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2015年4月20日 (月)

04/20 【読】 「荒木飛呂彦の漫画術(荒木飛呂彦、集英社文庫)」

「荒木飛呂彦の漫画術(荒木飛呂彦、集英社文庫)」

代表作に「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ。1980年代より執筆活動を開始、現在「ジョジョリオン」を月刊誌「ウルトラジャンプ」に連載中の著者が、自身の作家経験から漫画を描き方の極意を明かした書。手塚賞入選のデビュー作「武装ポーカー」から最新作まで多くの漫画・図版を引用した構成はさすがジャンプ発行元の集英社。

熱狂的なファンを多く有し、ファンによる「ジョジョ立ち」と呼ばれるポージングが社会現象にまでなった荒木氏の作品群。ファッション誌とのコラボレーション、ルーブル美術館での作品展示など、「マンガ=オタク文化」を超越した領域に到達した感がある。ただ、荒木氏はあくまでも自身を「漫画家」とし、ペンを駆使して物語を紙の上に具現化している。あふれ出るアイデアと奇想に満ちたストーリには、彼と同時代に活躍した漫画家たちにはないエネルギーと魅力がある。

本書では、そんな氏がこれまで実践してきた漫画術を惜しげもなく披露する。いわく押さえておきたい漫画の「基本四大構造」は「キャラクター」「ストーリー」「世界観」そしてそれらを包含する「作品のテーマ」なのだという。この4つをさらに大きく包含する形で「絵」が存在する。どうやってキャラクターを作り上げていくか、どんなストーリーが読者に支持されるかなどなど、荒木氏が一つ一つの「構造」を実例つきできめ細かく説明してくれる。何度も言うが、これは「漫画の描き方」の極意を明かした書である。押し付けがましい人生訓や、下世話なマネタイズ論などは一切語られない。荒木氏は「はじめに」で本書の内容が「小説」や「脚本」の書き方の参考になるだろう、科学や社会の仕組みを考察する助けにもなるだろうと書いているが、あくまでも主眼はこれから漫画を描こうという人間向けである。このブレのなさが大変すがすがしい。

亭主もかつては漫画家を目指していた口であったが、才能のなさからアマチュアで終わっていた。この本を当時読んでいたならば、もしかしたら漫画家になれただろうか―――などと妄想もしてみたが、やはりこの世界は実力主義、生半可な才能と努力では通用しない。本書を読みながら、かつて自分が見ていた夢をしみじみと思い出した。

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