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2018年8月 5日 (日)

08/05 【読】 「永訣の波濤 グイン・サーガ143(五代ゆう、ハヤカワ文庫)

「永訣の波濤 グイン・サーガ143(五代ゆう、ハヤカワ文庫)」

 グイン・サーガ続編プロジェクトの最新刊。栗本薫氏逝去のあと、二人の作家によって書き続けられることとなった国産ヒロイック・ファンタジーの金字塔「グイン・サーガ」だが、現在宵野ゆめ氏が体調不良とのことで、ここ数巻はずっと五代氏のターンとなっている。キタイの竜王・ヤンダル・ゾッグの魔手により陥落した中原の魔道王国・パロから辛くも逃れた人々が、それぞれの運命に翻弄される様子を描く。


 以前は宵野氏、五代氏がそれぞれに舞台を書き分けていた本シリーズ。ところがこのところは五代氏によって、すべての情勢がほぼ同時に進行するというなかなか忙しい展開となっている。新興宗教ミロク教の聖都ヤガで興った「新しきミロク(実際はヤンダル・ゾッグが手下を使って興したもの)」に対抗すべく集まったブラン、スカールほかジジィ一行の顛末を描くヤガ篇、黄昏の国に取り残されたスーティ(小イシュトヴァーン)と、宝玉「ミラルカの琥珀」に迫る魔手を描いたスーティ篇、ゴーラ王イシュトヴァ―ンに殺害されたカメロン提督の遺骸を携え、カメロンの故郷であるヴァラキアへと帰還したマルコ他ドライドン騎士団、そしてそれに合流したパロ宰相ヴァレリウス、魔導士見習いのアッシャ、パロ聖王レムスの妻で故郷アグラーヤで蟄居していたアルミナらの動向を記したヴァラキア篇、そしてパロを脱出したのちケイロニア王・グインに会うべく旅を急ぐパロ聖騎士リギアと、吟遊詩人マリウスらが主人公のケイロニア篇。数えるだけでも4つの物語が「4元生中継」で進行している。それでも徐々に物語は収束を迎えていて、たとえばヤガ篇などはバラバラだった登場人物が本書ラストでは全員(9名)集っており、ヤガ篇完結に向けた崩壊の序曲が今や鳴らされようとしている。特にヤガ篇は、栗本氏逝去で中断していたエピソードである。魔太子アモン誕生以来、竜王ヤンダル・ゾッグの魔手にかかったパロと中原を奪還すべく苦闘する人々の動きは、いまや大きな流れとなって中原全体へと波及しつつある。(2018.08.05)

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