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2015年6月 8日 (月)

06/08 【読】 「地球の掟(アル・ゴア、ダイヤモンド社)」

「地球の掟(アル・ゴア、ダイヤモンド社)」

元アメリカ副大統領。1993年クリントン政権において第45代副大統領に就任したほか、ライフワークである地球温暖化問題への政治的取り組みから2007年にはノーベル平和賞を受賞した氏が、2007年出版の「不都合な真実」に先駆けて発表した地球環境に対する啓発書。1992年初版、2007年には新装版として発表したものが本書となる。

文明が地球環境へと及ぼす影響を、様々な角度から考察した本書。邦訳版(小杉隆氏による)はおおよそ400ページと、かなりの分量に及んでいる。序章・終章を含む全17章のうち、人類の経済活動が環境破壊の元凶となっていることを示した部分はほぼ半分の8章。大気汚染、地球温暖化、渇水と洪水、砂漠の拡大、植物種の絶滅、化学薬品の影響、ごみ問題と、まさにありとあらゆる方向から文明が地球環境にいかに悪い影響を与えているかが記されている。網羅的だが、基本的にはどこかの文献や学説からの孫引きであり、定量的な度合いや各項目の影響過多、信憑性などについては一切言及されていない。ふんふんと、まずは虚心坦懐に読んでみるのも良いが、なにぶん分量が分量である。読むうちに惨憺たる気分になること請け合いである。

続く章では、それら地球環境の変化に対する、経済・政治・科学技術、人間の価値観や心理、哲学や歴史に立ち入ることにより、本問題がいかに根深く、また解決困難であるかを示す。これが5章続く。ここまで読んできた人間は相当に辛抱強いと言わざるを得ない。

そして最後の2章は本書の解決編・・・というかゴア氏による提言。政治的観点からこれらを解決するためにはどうすべきかが「地球環境版マーシャル・プラン」として示される。ざっくりといえば、(1)識字率の向上と乳幼児の死亡率抑制による人口爆発の抑制、(2)地球環境に貢献する技術開発の推進と政治的・経済的優遇、古い技術の駆逐、(3)市場経済における現在のルール・評価指標を環境向けに変更、監視の継続、の3点だろうか。なかでも(2)は農業、林業、エネルギー、リサイクルの各分野にこれまで実績のある技術・新技術を積極的に投入することで、爆発的に増大するエネルギー消費量を効果的に下げ、食糧自給量を改善させる。まだハイブリッド車も、青色発光ダイオードも無い時代の提言ではあるが、本書で書かれていることは何らかのかたちで現在現実化・実行されていて、将来のトレンドを掴む上で非常に参考になる。

本書においてゴア氏は「バランス」の重要性を繰り返し説く。政治家が、技術者が、あるいは投資家や経営者たちが、それぞれの利益のみならず地球環境へもバランスよく配慮してそれぞれに前向きに歩むことが肝要であるとのことだ。

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