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2015年6月22日 (月)

06/22 【読】 「良い音とは 良いスピーカーとは?〜瀬川冬樹著作集〜(Stereo Sound)」

 「良い音とは 良いスピーカーとは?〜瀬川冬樹著作集〜(Stereo Sound)」

オーディオ評論家で1966年創刊のオーディオ専門誌Stereo Sound立ち上げに尽力した瀬川氏が、1981年までに執筆した同誌および別冊の記事をまとめたのが本書。2013年5月に別冊Stereo Soundとしてムック形式にて発売された。ムック形式のため、全ての記事が当時の紙面レイアウトを再現する形で収録されている。

まずは内容をざっくりと。「私のスピーカー遍歴」に始まるスピーカーに関する記事は、「スピーカーシステム構成法」「スピーカーシステムの選び方・まとめ方」「良い音とは、良いスピーカーとは(連載記事7回)」など。LP、アンプなどスピーカ以外の機器とシステム全体に関する議論は「オーディオコンポーネント論」「プレーヤーシステム使いこなしのためのフルコース」「70年代後半のオーディオ界展望」など。そして最後に、オーディオ評論家である岡俊雄氏、黒田恭一氏と激論を戦わせる対談記事「オーディオシステムにおける音の音楽的意味あいをさぐる」。 オーディオのハード、ソフトを漏れなく網羅するが、特にスピーカーに対する記事に力点が置かれている(その理由は本書内に記事としてしっかり書かれている)。氏のこよなく愛したスピーカーであるGoodmans AXIOM 80(9.5inch Twin Cone Transducer)、 Jordan-Watss A12、そしてJ.B.Lancing 375、4320などはこと思い入れたっぷりに記されていて、当時からの入れ込み具合が伺える。 もっとも、対談の岡氏や黒田氏はそんな瀬川氏の偏愛ぶりに思うところがあったようで、折りにふれて議論が紛糾している。これは亭主自身の想像なのだが、瀬川氏は「評論家」というよりもむしろ熱心な「オーディオマニア」であり、熱烈な「オーディオファン」であったのだろう。様々な機器やメーカ、販売店に気を遣いつつ無難な物言いしかしない、ある種クレバーな評論家たちから見れば自身の仕事を失う愚かな行為。当時の読み手たちにとって、瀬川氏とはどのような人間と受け取られ、どのような評価を受けていたのだろうか。Stereo Sound誌の編集者であった宮崎勝己氏が、当時の様子や瀬川氏のエピソードをブログに綴っていて亭主も毎回楽しみに読んでいる。宮崎氏、瀬川氏ともにオーディオの求道者という印象が強いのだが、はたして。

CD登場以前の記事、多くのオーディオ機器がディスコンとなっている一方で、現在もオーディオ店やオークションなどでよく見かける名機、メーカによって復刻された往年のコンポーネントなども掲載されていて参考になる。しかし本書がもっとも「使える」のはアナログに関係した記事であろう。アナログプレーヤー、カートリッジの原理からセッティング方法、使いこなしに至るまで、基礎から応用編までがしっかりと網羅されている。マニアがもう一度基本を確認するためのマニュアルとしても使える。アナログに対して曖昧な記事が多い中、この記事の過不足のなさ、完成度の高さは特筆ものだ。アナログファンならばこの部分だけでも「買う」に値するといっても良いだろう。

なお瀬川氏は1981年11月に46歳という若さで逝去された。氏の功績に思いをいたしつつ、じっくりと読みたい。(2015.06.22)

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