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2014年12月22日 (月)

12/22 最近の読書から(オーディオにハイレゾは普及するか、という話)

数日前から、積読だった「イノベーションの解(クレイトン・クリステンセン/マイケル・レイナー著、翔泳社)」を読んでいる。なかなか出張などのまとまった時間がとれないため読了に至らないが、読んでいると様々なアイデア、思いが浮かんでくる。思いが浮かぶ、そのたびに立ち止まっては、あれやこれやと考えている。

本書の前作「イノベーションのジレンマ」によれば、イノベーションには「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」があるのだという。「持続的イノベーション」は従来製品の改良、改善であり、より良い製品の市場への投入を主たる目的とする。

一方「破壊的イノベーション」は、全く新しい市場に「ローエンド」から参入することによって引き起こされる。これまで多くの企業が想定していない、潜在顧客の掘り起こしによる新しい市場の創生が主たる目的である。一般に、「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」は互いに競争軸、性能尺度が異なるため、これまで持続的な製品戦略をとってきた既存メーカは、破壊的な製品に価値を見出すことができない。結果として既存メーカは従来製品の性能向上に注力し、利益率の低いローエンド製品を切り捨て、より高い利益率が保証されるハイエンド製品へ販路を広げていく。一方で破壊的製品は、利益率の低いローエンド製品からまったく新しい顧客を掘り起こし、市場を創生し、さらには持続的イノベーションによって徐々に既存のハイエンド製品を侵食していく。

気がつけば既存のメーカは、自らの主戦場であった市場のほとんどを破壊的な製品へと明け渡し、飽和した市場から退場していくこととなる。

101-0111_IMG.JPG(写真はイメージです)

本書では、この破壊的な製品が市場に受け入れられる理由を「顧客はやりたくない用事には手を出さない」からだと結論付ける。つまり、顧客は、製品の性能よりも、便利さ、手間のかからなさを重視するというのだ。

本書の記述はここにとどまらず、さらに深い部分へと分け入っていくことになるのだけれど、亭主はここでしばし立ち止まり、オーディオにとっての破壊的イノベーションについて思いを巡らせる。

  • SP, LPの普及は、顧客がコンサート会場に行く手間を省いた。
  • テープの普及は、顧客がジャケットからSPやLPを取り出し、ターンテーブルの上に乗せ、針を落とす手間を省いた。
  • CDの普及は、顧客がテープを巻きもどし、聴きたい曲まで早送りする手間を省いた。
  • iPodに代表されるmp3プレーヤの普及は、聴き手がテープやCDを何個・何枚も持ち歩き、また選曲のためにテープやCDを取り替える手間を省いた。
オーディオにおける破壊的イノベーションについて亭主としてはかなり合理的な説明が出来たと思うのだが、いかがだろうか。ならば、iPodやmp3プレーヤの次に位置づけられる、便利さ、手間のかからなさとは何なのだろうか。

実を言うとわれわれは、その答えにとっくに気付いている。気付いていて、あえて気付かないように目を伏せ、顔を背け、耳をふさいでいるだけなのだ。

たとえば、Youtube。Youtubeが普及した現在、ユーザは、CD店に出向いて音楽を買う手間を省くことができる。ネットに繋がってさえ居れば、好きなときに好きな音楽を聴くことができる。

一部の評論家たちがこれからのトレンドと主張している、音楽のハイビット化、ハイレゾ化は、亭主の見立てでは流行らない。

むしろストリーミングやYoutubeを快適に見られるためのLTE回線の強化、高速化を推し進め、ユーザが好きな音楽を、好きなときに、膨大なライブラリの中から自由に選び出せるための仕掛けを作る必要があるだろう。

音楽をサーバに蓄積し必要なときに聴けるという便利さは、LTE回線を使わない環境、ネットワークオーディオやPCオーディオですでに実現している。亭主もハードディスクに大量の音楽データを保管するが、好きな音楽を自由に再生できる便利さを実感している。一方でハイレゾは、顧客に対して便利さ、手間のかからなさを一切提供しない。現在のハイレゾブームは(かつてのSACDのように)一部のマニアの物欲を刺激するだけに終わると予想している。

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コメント

オーディオマニアと言っても音質が第一ではない人が相当数いるとしたら本当のオーディオマニアの実数って驚くほど少ないのでしょうね。

コメントありがとうございます。
オーディオマニアの実数は・・・意外と少ないかもしれませんね
人は便利なほうに流れがちですから

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