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2017年8月31日 (木)

08/31 【読】 「愛と経済のロゴス カイエ・ソバージュ(3)(中沢新一、講談社選書メチエ)」

「愛と経済のロゴス カイエ・ソバージュ(3)(中沢新一、講談社選書メチエ)」

 人類学者中沢新一氏のライフワークともいうべき「対称性人類学」より、2002年中央大学での講義録を全5冊にまとめたシリーズが「カイエ・ソバージュ」。第3巻となる本作では、1920年代に人類学者マルセル・モースが著した「贈与論」をベースとし、北米北西海岸に居を構えていた先住民族ポトラッチ族の習俗から「純粋贈与」の概念を紡ぎ出す。さらに「純粋贈与」「贈与」「交換」という3つの原始社会活動から現在に連なる資本主義社会の構造を考察するとともに、この構造が資本主義社会の限界と、ブレイクスルーとを指し示す。

 本書に記されている事柄の多くは、「緑の資本論」や「純粋なる自然の贈与」といった氏の著作からの引用であり、氏の著作を多く読んでいる人間にとっては馴染み深い内容。ただしその引用が有機的に結合し、氏の思索の集大成となっている点は大いに注目すべきだろう。先に記した通り、本書は講義録からの書き起こしであり、一部追補はあるものの基本的に口語調、非常にわかりやすく記述されている。講義をうけた学生はもとより、読者にとっても理解しやすい。北欧神話や聖杯伝説、あるいは世界的な行事となったクリスマスの成り立ち、あるいは導入部に示される志賀直哉の小説などなど、多数のエピソードもまた氏の思索を理解するためのサブテキストである。(2017.08.31)

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