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2015年2月 4日 (水)

02/04 【読】 「歎異抄をひらく(高森顕徹、1万年堂出版)」

「歎異抄をひらく(高森顕徹、1万年堂出版)」

浄土宗の法然の弟子で浄土真宗を興した親鸞聖人の教えを、聖人の高弟・唯円が解説した書が「歎異抄」。親鸞入寂後、浄土真宗の教えを誤って広めている弟子たちに、親鸞の本当の意図を伝える目的で書かれたのだという。本来は秘本として扱われ、巷間に出回ることはなかったようだが、現在は鴨長明の「方丈記」、兼好法師の「徒然草」とともに3大古典として広く読まれている。本書は、とかく誤解されがちな歎異抄のおしえを、「教行信証」など周辺書物をサブテキストとして一般の人にもわかりやすく解説する。2008年初版。2011年には第33刷を数えるベストセラー。

本書は大きく分けて3部からなる。「歎異抄」を原文・訳文あわせて記し、その内容を解説した第1部、第1章から第10章までは抄訳、第11章から第18章までは要約のみとなる。第2部は、歎異抄のなかから特に誤解されやすい、また読み解くことが難しい部分に絞って詳細を述べた解説。そして第3部は、歎異抄を原文でのみ記している。原文は書家の木村泰山氏が美しくまた読みやすい書にしたためている。各部の幕間にはアマナイメージズ提供の美しい桜のカラー写真が挿入され、読んで、また見て楽しい作品となっている。

親鸞聖人の死後まもなくより大きな論争の種となった「善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」の真意、「他力本願」の本当の意味などなど、とかく誤解が多いことで知られた「歎異抄」。「悪人でも極楽にいける」「念仏を唱えさえすれば極楽にいける」などといった誤解は、近年の東京大学教授が執筆したという教科書にも記載されてしまうなど大きな話題となっている。本書ではそれら誤解を解くために言葉を尽くして説明する。当時の時代背景や、浄土真宗成立の経緯、あるいは昨今の日本の状況など、高森氏の言葉は常に具体的で、また慈愛に満ちている。その分かりやすさは多くの人からの共感を呼んでいる。亭主自身もまたその美しい装丁や口絵とともに、唯円をして親鸞聖人がかたる「弥陀の本願」の何たるがよく理解できた。

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