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2017年11月18日 (土)

11/18 【読】 「神の発明 カイエ・ソバージュ(4)(中沢新一、講談社選書メチエ)」

「神の発明 カイエ・ソバージュ(4)(中沢新一、講談社選書メチエ)」

 人類学者中沢新一氏のライフワークともいうべき「対称性人類学」より、2002年中央大学での講義録を全5冊にまとめたシリーズが「カイエ・ソバージュ」。第4巻となる本作では、脳が人間にもたらす心理体験からいかにして神が生み出されたのか、また原始宗教であるアニミズムや多神教、現在宗教の主流をなすイスラム教、キリスト教などの一神教がどのように発明されたのかを膨大なフィールドワークと思考実験とから解説する。


 コミュニティからの「王」の発生を解説した第2巻、「資本主義社会」の発生を解説した第3巻につづき、本作ではなんと「神」すらも人間の発明である(まあ当たり前、といえば当たり前なのだが)とし、その成立を順を追って説明する。「神」かつては「スピリット=精霊」などとも呼ばれてきた存在の輪郭は、実は脳から発生する一定のパターンであるという。夜、眠りにつくときに瞼のウラに見える輝点やパターン、片頭痛持ちがよく見るという幾何学模様などはいずれも脳から生じ、古代の人々は瞑想や内観によって得られた様々なパターンを高みから降りてきた「神」「精霊」のメッセージだと解釈したのだそうだ。高みから降りてくる神「高神」と、遠くからやってくる神「来訪神」。タテとヨコの関係から導き出される2種類の神の存在が、古代社会の規範となり、多様な風習・祭礼となって華開く。


 シリーズを通して読み進めてくると本書は格別に抽象度が高いようである。神の位置づけを「メビウスの輪」や「トーラス体」になぞらえトポロジカルに解説を試みる下りは、現代最新物理学(例えば超弦理論)のアプローチにも似て刺激的だが、抽象度が高いため少しでも違和感が生じるとそこで思考が止まってしまいがちである。シリーズの大きな山場として、亭主自身なんとか思考が止まらぬよう頑張って読んでみたが、はたして正しく解釈しているかは自信がない(2017.11.18)

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