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2015年5月15日 (金)

05/15 【読】 「火花(又吉直樹、文藝春秋)」

「火花(又吉直樹、文藝春秋)」

お笑いコンビ「ピース」の一人である又吉直樹(ピース又吉)による小説。太宰治に傾倒し、芸人と小説家の二束のわらじで活躍する氏が、現代に埋没していく二人のお笑い芸人の生き様を描き出す。出版直後から大きな反響を呼び、文学書としては近年珍しい大増刷がなされたという。

新人芸人でお笑いコンビ「スパークス」の徳永は、熱海での地方営業で一人の芸人と出会う。徳永より4歳年上、お笑いコンビ「あほんだら」の神谷は生来よりのお笑い芸人、奇想の天才であった。営業のあとの二人飲みで、神谷に弟子入りを申し入れた徳永。願いは聞き入れられたものの、「神谷の行動を徳永が全て記録し、後に伝記として出版する」という条件がついた。以降まるで兄弟のように寄り添う天才芸人とその弟子の求道の日々、行き着く先には一体何が待っているのか。

文芸書として大きな話題となった「火花」。妻がかねてから読みたいとのことで、妻が読み終わった後、亭主も借りて読んでみた。「笑いの天才」と目され、感性のみならず理論面にも精通し、しかも行動派―――という生粋の芸人である神谷と、努力家でそこそこ人気があるものの、その境遇に違和感を覚え常に周囲と距離を置く徳永。対象的な性格、しかしどちらもが社会からのアウトサイダーであるという二人の登場人物によって物語が進行する。丁々発止の「お笑い」談義、お笑いに対する二人の激論は、読み手に対し常に新しい視点と、謎を与え続ける。お笑いとはなにか、芸人はどう生きるべきか。おそらくは又吉氏の日頃考えるところも多分に含まれていると思われる。それが文芸書なのだというわけではないが、生き方を論じるうえでの切り口としては非常に斬新で、なるほど文芸にはこういう表現方法もあるのだなと感心。微妙な余韻で〆るラストも面白い。 

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