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2017年3月28日 (火)

03/28 【聴】 Planets / Jeff Mills, Axis|U/M/A/A(UMA-9090-9091)

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 ミニマルテクノDJとしてデトロイトテクノ黎明期より活動。無声映画向けサウンドトラック制作など映像作品との積極的なコラボでも知られるJeff Millsが、Porto Casa da Musica楽団をフィーチャーした大作をリリースした。Gustav Holsto作曲による管弦楽の組曲「惑星」をテクノ的にアレンジ、「水星」から「冥王星」まで全9曲(いうまでもなく「冥王星」はHolstの死後Colim Mattherwsによって追加されたものだ)を、管弦楽と電子音楽でつづっている。ディスク2枚組でDisc 1はBlu-ray仕様、オーケストラと電子音楽とのコラボレーション、Disc 2はCD仕様でオリジナル・テクノ・バージョンとなる。Disc 1にはアンビエンティックな映像が付与されており、当然ながらBlu-ray再生機を使わなければ映像も、音楽も楽しむことができない。今回亭主は2枚組に加え豪華ブックレットが添付されたBOX盤を購入した。


 突然だが、亭主は宇宙が恐ろしい。


 光の速度で拡大し続ける宇宙空間、無数の銀河が作り出す宇宙の大規模構造、そして超銀河団の内側に広がる巨大な無の空間(Big Void)。人類の想像をはるかに超えた宇宙のスケール感には何も感じない亭主であるが、これがもう少しスケールを狭め、太陽系規模になるとこれがもうとことん恐ろしい。


 例えば、木星。


 太陽系最大のガス惑星である木星の直系は地球の11倍、質量は318倍にも達し、なかでも木星を特徴づける大赤斑の直径は、地球の2~3個分の大きさにもなる。


 みなさんは大赤斑の拡大写真を見たことがあるだろうか。ボイジャーによって撮影されたという巨大な斑点、 これが地球よりも巨大な渦であると知った時、亭主はただただ恐怖としか感じなかった。これが人工的に(地球外生命体でも良い)発生したものならばいくらか安心もできようが、驚くべきことにこれは全くの自然現象なのだ。 意思や感情のない、淡々とした、しかし圧倒的な暴力を目の当たりにした時の無力感と絶望感。おそらくは人類がこの世にあらわれる前から、そしてこの世から滅亡して以降も、禍々しい色彩と威力をもって暴れ続ける巨大な渦に、だれが抗えるというのだろう。天然の暴力装置は、大赤斑だけではない。土星の極地に広がる六角形の雲(実はこれも巨大な渦だ)、海王星の大暗斑(ボイジャー2号観測以降消えてしまったというから驚きだ)、太陽の巨大なフレアなどなど、太陽系という、宇宙に比べるとごくごく小さな世界の中にさえ、人類を問答無用に絶滅させる圧倒的な暴力が当たり前に存在しているのだ。


 本作は2枚組だが、先に述べた「意思や感情のない、淡々とした、しかし圧倒的な暴力」の表現という観点ではむしろDisc 2に雰囲気がよく出ている。真空の宇宙空間から眺める惑星たちのダイナミズムは、黙々とビートを重ねるテクノのストイシズムと相性が良いらしい(2017.02.21)

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