25日 (火)

09/25 東京マラソン2019落選のお知らせ

このたびは東京マラソン2019にお申込みいただき、誠にありがとうございました。

定員を超えるお申込みがあり、厳正なる抽選の結果、
誠に残念ながら今回はご意向に沿えない結果となりました。

お、おう・・・。


一点だけ指摘しておくと、「今回は」ではなく「今回も」である。


いうまでもなく毎年のご意向に沿えないメールであり、時候の挨拶である。これがないと秋を迎えたという実感がわかない。

2018年9月22日 (土)

09/22 【聴】 Frederhythm / Frederic, A-Sketch(AZCS-1060)

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 神戸出身の4人組バンド、フレデリックのフルアルバム。個人的にYoutubeでドはまりしたPV「オドループ」「ワンダーテンダー」を含む怒涛の15曲。2016年リリース。フレデリックのホームページに記載のディスコグラフィによれば、本アルバムが現時点で唯一のフルアルバム、そのほかミニアルバムが6枚、シングルが2枚リリースされている。




 まずはPVを差し込んでおく。エッジの立ったビート、韻を踏みつつ複雑に絡まる歌詞、そしてループ・ミュージックを髣髴とさせる曲構成が妙に耳に残る。ハイスピードな展開、印象的なヴォーカルの声質などその特徴を挙げればきりがないが、端的に言えば「ついつい繰り返して聴いてしまう」中毒性がある。実際亭主はYoutubeでこれらPVを聴いてドはまりし、Youtubeで再々繰り返し聴いた結果アルバムまで買ってしまった。アルバムを買って満足したかといえばさにあらず、車の中で、自室で、ついには犬の散歩中に口ずさむくらいにはまっていて、最近買ったアルバムの中でも別格のヘヴィー・ローテーションになっている。テルミンをフィーチャーしたザ・プーチンズ(最近は改名してザ・プーという名前になったらしい)のPVをYoutubeで観た時もだったが、時々こういったツボにはまる曲やアーティストが見いだされる。以前はYoutubeを全く見なかった亭主、最近はほぼ毎日Youtubeを訪れナイスなPVを探している。最近のアーティストのPVはどれも良い。(((さらうんど)))も良かった。結果的にアルバム購入につながっているので、アーティスト的にもありがたい話かもしれない。


 それはそうとして、フレデリズムの本アルバム。いわゆるループ・ミュージック的な曲だけではなくブルーズやチルアウトな曲もしっかりそろっていて、アルバムとしての構成もしっかりしている。前半と後半、それぞれに盛り上げどころを用意していて、特に亭主は前半大盛り上がり大会のM1「ワンダーテンダー」M2「リリリピート」のあとにくるM3"レプリカパプリカ"のアレンジ、そして前半最後の曲でチルアウトでメロウなM9"Poolside Dog"がお気に入りだ。M9のあとにはM10「オドループ」で2回目の盛りあがりがやってくる。最後までしっかりと盛り上げ捨て曲が一切ない、ベストアルバム的な豪華さが素晴らしい。(2018.09.13)

2018年9月20日 (木)

09/20 【聴】 Collapse EP / Aphex Twin, Warp|Beat(BRE-57LTD)

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 Aphex TwinことRichard D.James久々の作品リリース。2014年の"Syro"以降、2015年の"Orphaned Deejay Selek 2006-08",2016年の"Cheetah EP"と小粒なリリースが続いていて、今回もまた小粒な・・・しかし音楽としては刺激性の強い作品に仕上がっている。全5曲。それにしてもAphex Twinのアルバム/シングルは毎度話題性が高いせいか、ジャケットの装丁に金がかかりまくっている。


 アルバムの外観からはアンビエントの名作"Ventolin EP"あたりをイメージさせるが、本作では変則ブレイクビーツを前面に押し出している。手数多め、音数は多いが、リズム・トラックが中心に据えられているためトラックそのものは非常にシックでシンプル、静寂すら感じされる。たとえばM2"1st 44"などは電子音を駆使した変則ブレイクビーツというフォーマットが採られているものの、その聴き心地はむしろアンビエントに近い。マシンガンのように放たれるビートの背後にたゆたうゆったりとした空気には、聴く人を鎮静化させる効果がある。(2018.09.16)

2018年9月17日 (月)

09/17 日々雑感

大阪府北部地震(平成30年6月、Wikipedia)


平成30年7月豪雨(平成30年7月、Wikipedia)


北海道胆振東部地震(平成30年9月、Wikipedia)


ほかにもあったかもしれない。被災者の皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。世間では「大仏建立の機運が高まっている」などとかなり真面目な顔で冗談が語られていて、大仏で災害が避けられるならばいくらでも建てればよいと思いつつも、冷静に考えるとやはり無理としかいいようがない。個人的には、人々の心から信仰―――というか心の寄る辺となるものが失われていて、これが社会全体に絶望を蔓延させる原因になっているのではないかと思っている。


YMO、結成40周年を記念してアルファ期アルバム全10タイトルがアナログ&SACDハイブリッドで復活 (Tower.jp)


YMO40 (otonano)


Towerレコードのヘッドラインの通り。あわせてTEI TOWA監修・砂原良徳リマスタリングのYMOに関する最新コンピレーションNEUE TANZがリリースされるとのことで、まずはこちらのコンピレーションを予約済である。アナログ/SACDハイブリッドアルバム10枚を買う予定はいまのところない―――と思っていたらふつふつとコレクターの血が騒いできたので買うかもしれない。なにしろこういうアイテムは後で買うのが結構大変なのだ。BOXで一気にリリースすれば面倒がなくてよいのだが。


iPhone SEは後にも先にもアップルの最高傑作だった(Techcrunch)


「iPhone SE」の引退にみる “古き良きもの”と決別してきたApple(ITmedia)


iPhone XS/XS Max/XRは何が新しい? iPhone X/8/8 Plusと比較する (1/2)(ITmedia)


新型iPhone3モデル「iPhone XS/XS Max/XR」&「Apple Watch Series 4」が発表されたAppleの新製品発表イベントまとめ(GIGAZINE)


AppleからiPhoneの新型モデルが発表となった。auから「新機種ご予約開始」のメールが来て、この界隈はまたぞろ騒がしくなっている。亭主はiPhone SEを愛用していて、iPhone 5購入以降はiPhone 5S→iPhone SEと小型にこだわっている。iPhone 5シリーズのサイズが気に入っているのと、Xで採用された顔認証に今一つ信用がおけないのとで、新しい機種への変更を躊躇している。世間にはすっかりXが浸透しているようで、高額だなんだのと批判があったわりにはあちらこちらで見かける。あの値段はすでに世間には許容されているようだ。


ところで亭主は、新機種への変更に及び腰である。単に機種変更が面倒なだけなのだが、SEを購入した際、PCからバックアップしたはずのデータの一部がなぜか欠落していて、この理由がわからないことも及び腰の原因である。


最近老眼が進行してきたようでスマホの文字が見えにくく、大画面のほうが楽なのではないかと思うことしばしばである。

2018年9月12日 (水)

09/12 【聴】 Peace Maker / Akakage, FILE(FRCD-239)

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 伊藤陽一郎のソロ・プロジェクト、Akakageの2014年アルバム。ゲストヴォーカルに曾我部恵一、将絢、dahlia、MEGらが参加、これまでで最もハチャメチャで明るい作品がリリースされた。「ラムのラブソング」のカヴァー、"You are the Universe(The Brand New Heavies)"のカヴァーに加え、国の無形民俗文化財の指定を受ける「郡上踊り保存会」による「春駒」のAkakageバージョンなどなど、今回も話題作が続々。が、なぜこれだけの大作を亭主がこれまで見逃していたかといえば、亭主が情報収集をさぼり、Amazonのおすすめリストだけを頼りに新譜を購入していたからに他ならない。


 アメリカの古いテレビドラマにインスパイアされたレトロなサンプリング・ミュージックを得意としたAkakage。その後ボサノヴァやサンバといったラテンのテイストを取り入れてみたり、女性ヴォーカルをフィーチャーした作品をリリースしてみたりと様々な方面を模索していた。本作ではそれまで試行してきた様々なジャンルや方法論をまぜこぜにし、無国籍で無責任で無条件に明るいアルバムが出来上がった。コントのオチに使われるサウンド(ジングル)をモチーフにしたM2"Oh My God"、「天国と地獄」のフレーズを妙に明るいループ・ミュージックに仕上げた"Cha Cha Cha in Heaven"、彼の別プロジェクトAaron(アーロン)とも共通するラテンテイストのサウンドに、これまた無責任な歌詞を重ねた「真夜中 SUN SUN SUN」など、モチーフそのものはかなり安易なのだが、そこを無理繰り通してしまうあたりにAkakageの捨て身が見て取れる。これまでの彼のキャリアの集大成であると同時に、新しい展開をも予想させるサウンドの数々。ただし残念ながら2014年から現在に至るまで彼がオリジナル・フルアルバムをリリースしたという情報はない。(2018.08.24)

2018年9月10日 (月)

09/10 【食】 じゃずめん こんどう(チャーシューワンタンメン、福島県塙町)

 しらかわ郷里マラソン大会の帰りに立ち寄った白河ラーメンの店。メニューには白河ラーメンのほか、トマトラーメン、きむちラーメン、しょうがラーメンなどの変わり種も並んでいたが、運動後で空腹だった亭主、今回は正攻法でチャーシューワンタンメンの大盛りを食した。


 白河ラーメンは、手打ちの縮れ麺に濃厚な鶏がらスープのご当地ラーメン。写真の通りのオーソドックスなラーメンである。具も中華そばとしては一般的、スープに浮いた脂が味にパンチを与えている。古き良き時代の食堂ラーメンが好みな人にはもちろん、新しもの好きの人にも「創作ラーメンの新しさ」が楽しめる。店内も明るく気さくな雰囲気なので、近くに立ち寄った際にはぜひどうぞ。


 ちなみに亭主、以前白河ラーメンを食べたことがあるのだが、どこで食べたか全く思い出せなかった。このラーメンを食べて久しぶりにその味を思い出し、「ああこの麺のぞばぞば感が白河ラーメンだよなぁ」と感じ入った次第である。


20180908jazzmen

2018年9月 9日 (日)

09/08 【動】 第17回しらかわ郷里マラソン大会

 福島県白河市東風が丘運動公園で開催された題記大会に出場した。


 亭主は今回が初参加だが、妻が昨年出場したとのことでなんとなく雰囲気は聞かされている。小規模だがアットホームな大会、近くに温泉施設があり、完走後すぐにお風呂にはいれるという。小規模なので、会場と駐車場も近い。亭主はこういう全体的に小さな大会が好きなのだ。


 当日は曇り空にときどき雨が落ちる不安定な天気。気温は低いが湿度が高いため息苦しい。選手受付開始の8時には雨が道路を完全に濡らし、10kmの部出走の10:40には徐々に雨脚が強くなっていた。もともと暑い時期に設定された大会だけに雨はありがたいが、今年は季節が1ヶ月早く推移しているようである。とりあえず、雨を恨んでもしかたがない。とっとと走って終わらせることとする。


 種目は小学1、2年生が走る1km、小学3、4年生が走る2km、小学5、6年生が走る2km、地位学生と一般が走る3km、高校生女子と一般の走る5km、高校生男子と一般の10kmの6種目24部門。参加者はすべての競技で1464人、10kmは480人。人数は少ないがいずれも健脚自慢のアスリートたちがしのぎを削る、厳しい大会である。


 実のところ亭主は練習というものが全くできておらず、2週間前の「伊達もも」(および日々の仕事)の疲れが残った状態。不安の中での出走となった。ただ、コース事態に起伏があまりなかったからか、10kmの道のりがかなり短く感じられて、快適に走ることができた。タイムもここ数年ではベストに近く、終わってみれば上出来の結果であった。雨にも関わらず多くの応援の方が沿道に出ていて、声援を送っていただいた。どうやら応援の皆さんのパワーも味方につけられたようである


ゴール後は雨が降りしきるなか運動公園内の「きつねうち温泉」に行き、温泉を堪能。アルカリ泉のようでお肌つるつる、雨に煙る森に隣接した露天風呂が気持ちよい。充分に温まったあとは休憩施設でアイスキャンディーを食べ、しばらくぼーっと土産物屋をのぞいたり、ソファーに座ったりしていた。が、なかなか雨はやむ気配がなく、むしろ雨脚が強くなっているようにも感じられた。やれやれと重い腰を上げ帰宅の途についたが、本当はもっとゆっくりしたかった。きつねうち温泉もまたアットホームでこじんまりとした(しかし白河市が運営する)温泉施設だったのだ。

2018年9月 8日 (土)

09/08 【聴】 This Warm December -A Brushfire Holiday Vol.2- / V.A., Brushfire(B001623602)

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 ハワイを中心に活動するシンガーソングライターJack Johnsonと彼のレーベル・アーティストによって制作されたクリスマス・ソングのコンピレーション第2弾。第1弾と同様に様々なジャンルの音楽を集めた楽しいアルバム、タイトルのThis Warm Decemberはクリスマス・シーズンのハワイを意味している。全13曲。


 BrushfireレーベルからはJack Johnson, Neil Halsted, A.L.O., Matt Costa, G.Love,Bahamasが参加。AlumniレーベルからはZee Avi, Money Markが参加する本作。第1弾もバラエティ豊かだったが、第2弾はそれに輪をかけて幅の広いコンピレーションに仕上がっている。シーズン定番ののJingle Bell Rockのほか、クリスマスシーズンを意識せずとも楽しめる曲がそろっている。いずれもナチュラルでオーガニックなサウンドだけに、何度聞いても飽きがこない。傑作なのがZee Aviの歌うクリスマスの定番曲Frosty the Snowman。クリスマスの楽しい雰囲気を見事に沈静化するアレンジが秀逸である。ふざけた曲と思いきやこれが結構後を引く。箸休めに食べる紅ショウガ、うどんに入っているネギのような・・・と言ったらイメージできるだろうか。


 亭主はホノルルマラソン参加のため、クリスマスに浮かれるハワイを何度も訪れたことがある。強い日差しと暖かい気候のなか、ワイキキビーチの通りにクリスマス・ソングが流れるのを夢見心地で聞いたのを覚えている。暖かさは人の心を解放し、なにはなくともとりあえず幸せな気分にさせてくれる。幸せな気分でこのアルバムを聴くならば、バラエティの豊かさ、ブルージーな曲調もまた幸せの一つである。(2018.08.22)

2018年9月 7日 (金)

09/07 【読】 「行商人に憧れて、ロバとモロッコを1000km歩いた男の冒険(春間豪太郎、KKベストセラーズ)」

 

「行商人に憧れて、ロバとモロッコを1000km歩いた男の冒険(春間豪太郎、KKベストセラーズ)」


 冒険家・GOこと春間豪太郎氏による北アフリカ冒険譚。持ち前の行動力と交渉術で襲い掛かるトラブルの数々を次々と撃退、ロバとともにモロッコ1000kmを踏破した様子を一冊にまとめたのが本書となる。2018年3月刊。なお冒険の様子は逐次5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)で実況され、人気を博したとのこと。


 音信不通となった友人を探し、フィリピンはセブ島に一人捜索の旅立ったのがそもそもの発端。海外での経験に味を占めた筆者は、エジプトでのラクダ旅行を経て、モロッコでの単独徒歩旅行を敢行するに至る。現地の言葉を学び、護身術を身に着けた著者がモロッコでやりたかったことは「ロバを連れてのキャラバン」だったそう。旅が進むにつれ、荷運びのロバのほか、猫、鶏、犬、鳩など様々な動物がキャラバンに加わりにぎやかになっていく。彼の旅はモロッコ国内で話題となり、ゆく先々で支援者が現れる。だが、彼の旅は常にトラブルと背中合わせ、ロバの引く荷車は頻繁に壊れ、動物たちはたびたび体調を崩し、そしてGO氏自身も氏の危機に直面する。苦難の果て、1000kmの向こうに何があるかは読んでみてのお楽しみ。(2018.09.07)


 ところで、当初のレビューには含めなかったが、本書を読んでずっと思っていたことがある。それは、旅の道行きに集めた仲間を、帰国の際にモロッコに置き去りにすることの是非だ。ロバにせよ、犬にせよ、少なからず信頼関係を持った仲である。そんな大事な仲間を本人の都合だけで他人に譲渡してしまっていいのだろうかと、そればかりを考えていた。もし自分が、愛犬を残して本国に帰ったとしたならば、愛犬はどのように感じるだろうか。畜生というくらいだから翌日はきれいさっぱり忘れて、別の人間にしっぽを振るだろうか。ネットで話題を呼ぶためにはどんなことも自己都合として許されるのだろうか。


 ただ冷静に考えてみると、著者であるGo氏の旅は観光ビザの有効期間であるたかだか90日にすぎない。いったんモロッコからスペイン領セウタに出国し、再入国することで滞在期間をのばしたとしても、180日程度にすぎないのだ。苦楽をともにした仲間とはいえ、長い目で見ればほんの一瞬の出来事にすぎないと割り切ることができるならば、ロバや犬との別れもさして悲しいものではないのかもしれない。日本に戻れば夢から覚めるように現実が再び息を吹き返す。日本にいて遠くモロッコのことを思うのは、夢にみた景色を思うのにも等しい。


 幸いにもGo氏は、犬や鶏たちを信用のおける人物に譲っているようである。ロバは人間に虐待されないよう、自然へと戻したという。願わくばモロッコに残された小さな命たちが幸せに、その命をまっとうできるように。本のおもしろさとは全く別の部分、亭主の願いはただただそれだけである。

2018年9月 5日 (水)

09/05 【聴】 Danjindan-Pojidon / Inoyama-Land, ExT Recordings(EXT-0027)

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 山下康と井上誠によるアンビエント・ユニット、イノヤマランドが、1983年にリリースした国産アンビエントの大傑作。メジャー・デビューアルバムである本作が35年の歳月を経て再リリースとなった。マスタリングは砂原良徳のアルバムLiminalのミックスでも知られる益子樹(じつは山下の従甥にあたる)。全10曲。なお本作は1995年にも再リリースがなされたが、残念ながらイノヤマランド非公認、しかもミックスの質が極めて悪かったとのことで作者としてかなり禍根の残るアルバムだったようだ。


 なんというか、まずもってジャケットデザインが良い。いつ、どこのかもわからぬ天気図のデザイン、等圧線がかなり込み合っていて前線もあちらこちらに見られるなどちょっと現実味に乏しい天気図ではある。亭主を含むコアな音楽ファンならば、このジャケットデザインの元ネタがブライアン・イーノのアンビエント・シリーズ(あちらは実在の地図を意匠としている)であることに気づくだろう。ブライアン・イーノがアンビエントのイノヴェイターだとすれば、イノヤマランドは国産アンビエントのイノヴェイターである。当時山下氏と井上氏は上野耕路氏と交流があったそうで、細野さん、ユキヒロさんにその音楽を見いだされた結果(当然の流れとして)アルファレコードからのアルバムリリースを果たすことになる。


 イノヤマランドのサウンドを、端的に述べるとするならば「アクアリウムの音楽」になるだろうか。ブライアン・イーノが多用したドローン(持続音)は一切使用せず、コンパクトな空間に満たされた静寂を楽器の発音によってトツトツと埋めていく、そんな作業の先に出来上がった環境音楽だ。本アルバムを聴いていると、常に水が循環し、温度と酸素濃度と食料が保証される平和なユートピアとしてのアクアリウムが思い出される。本作のどこまでも優しく、穏やかな世界観はイーノのアンビエントと比べるとはるかに日本人向きで、聴きやすい。(2018.08.30)

2018年9月 3日 (月)

09/03 日々雑感

Windows 10 Pro 64bitにiCloudがインストールできない件。


原因究明とまではいかなかったが、インストールする方法が判明した。


Appleのソフトウェアをインストールする順番を、iCloud → iTunesとすればよいだけだ。ユーザが積極的に活用するアプリはiTunesなのだから・・・とiTunesを先にインストールしてしまいがちだが、まずiCloudをインストールするのが正解である。おそらく内部で共通的に使用しているファイルの整合性の問題であろう。


JRiver Media Center(JRMC)のライセンスが復旧しない件。


ライセンスサーバが再稼働したそうで、無事?ライセンスは復旧した。サーバクラックでユーザ情報が盗まれたとのことで大局的にみれば無事とはほど遠い状態なのだが。


というわけで、HiFace Evoの64bit版WASAPIドライバがWindows 10非対応の件のみ、現状不具合として残っている。そのうちHiFace Evoの日本代理店であるm2tech社に要望を出すつもり。対応してくれるかどうかはわからないが気長に待とう。

2018年9月 1日 (土)

09/01 Pioneer BDR-S11J-X

唐突だが、Blu-ray Discドライブが壊れた。


新しく購入したSycomのPCに、以前使っていたPioneerのBlu-rayマルチドライブBDR-S03XLBを流用していたのだが、8/30にこのドライブがいきなりお亡くなりになったのだ。iTunesでCDをリッピング中、アクセスランプがつきっぱなしとなり、ディスクから持続的な異音が出始めた。あわててリッピングを中止しようと「インポート中止」ボタンを押したが反応がない。イジェクトボタンでディスクを取り出すと、CDの表面に、同心円状にうっすらと傷がついている(ように見える)。それ以降、ボタンを押してもトレイが動かなくなった。やがてPCからドライブが見えなくなった。「死亡確認」である。


もともとS03XLBは、ハードオフの中古として購入したものだ。たしか5000円くらい、2009年の製品というからそろそろ寿命が来ていたのだろう。


こういうときの亭主の切り替えは早い。即座にPioneerのBDR-S11J-XをAmazonのお急ぎ便で購入。JALマイレージクラブでためたマイルをAmazonポイントに交換していたため、出費は実質1000円弱であった。S11J-Xは、ULTRA-HDのBlu-rayに対応したプレミアムモデルだという。PCに接続すれば準備完了、PerfumeのアルバムFurute Popの特典Blu-rayが正常に再生された。画質、音質とも上々で、Blu-rayの映像の美麗さを実感した。


それにしても今年はいろいろなものが壊れる。猛暑の影響か、それとも単なる偶然かはわからないが、自宅のPC、Blu-rayドライブに加えて会社でも液晶ディスプレイが壊れている。トラブル続きではあるが気分は不思議と悪くない。むしろ新しいドライブに換装してすっきりさっぱりといったところ。壊れたBlu-rayドライブは以前からトレイの出し入れがスムーズではなく、なんとなくおかしいと思っていたのだ。おそらく、トレイの出し入れの不具合からハードオフに売りに出されたのだろう、中古で売っているものには、中古で売られるだけの理由がある、ということだ。


09/01 【聴】 The Amazing Bud Powell Vol.3 Bud! / Bud Powell, Blue Note|TOEMI(TOCJ-8644)

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 ところでThe Amazing Bud Powellシリーズを含むBlue Noteのアルバム群は、様々なレーベルから、また曲構成を微妙に変えて何度もリリースされている。古くからBlue Noteレーベルを網羅しているマニアの方ならばおそらくすべての内容を把握されているのだろうが、亭主の場合Vol.1はUniversal、Vol.2とVol.3はTOEMI盤を購入していて、しかもTOEMI盤すらリリース時期が一致していない(Vol.2を購入したのが1988年、30年前なのだから仕方ない)。今回の2枚+30年前の1枚をもって楽曲の重複なくアルバムコンプリートできたのかは自信がない。Amazonなどで内容を確認してみたところ、微妙に楽曲が異なる。


 たとえばThe Amazing Bud Powell Vol.1のオリジナルLP(1952)は8曲入りだが、2001年のRudy Van Gelder Edition-CDでは全20曲、LPの曲順を大きく変えている。次いでVol.2のオリジナルLP(1954)は8曲入り、亭主の所有する1989年のCD盤は曲順を入れ替え全15曲。この盤でNight in Tunisiaが入る。その後2001年のRVG EditionではNight in Tunisiaが消え、本来の曲順を変えつつ15曲入りとなる。Vol.3のオリジナルLP(1957)と亭主の持つ盤は同じ曲構成、RVG Editionで1曲が追加されているにとどまる。どれを買えばよいかは個人が判断するしかない。高音質盤であるRVG Editionを買うのが妥当なのだろうが、Vol.2に亭主の好きなNight in Tunisiaが含まれない。果たして今、なにも知らない亭主がVol.2を購入したらバドのピアノに魅力を感じただろうか。


 曲との出会いは、人間との出会いによく似ている。大学1年の亭主があのときジャケ買いしなければ、生涯聞くであろうバドのNight in Tunisiaには出会っていなかっただろう。


 最後に各アルバムのレビューを。


 Vol.1のM1-11にはFats Navarro(Trumpet)、Sonny Rollins(Tenor Sax)、Tommy Potter(Bass)、Roy Haynes(Drums)が参加。トランペットやテナーといった強音楽器が加わるとピアノの存在感、ひいてはバドの存在感が薄れるが、これはいたしかたないことだろう。M12-20はCurley Russell(Bass)、Max Roach(Drums)のトリオ構成で、こちらのほうが圧倒的に「バドのアルバム」である。Vol.2のRVG EditionにはないNight in Tunisiaも収録されている。


 Vol.3は遊び心あふれたアルバム。Paul Chambers(Bass)、Art Taylor(Drums)のトリオに、Curtis Fuller(Trombone)がゲスト参加。M4のBud on Bachは文字通りクラシカルな楽曲をバドがカヴァーしていて、ジャズらしからぬ構成がおもしろい。全体的にポップで、聞きやすいアルバムに仕上がっている。(2018.08.13)

09/01 【聴】 Complete The Amazing Bud Powell Volume One / Bud Powell, Blue Note|Universal(UCCQ-9225)

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 大学1年の頃にバド・パウエルの音楽を聞きはじめた。同じ寮に住む某大ビッグバンド同好会のギタリスト(仮にカルピス氏と呼んでおこう)に、ジャズでも聴いたらどうだといわれたのがきっかけだった。


 当時亭主はYMOとテクノポップとゲーム音楽をこよなく愛する、いわゆる「オタク気質」で「ネクラ」な人間だったので、カルピス氏としてなにか思うところがあってジャズを勧めたのかもしれない。なにしろオタクでネクラな亭主である。彼の言葉を無視するかと思いきやよっしゃ分かったとレコード屋(たしか浦和の「ぶれえめん」だった)に出かけ、選んだのがThe Amazing Bud Powell Vol.2だった。ジャケットがまさしくジャズらしいのが気に入った。いわゆるジャケ買いである。


 寮のCDラジカセで聴いていたところカルピス氏がやってきて、ピアノならセロニアス・モンクのほうがよかったのにといわれたが、ハアと思うくらいでモンクのつけようもない。なにしろモンクのピアノを聴いたことがないからだ。CDラジカセの向こうから聞こえるバドのピアノは、たどたどしくて不安定で、しかも演奏に熱中するあまりなにやらうなるような声も聞こえる。亭主はクラシック音楽をほとんど聴かないが、彼の音楽はクラシック音楽と対極にある音楽だと、ジャズとはそういうものなのだと確信した(テクノポップとゲーム音楽ばかり聴いていた亭主にしてはまともな印象だ)。なかでもお気に入りはNight in Tunisiaだった。当時愛聴していた細野晴臣のアルバムOmni Sight SeeingにジャズスタンダードであるCaravanのカヴァーが収録されていて、こちらもお気に入りだった。アラブや北アフリカのエスニシズムに強く惹かれていたのだろう。


 のちにセロニアス・モンクのピアノも聴いたのだが、あまりにも流麗でピンとこなかった。バドの不安定な、しかし天才的なセンスを感じさせるピアノに対して、モンクのそれは秀才的だった(もちろんこれは亭主の勝手な感想だ)。のちにラグタイムやカントリーなども聴くことになる亭主にとって、モンクのピアノはどこまでも正統派だった。オタクでネクラで、いわゆるマイノリティの価値観を持ち合わせる亭主とは感性が合わなかったのかもしれない。(2018.08.13)

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