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2014年2月24日 (月)

02/24 【読】 「サイロンの挽歌(宵野ゆめ、早川文庫)」

「サイロンの挽歌(宵野ゆめ、早川文庫)」

2009年5月に作者・栗本薫氏が逝去し、未完の大作となってしまったグイン・サーガの続編を書き継ごうとする試み「グイン・サーガ続編プロジェクト」の第2作。前の巻では五代ゆう氏がパロ編を、本巻では宵野ゆめ氏がケイロニア編をそれぞれ担当して進めるとのこと。作者である宵野ゆめ氏は中島梓(栗本薫氏の別名義)が主宰した小説塾の出身で、グイン外伝「宿命の宝冠」でデビューしている。

「七人の魔道師」(外伝1)によって蹂躙され、急速に荒廃したケイロニアの首都・サイロン。黒死病にて大幅に人口を減らした首都に、新たな災禍がふりかかろうとしていた。市内に出没する怪しげな男の影、狂気の声を上げるゾンビー、そして市内を我が物顔でのしあるく鼠、ネズミ、ねずみ・・・。魔道師たちの攻撃を辛くも退けた豹頭の超戦士・ケイロニア王グインは、サイロンを再び襲う暗雲に立ち向かう。

デビューから2作目とは思えない手慣れさ、重厚さと軽妙さとがほどよく同居した文体は、栗本氏を髣髴とさせて小気味良い。いわゆるファンタジー小説らしからぬ言葉遣い、古色蒼然・大時代的な文章に、ふっと現代の単語が現れて読み手をハッとさせるあたりは栗本氏のテクニックにも似て懐かしさすら覚える。世の中には宵野氏や、また五代氏よりもずっとずっと原典に精通したいわゆる「グインマニア」という人がたくさんいるだろうが、その中のどれくらいが栗本氏の作風に合わせた作品を、さらには文章を創造できるだろうか。二人がグインを続けるための逸材であることは疑いの余地がない。

一方、不満もいくらかはある。たとえば本作、「サイロンの挽歌」は正篇であり、これまでに130余巻を重ね、今後も巻数を重ねるであろう超大作なのにもかかわらず、本作のみで小さくまとまりすぎている感が否めない。よく言えば一冊で完結しようとしているように感じられる。一冊の中に伏線を張り、それをきっちり回収していこうという律儀さは栗本氏のおおらかさとは少し趣が違う。せっかく巻数を重ねてきているのだから、もっと大胆に伏線を張っても良いのではないだろうか。せっかくの大河長編小説なのだから―――。

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