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2015年12月 2日 (水)

12/02 【読】 「skmt 坂本龍一とは誰か(坂本龍一+後藤繁雄、ちくま文庫)」

「skmt 坂本龍一とは誰か(坂本龍一+後藤繁雄、ちくま文庫)」

編集者・インタビュワー。再生YMOに密着し、バンド再結成・アルバムリリースの一部始終をドキュメント化した"TECHNODON"を著すなど、独特の著作活動を続ける後藤氏が、長期にわたり坂本龍一に密着、インタビューした内容をまとめた書。1996年から1998年までの坂本氏の発言をまとめた書籍"skmt"と、2001年から2006年までの発言をまとめた"skmt2"を合本し、1冊の文庫本としている。特に"skmt2"は9.11、アメリカ同時多発テロ以降変わりゆくアメリカを、NY在住の坂本氏がつぶさにとらえたという点で非常に興味深い内容。

日々の坂本氏の発言・インタビューの内容を、散文調に連ねる構成。詩的であったり、独白であったり、インタビューであったりとそれぞれにフォーマットは異なる。日々の生活、子供時代の記憶、地球のこと、環境のこと、音楽のことなど様々な発言がそのときどきの氏の気分によって語られる。オビに「坂本龍一は、運動体である」と書かれているように、とにかく氏は考えるとともに、動く。その活動はいわゆる環境保護運動や反戦・非戦運動、PSE問題、地雷除去運動など多岐にわたる。もちろんコンサートやライブ、他のアーティストのコラボレーションやアルバム制作などの音楽活動も、活動のうちである。

面白いのは氏の音楽活動、制作する楽曲に、先に挙げた環境保護運動や反戦運動などのメッセージ性が一切含まれない点。氏は音楽活動を極めてニュートラルに、またピュアにとらえていて、音楽によって情念を表現しようとする一方、情念に余計なメッセージ性を含めることには消極的である。まるで右脳と左脳が完全に独立したかのような坂本龍一の2面性を、読者であるわれわれはある種の驚きとともに実感することになる。

そういえば氏は、中学生時代から学生運動に傾倒し、セクトに頻繁に出入りするなどもともと「運動」すること、「考え、行動」することに躊躇しない人物であった。環境を憂い、人類の行く先を憂う「運動体」としての氏の活動を、その時代背景とともに見守りたい。

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