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2017年1月 6日 (金)

01/06 【読】 ヤーンの虜~グイン・サーガ140~(宵野ゆめ、ハヤカワ文庫)」

「ヤーンの虜~グイン・サーガ140~(宵野ゆめ、ハヤカワ文庫)」


 宵野ゆめ氏と五代ゆう氏、二人の女流作家が栗本薫逝去後のグイン・サーガを書き継ぐ続編プロジェクトの最新刊。今回は宵野氏が担当するケイロニア篇のターン。


 ケイロニア皇女オクタヴィアの皇帝即位に反対するケイロニア諸侯たちの動きが不穏となっていた前巻まで。本書ではオクタヴィアからの皇帝位簒奪を画策するワルスタット候ディモスの差し金が、ケイロニア国内を暗躍。おなじくケイロニア皇女であり消息不明となっている「売国妃シルヴィア」の落としだね、下男パリスとの間に生まれたシリウス王子を後ろ盾としてお家再興を図るダナエ候、ケイロニア王グインの命を受けシリウスを保護するローデス候ら諸侯らの動きが交錯するなか、グインは事態の収拾に向けケイロニア国内を奔走する。


 一方、消息不明とされていたシルヴィアは、「闇の司祭」と称され中原三大魔導師の一人とされるグラチウスの手引きで、蘇生したパリスとともにケイロニアを離れ、キタイの竜王・ヤンダル・ゾッグが支配する魔都パロを目指す。先行してパロへと到着していたグラチウスは、ヤンダル・ゾッグとの会談を望むが陥穽により力を奪われパロの地下へと幽閉されてしまう。果たしてグラチウスの、そしてシルヴィアの運命やいかに。


 謀略、謀略、また謀略。ここのところのケイロニア篇の事態の複雑さはすさまじい。登場人物も多いがそれぞれ独自に動いており、一つ一つを把握するのにも骨が折れる状況にある。

当初は宵野氏のケイロニア篇と五代氏のパロ・ヤガ篇が並行する形で書き進められていた本編だが、ここにきて両者のエピソードが交錯しはじめたことも複雑さに拍車をかけている。グインの続編プロジェクトということで、駆け足でストーリを消化していくのかと思いきや、ストーリをしっかりと練りこみ、新しいエピソードや舞台設定を盛り込む力の入れようが頼もしい。栗本氏の遺志を継ぎ、しっかりとグインの世界を描き切ろうとする彼らの強い意志に、亭主はこころから敬意を表する。(2017.01.06)

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