« 06/13 【読】 「[アルファの伝説]音楽家村井邦彦の時代(松木直也、河出書房新社)」 | トップページ | 06/19 【聴】 鉄、色、雪のパール兄弟+(秘) / パール兄弟, Hagakure|Universal(UPCY-9808) »

2018年6月15日 (金)

06/15 【読】 「Spectator Vol.41 つげ義春」

「Spectator Vol.41 つげ義春」

 「ねじ式」「紅い花」「沼」などの作品が評論家・読者から高い評価を受け「つげブーム」などと呼ばれる社会現象を引き起こした漫画家・つげ義春。 精神的不調から寡作となり1988年の連作「無能の人」以降断筆状態にある彼が、2017年に第46回日本漫画協会賞大賞を受賞した記念に刊行されたムックが本作。幻冬舎扱いのSpectator誌としては41番目の特集記事にあたる。

 これまでにも多くの雑誌が特集を組んでいて、本書が何度目の特集記事に当たるか、亭主にはとんと見当もつかない。 旧作の再掲、関係者によるエピソード、評論、年表。おそらくこれまでにも様々な角度から光が当てられ考察されてきたつげ作品だけに、本書もまた多数の特集記事の一つと見做されるかもしれない。 ただ、本書は、関係者の生の声を特に重視する。貸本マンガ時代に知り合い、以来親友として交流する遠藤政治氏、若いころの氏をよく知り、ともに旅を楽しんだ仲でもある正津勉氏ほか多くの友人知人の声を集め、 昭和40年代の日本の原風景を緻密な筆致で描き出したつげ氏と、その時代背景を生々しく再現する。作品を手放しで礼賛する記事、と必ずしもなっていないところが本書の特徴であり、良さでもある。 年表や著作集、あるいはつげ氏自身へのインタビュー(つげ氏は必ずしも快く引き受けたわけでもないらしい)なども最新のものにUpdateされており、現時点での決定版、最新版と言って差し支えない。

 それにしてもSpectator誌、装丁というか本の構成が非常に独特で、いわゆるムック本として異彩を放っている。 具体的には本書を手に取って眺めてもらうのが一番良いのだが、広告がいちいちおしゃれで、本文に入る前から読者をハイソな気分にさせてくれる。 巻末に集約された小さな広告の集合体は、インディーズの手作り感をぷんぷんさせている。 文字を最小限に、デザインとアイコンだけで作られたコンセプチュアルな紙面づくりに徹底したこだわりが感じられて、かつて同人誌を編集したこともある亭主、久しぶりにワクワクさせられた。(2018.06.15)

« 06/13 【読】 「[アルファの伝説]音楽家村井邦彦の時代(松木直也、河出書房新社)」 | トップページ | 06/19 【聴】 鉄、色、雪のパール兄弟+(秘) / パール兄弟, Hagakure|Universal(UPCY-9808) »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 06/15 【読】 「Spectator Vol.41 つげ義春」:

« 06/13 【読】 「[アルファの伝説]音楽家村井邦彦の時代(松木直也、河出書房新社)」 | トップページ | 06/19 【聴】 鉄、色、雪のパール兄弟+(秘) / パール兄弟, Hagakure|Universal(UPCY-9808) »

2020年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
フォト
無料ブログはココログ