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2017年3月26日 (日)

03/26 【聴】 Mad Nomad / Henri Texier, Label Bleu(LBLC86568)

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 フランス生まれのベース奏者。Phil Woods and European Rhythm Machineへの参加でも知られるHenry Texierの1995年アルバム。全14曲。


 ヨーロピアン・ジャズ華やかなりし欧州にあって、コンテンポラリー、アブストラクトといったジャンルを前面 に押し出したアルバム。アフリカ音楽を思わせるリズム感と、アート的なパーカッションとの組み合わせが楽しい。楽曲は"S.O.S."を冠したアブストラクト・ジャズと、タイトルナンバー"Mad Nomad(s)"に代表されるグルーヴ感あふれるジャズとが交互に現れる。素直に 楽しいアルバムである一方、どこかに得体の知れないもの、凄みが感じられ楽しみつつもどこか油断がならない。この油断のならなさはTexierと、Texierが奏でるアフリカ音楽からにじみ出るものであることは間違いない。


 そもそも、アメリカのジャズと、ヨーロッパのジャズでは、アフリカ音楽へのアプローチがまるで異なる。かつてアフリカから奴隷として新大陸へと渡ったアフリカ人たちは、故郷から遠いアメリカの地でジャズという音楽を生み出し、新たなソウル・ミュージックとして自らの思いをぶつけてきた。そこにはアフリカへの憧憬だけではなく、アメリカという国への不満や怒り、あるいはそれらを超えたスピリチュアリズムが多分に含まれている。一方、ヨーロッパのジャズにおいてアフリカ音楽は、地中海を挟んで対岸の地のエキゾチックな音楽という扱いである。大航海時代にアフリカの国々を植民地化し、アフリカの豊富な天然資源や物産を搾取した経緯から、アフリカに対する強い感情は存在しない。ヨーロッパにも多くのアフリカ人が流れ込んできたが、それらはすべて「異国の人々」として扱われ、ある種のエキゾチシズムをもって受け入れられてきた。このエキゾチシズムこそがHenry Texierのアルバムに色濃い油断ならなさである、といったら言い過ぎであろうか。(2017.02.13)

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