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2016年3月19日 (土)

03/19 【読】 「走ることについて語るときに僕の語ること(村上春樹、文春文庫)」

「走ることについて語るときに僕の語ること(村上春樹、文春文庫)」

 現在は海外を拠点に活動する村上春樹が、市民ランナーとしての自身の体験、「走る」ことに対して自身の思うところをつづったエッセイ。2005~6年に散文的に書きためたものを2007年に文春文庫としてまとめたものが本書となる。

 ハワイはカウアイ島、東京、アメリカはケンブリッジなど、様々な場所で書かれた本エッセイ。氏が走り始めたきっかけから、本格的なマラソンデビュー、ウルトラマラソンやトライアスロンへの挑戦までがほぼ時系列でつづられている。多くの著作の世界的なヒットにより日本を代表する作家として知られる同氏にあって、走ることと書くこととは以外にも共通点が多いのだという。どちらも「自分が走る・書く」と決めたことで小説家やランナーとなるほか、どちらも個人の活動に終始する。さらに、彼の生い立ち、私生活、また本業である執筆活動との関連まで、多くの事柄が走ることと関係づけられ、つづられていることも興味深い。どれもが深い思索と、示唆に富む。

 Amazonのレビューで多くのランナー(村上氏の熱心な読者に限らない)が本書に共感を抱いているように、本書はランナーのストイックな部分、哲学的な部分にもするどく切り込んでいる。一方でランナーではない人たちからの素朴な質問「ランナーはなにを考えて走っているのか」「何のために走っているのか」などにも非常に的確に答えていて、しかも多くのランナーが肯定的な意見を寄せる。亭主もまた肯定的にとらえていて、ランナーが持つ価値観や人生観、心情をきわめて正確に示している(と亭主は評価する)。

 内容や文体は村上氏のこれまでの作品と同じく平易であるが、ランナーが読むと様々な細かい部分が見えてきて思わずニヤリとしてしまう。走る人にも走らない人にも、村上氏のファンにもそうでない人にも楽しめる作品。

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