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2015年12月 7日 (月)

12/07 【読】 「松武秀樹とシンセサイザー Moog III-Cとともに歩んだ音楽人生(松武秀樹、DU Books|Disk Union)」

「松武秀樹とシンセサイザー Moog III-Cとともに歩んだ音楽人生(松武秀樹、DU Books|Disk Union)」

シンセサイザー奏者として冨田勲に師事。多くの歌謡曲、ポップスを手がけ、Yellow Magic Orchestraのプログラマー「4人目のYMO」としても知られる松武秀樹氏が、自らの歩みを振り返った書。音楽論・シンセサイザー論、対談などを通じて、日本の音楽の過去と未来を俯瞰する。限定愛蔵版3000部。初回特典として松武氏の自著「たった1人のフルバンド」(1981年刊)の復刻版が添付される。

シンセ黎明期より、多くのアーティストのサポートとしてまた自らのプロジェクトLogic Systemとして数限りない作品を作り続けてきた松武氏。Moog III-Cをはじめシンセの歴史とともに歩んできた氏の言葉が、活字として読めるということだけでも充分に価値がある。残念ながら氏は物書きではなく、しかるに「読ませる」タイプの文章には程遠い。むしろコンピュータのマニュアルのような、あるいはちょっと立ち飲み屋などで交わす会話のような、こなれない文章。だがその文章の端々にシンセと音楽、そしてこれまで関わってきた人々への思いが伝わってきて、なんとも微笑ましい文書に仕上がっている。シンセを巡る日本のポップスの歴史、Yamaha,Roland,Korgなどシンセ設計者との対談、冨田勲氏との対談、砂原良徳との対談などなど、盛りだくさんの内容になっている。言うまでもないが、松武氏の作品に詳しいとより楽しめる。YMOに詳しいとさらに楽しめる。シンセサイザーに詳しければさらにさらに、思う存分に楽しめる。世の中にシンセサイザーに詳しい人というのがどれほどいるかはわからないが、楽しめる。

一方、復刻された「たった1人のフルバンド」はYMO人気が絶頂だった頃の本と言う事で、YMOおよびそのメンバーの裏話などがたっぷり収録されているほか、YMOの曲が出来上がる過程や、YMOのヒット曲をシンセで演奏する方法なども含まれていてYMOのファンブックとしての価値も高い。松武氏の人となりを語った多くのアーティスト(鮎川誠、鈴木慶一、スーザン、野呂一生などなど)のコメントも興味深い。1980年代らしいデザイン、いわゆるDTPソフトでは絶対に作りえないレイアウトにキワモノ感もある。ペイパーバックの安っぽい装丁は唯一のネックだろうか。愛蔵版ならばもう少しハードカバーを意識してもよかっただろう。

いずれにしても愛蔵版。ファンならば文句無く買いの一冊。

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