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2015年9月10日 (木)

09/10 【読】 「過ぎ去りし王国の城(宮部みゆき、角川書店)」

「過ぎ去りし王国の城(宮部みゆき、角川書店)」

ミステリ、ゲーム小説、時代小説など多彩なジャンルの作品を手がける宮部氏が、角川の「怪」に連載していた作品が単行本化された。2015年4月刊。一枚の絵を巡り、一人の少年と少女が未知なる冒険へと脚を踏み出す社会派サイエンス・ファンタジー小説。妻文庫。

尾垣真(おがきしん)。受験勉強にいそしむ学友たちを尻目に、いちはやく県立高校への推薦入学を決めた中学3年生。推薦入学に通る程度には真面目で優秀、しかし格別頭が良いわけでも運動が出来るわけでもなく、また顔だちにも背格好にも秀でたものがないという実にありふれた少年が本作の主人公。実家のカレー屋を手伝うため銀行へとやってきた彼は、銀行の壁に無造作に貼られた一枚の絵に釘付けとなる。写実的なタッチで描かれた中世ヨーロッパの城と思しき絵に魅せられた彼は、偶然にもその絵を家に持ち帰ってしまう。一体誰が描いたのか。なぜ銀行の壁に無造作に貼られていたのか。絵の謎を解くべく動き始めた彼は、やがてその絵に秘められた驚くべき力を目の当たりとする。

「社会派サイエンス・ファンタジー小説」などとあえてごちゃっと形容してみたが、実際そのワードのどれもが本書には含まれている。主人公である真は格別特徴の無い、ごく普通の少年として描かれているが、そんな彼にも学校生活にはそれなりの葛藤があり、アツレキに煩わされている。主人公と偶然行動を共にすることとなる城田珠美(しろたたまみ)は学校では典型的ないじめられっ子であり、孤立している。本書に登場する人物は、いずれもがどこかに悩みを抱えていて、それが物語全体を通じた一つのテーマと繋がっている。本書はファンタジー小説でもありそこが救いでもあるのだが、ファンタジーであるがゆえのモヤモヤ感もあって、最後まで安心できない展開。400ページ弱とページ数はあるものの、行間広め、文字も当然少なめであっさり読むことができた。

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