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2014年2月26日 (水)

02/26 【読】 「ちゃっかり温泉(久住昌之・文、和泉晴紀・絵、カンゼン)」

「ちゃっかり温泉(久住昌之・文、和泉晴紀・絵、カンゼン)」

近著では「孤独のグルメ」「花のズボラ飯」「散歩もの」などの原作者として有名。かつては和泉晴紀とのコンビ「泉昌之」名義で「豪快さんだっ!」「ダンドリ君」などの原作も手がけた久住氏による温泉エッセイ集。2013年9月刊行。亭主はkindle版を購入した。

仕事を抜け出し、近所の温泉に「ちゃっかり」行ってくる―――そんなコンセプトのもとに、東京近郊の様々な「温泉」と「食」を堪能したレポートが本書となる。全10話。「綱島温泉」「高井戸温泉」「笹塚温泉」「箱根かっぱ天国」「浅草観音温泉」「蒲田温泉」「深大寺温泉」「花小金井温泉」「戸越銀座温泉」「麻布黒美水温泉」の10箇所を巡っている。銭湯を思わせる温泉、保養所を思わせる温泉など全体的に庶民的なムードが漂う。各エピソードにはそれぞれ「焼き鳥」「回転寿司」「じゃがいも塩ゆで」「シフォンケーキ」「牛スジ煮込み」「生ハムサラダ」「天盛り蕎麦」「アイスクリーム」「鴨クレソン」「焼きそば」といった食べ物の話題も盛り込まれていて、温泉やその周辺の食堂、飲み屋などのレポートでもある。こちらもまた全体的に庶民的、温泉・食べ物ともにお金をほとんどかけないあたりがこだわりといえる。いや、そもそも仕事を抜け出しているのだからそれほど大胆なことができるわけもない。電車に乗り、バスに乗り、ときには河川敷の土手をぼんやりと歩いてたどり着く温泉に、そもそも「グルメ」だの「有名温泉」だの「風光明媚」だのといった仰々しい景色は似合わない。

エッセイということもあって基本は散文、久住氏の考えていること、感じたことが情景とともにつづられている。まるでわびさびの世界を髣髴とさせる庶民の生活、古びた建物や鄙びた浴場が妙に生々しく懐かしい。日常のちょっとした出来事に興味を向けるあたりは「散歩もの」にも共通するだろうか。日々の生活のなかで無意識に無視してしまいがちな事柄が、久住氏の視野を通じて亭主の中に直接エモーションとして入り込み、そのどれもが亭主の琴線に触れてくる。平たく言えば「すごく共感できる」。

作中には和泉晴紀氏によるイラスト、あるいは久住氏本人による素朴な挿絵が描かれていて、なんともほっとする。亭主は「ダンドリ君」以来のファンなので、(孤独のグルメの谷口ゴロー氏の絵柄もよいのだが)やはり和泉氏の絵柄をみると「やっぱり久住さんにはこの絵柄だよなぁ」と思ってしまう。一方で、若い人には何が懐かしいのか、何が良いのかよくわからないであろうし、和泉氏の絵柄は今風のアニメ画に慣れきった目には「素朴」としか感じないであろう。読めば読むほどに「自分のために書かれた」作品と思えるあたり(氏と世代は異なるものの)氏と思い出の多くを共有しているに違いない。

「思い出」といえば、作中になかなか印象的なフレーズがあって、読んでいて思わずじんと来てしまった。

あまりに良いフレーズ、人に教えるのが勿体無いので、ここには書かない。

知りたい人は本書をぜひどうぞ。第9話「戸越銀座温泉の鴨クレソン」にかかれている。

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