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2015年6月 2日 (火)

06/02 【読】 「イリスの炎―グイン・サーガ136―(宵野ゆめ、ハヤカワ文庫)」

「イリスの炎―グイン・サーガ136―(宵野ゆめ、ハヤカワ文庫)」

グイン・サーガ続編プロジェクトの書き手の一人、宵野ゆめ氏によるグイン・サーガ正編最新刊。外伝1巻「七人の魔道師」事件で荒廃した北方の大国・ケイロニアを舞台に、豹頭王グインの活躍を描く。

鼠の大群とともにケイロニアの首都・サイロンから消えたと思われていたグインの正妻・シルヴィア。下水道を経てその身を救われ、サイロンの下宿屋に身を寄せていた彼女は、何者かによって再び姿を消してしまう。おりしもケイロニア皇帝・アキレウスの崩御により混乱の渦中にある国内、大喪の準備、アキレウスの後継者問題、シルヴィアが使用人との関係の果てに産み落としたとされる男子の行方、そしてグインと愛妾ヴァルーサとのあいだに生まれる子供―――あらゆる問題ごとがグインと、ケイロニア皇女オクタヴィアと、宰相ハゾスの上にのしかかる。混乱する事態を収拾すべく、グインが、そしてオクタヴィアが摂った行動とは―――。

おそらく、グイン・サーガ史上最も事態が混迷し、複雑化した巻が本作だろう。先に述べたグインやオクタヴィア、ハゾスはもちろんのこと、あらゆるメイン・キャラクター、サブキャラクターが自身の思惑(あるいは黒幕の思惑)によって独自に動いていて、まったく着地点が見えないばかりか、2ページ先も読めない展開。毎度の如くすぐに読み終わるだろうとタカをくくっていた亭主であったが、読み始めると登場人物の多さと事態の複雑さに大混乱、何度もページを戻って読み返す始末だった。あまり内容に分け入っても面白くないため細かくは言わないが、読んでみるとナルホド収まるところに収まったかたち、しかし細かい部分にはまだまだトラブルのタネが燻っていて、これがあの磐石といわれたケイロニアなのだろうかと、いまさらながらに「七人の魔道師」事件の重大さを実感してしまう。いや、その前から(シルヴィアの行状含め)充分に不穏ではあったが、ここまで深刻ではなかったはずだ。書き継いでいる宵野氏もさぞかし大変だったろう、消耗しただろうと、読みながらおせっかいなことを考えてしまった。

そうそう、あとがきによればグインの正編を担当する宵野氏、そしてもう一人の担当である五代氏どちらもが体調を崩しているらしい。いやホントにもう、身体だけは大事にして欲しい。もう作者夭折での作品未完はこりごりなのだ。

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