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2014年6月24日 (火)

06/24 【読】 「中沢新一対談集―惑星の風景(中沢新一、青土社)」

「中沢新一対談集―惑星の風景(中沢新一、青土社)」

人類学者で思想家。民俗学者・宗教学者としても知られる氏が、地球の未来について20世紀を代表する知者らと語り合った書。2014年4月刊行。いわゆる書下ろし・本書が初出というものはなく、「現代思想」や「群像」「ユリイカ」などの特集記事を再構成したものが本書となる。

本書は大きく分けて3部から構成される。2005年に開催された愛知万博(愛・地球博)のコンセプトである「自然の叡智」について、現代思想家たちと語り合った第1部(クロード・レヴィ=ストロース、ミシェル・セール、ブルーノ・ラトゥール)、心理学者・脳科学者らとともに言語・宗教・死生観について語った第2部(吉本隆明、河合隼雄、河合俊雄、養老孟司)、そしていわゆるアーティストらとともに、彼らの得意とする分野で自由な発想をめぐらす第3部(中村桂子、菅啓次郎、細野晴臣、杉浦日向子、藤森照信)。名前を挙げるだけで居住まいを正してしまいそうな現代の知の巨人たちが次々と登場する様は壮観という他にない。

特に第1部、人類学者ストロース、哲学者セール、社会学者ラトゥールとの対談はすさまじい。愛知万博が大々的にプロモーションされはじめた1999〜2000年という時期にあって、地球と人類・自然の関係を再定義し万博の意義を明確化するために設定されたもののようだが、その内容は極めて複雑、活字を追うのに苦労するほどに充実している。彼らの著作を読み、また思想を理解していることが前提であるかのように話が進むため、非常に歯ごたえがある。どれだけの人がついてこられるかは判らないが、知の巨人たちの思想が垣間見える、という点で読んでおいて損はないだろう。

それに比べると第2部は「歯が立つ」という点では随分と読みやすい。老人の、体力や行動力をうばわれてもなお衰えない知性に人間の完成形を見る「超人間・超言語」(吉本隆明)などはこれからどんどんと深刻化する高齢化社会に対するカウンターか。第3部はさらに読みやすい。ファンが読んでも充分に楽しめる構成だが、前半のハードさに比べるとずいぶんと軟化する。「風街ろまん」からYMOへと続く音楽遍歴を語る細野さん、怪談コミック「百物語」の構造と構成に迫る杉浦日向子さん、そして諏訪に建設した「神長官守矢史料館」の設計裏話・諏訪の独特な風習を語った藤森さんなど、肩肘張らない、雑学全開な内容が楽しい。

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