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2013年12月13日 (金)

12/13 【読】 「無縁・公界・楽(網野善彦、平凡社ライブラリー)」

「無縁・公界・楽(網野善彦、平凡社ライブラリー)」

歴史学者として日本中世史研究に貢献。「非人」や「悪党」「漁民」といった多彩な職能の立場から日本の中世史を読み解いてきた著者が、中世の「無縁」「公界」「楽」について考察した書。1978年刊行。当時学術書としては異例のヒットを飛ばしたという。

近年は「無縁仏」などととかくネガティブな印象ばかりが先行する「無縁」。しかしながら中世において「無縁」とは、世のしがらみから解き放たれた、自由な状態を指したのだという。たとえば中世の女性は自ら離婚できなかったが、唯一「縁切り寺」へ駆け込むことで、男性との縁を断ち切ることができたのだという。このような中立地帯は中世には多数存在したようで、河川敷などに成立した「市」や、堺などといった自由都市もまた「無縁」な空間だったようだ。「市」の中では全ての人間が中立状態となり、たとえば敵味方同士が出会っても交戦することはかなわなかった。このような「市」あるいは中立地帯で働く人々(猿楽や遊女、非人など)を当時は公界と呼んでおり、権力者にとって大きな脅威となっていた云々―――。

本書は、「無縁」「公界」「楽」をキーワードに、これらにまつわる様々な事物を飛び石のようにおいかけていく。特に「公界」については、宗教的聖域を意味する「アジール」との関連を示唆し、歴史学者で皇国史観を持つ(とされる)平泉澄の引用もある。平泉の引用については発表当時かなりの物議を醸したようだが、結果的に大ヒットとなり、30数年を経てもなお読み継がれていることは、本書における「アジール」の概念が斬新かつ当を得たものだったことを意味するのだろう。

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