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2015年2月 2日 (月)

02/02 【聴】 The Drop / Brian Eno, All Saints|Beat(BRAS-024)

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音楽家Brian Enoが1997年にリリースしたジャズ・テイストのアンビエントアルバム。全17曲。なお今回はAll Saints Recordsから一挙再発された4枚のアルバムの1枚を購入した。再発盤には2006年にラフォーレ・ミュージアム原宿で開催されたEnoの音楽映像インスタレーション展"77 Million : An Audio Visual Installation by Brian Eno"で限定1000枚発売されたCDが添付されている。

小暮秀夫氏による解説によれば、本作には当初"Outsider Jazz"というタイトルが付けられる予定だったのだという。アンビエント、ドローン、あるいはシンセ・ポップのジャンルにて実験的な作品を多く発表するEnoにとっては本作もまた一種の実験の一つと言って良い。その作風は、アンビエントや電子音響、現代音楽からジャズへと接近した、という感じだろうか。本来アンビエントも電子音楽も、また現代音楽もフリーフォーマットというか、形式がないのが形式。これをジャズというある種の「形式」に押し込めることで、外殻はジャズ、中身はどこか現代音楽という一風変わった作品に仕上がっている。現代音楽がジャズという枠組みのなかで、窮屈に肩をすくめる。いっそのことジャズに成りきれば楽なのに、あえてジャズの方向をみないように、みないように意識しているようでどこか可笑しい。

本アルバムを聴いたとき、亭主はまっさきにAs OneことKirk Degiorgioの1997年作品、"Planetary Folklore"を思い出した。As OneのそれはUKテクノからジャズへと果敢にアクセスした作品で、亭主自身かなりこのアルバムを聞き込んだ。既存の音楽ジャンルをジャズという枠組みに押し込めるとき、音楽のある部分がジャズとステップを合わせる一方で、別の部分がジャズとのシンクロを拒絶し、自己主張を始める(すべてがシンクロしてしまったら、それはもうジャズそのものだ)。"Planetary〜"のそれは、ジャズの持つフリースタイルな部分や暑苦しさを拒絶し、徹底してクールに振舞おうとする。

これに対して"The Drop"は、リズムやメロディがジャズという枠組みに押し込められている一方で、常に、別の部分が枠組みからはみ出す。まるで容器と、蓋のサイズが微妙に違うかのように、常にどこかがかみ合わない。この不自然さ、不安定さが、そこはかとないポップス成分によってうまく「誤魔化される」ことによってギリギリでジャズというフォーマットに捕らえられているように見える。

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