« 01/24 【聴】 The Message / J.R.Monterose, Jaro|Sinatra Society of Japan(XQAM-1622) | トップページ | 01/26 iPad Air 2(Wi-Fiモデル、スペースグレイ、32GB)の導入 »

2017年1月26日 (木)

01/26 【読】 「風のくわるてっと(松本 隆、立東舎文庫)」

「風のくわるてっと(松本 隆、立東舎文庫)」


 作詞家・松本隆が伝説の日本語ロック・バンド「はっぴいえんど」在籍時代に発表したエッセイ集。1972年にブロンズ社から刊行、1985年に復刊されたのち、2016年3月に再度復刊された。3回目はリットーミュージックがプロデュースする立東舎文庫から。


 作詞家として、またはっぴいえんどのドラマーとして非凡なる才能をあますところなく発揮していた松本隆。独特で、若者の感性をヴィヴィッドに表現した歌詞は、はっぴいえんどの方向性を明確に示していた。彼の指向する「風街」のコンセプトは、バンドのアルバム「風街ろまん」となったほか、その後設立するインディペンデント・レーベル「風待レコード」へも反映されている。はっぴいえんど時代に作られた数々の名曲、松田聖子や太田裕美、オリジナル・ラブ、中島美嘉らへの楽曲提供などなど現在も第一線で活躍している。本書は、そんな彼が手がけた楽曲が書かれた背景、彼が生まれ育ってきた東京の心象風景が、当時19~22歳だった彼の視点で鮮やかに記されている。


 私事で恐縮だが、亭主がはっぴいえんどを知ったのはたしか大学生の頃だ。小学生~中学生でYMOにハマり、高校生でノンスタンダード・モナドレーベルにハマった亭主は同時にメンバー3人の過去の音楽活動をたどっていた。高校近くのレコード店で細野さんの過去であるキャラメルママやティンパンアレイを知った亭主が、はっぴいえんどやさらに前身であるエイプリル・フールへとたどり着くのはごく自然な流れといえた。その中で、はっぴいえんどに出会い、松本氏の歌詞に感動し、同時に松田聖子の「赤いスイートピー」が松本氏によるものだと知ったときの驚きはいまだに忘れることができない。亭主が松本氏の歌詞に感動した年代は、松本氏がはっぴいえんどとして活動していた年代でもある。亭主の大学時代、世はまさにバブル絶頂期。はっぴいえんどのコンセプトとはまるで違う価値観が時代を席巻していたが、すくなくとも亭主はといえば相も変わらずの貧乏生活、当時の狂乱ぶりとは無縁な生活を送っていて、はっぴいえんどの世界観にかなり近いものがあったと、思っている。


 本書は、亭主のようなはっぴいえんどに強く惹かれたファンがはっぴいえんどをさらによく理解し、またアルバム「風街ろまん」をより深く楽しむためのサブテキストでもある。ご丁寧にも松本氏自身がアルバムの楽しみ方を「読者への注文」というかたちで指南している。エッセイの語り口も「風街ろまん」そのもので、アルバムを知る人ならばその語りひとつひとつがはっぴいえんどの世界観と繋がっていることに気づくだろう。またはっぴいえんどの作品に特徴的な「海」のイメージが、ロック・バンド「プロコル・ハルム」からの明確な引用であることにも気づかされる。なぜ「海」なのだろうと当時疑問に思っていた亭主、本書を読んで思わず「ああ」と声を上げてしまった。(2017.01.26)

« 01/24 【聴】 The Message / J.R.Monterose, Jaro|Sinatra Society of Japan(XQAM-1622) | トップページ | 01/26 iPad Air 2(Wi-Fiモデル、スペースグレイ、32GB)の導入 »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/602237/64813684

この記事へのトラックバック一覧です: 01/26 【読】 「風のくわるてっと(松本 隆、立東舎文庫)」:

« 01/24 【聴】 The Message / J.R.Monterose, Jaro|Sinatra Society of Japan(XQAM-1622) | トップページ | 01/26 iPad Air 2(Wi-Fiモデル、スペースグレイ、32GB)の導入 »

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
フォト
無料ブログはココログ