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2013年10月24日 (木)

10/24 【読】 「水滸伝(一)曙光の章(北方謙三、講談社文庫)」

「水滸伝(一)曙光の章(北方謙三、講談社文庫)」

明代の中国で書かれたという長編伝奇歴史小説。中国四大奇書の一つとして、日本でも強い人気を誇る「水滸伝」の北方謙三バージョンが本作。原本に大胆なアレンジを加えることで登場人物たちに明確な個性を与えるとともに、散漫かつ矛盾の多い原作のあらすじに合理的な説明を与えている。

(実をいうと亭主、これまで水滸伝を読んだことがなかった。そのため以下の解説はWikipediaや、他読書サイトの感想を参考に書いたことをあらかじめご承知願いたい)

本書の巻末にある北上次郎氏の解説によれば、本作・北方版は、北方謙三のライフワークとして執筆されたものなのだという。腐敗しきった王朝を打倒するため、中国全土から英雄たちが梁山泊へと集うという基本構成は民間説話を集成したといわれる原本と同じ。ところが北方版の場合、その展開は物語開幕当初から異なるのだそうだ。原本では物語冒頭に登場し、九紋竜の史進に武術を教えて退場するはずの武術師範・王進は、北方版では退場することなく、西方の山中にて英雄の卵たちに武術の稽古をつけ、梁山泊へと送り出すという教育機関の役割を担う。また、原本では怪力の乱暴者として描かれていた魯智深は、北方版では諸国を旅して情報を集め、また有望な若者を梁山泊へといざなうというオーガナイザー/リクルーターとして活躍する。さらに北方版では、梁山泊が多量の物資を調達する手段として当時より王朝が独占・専売していた塩の流通に目をつけ、この流通経路を破壊するとともに、梁山泊それ自体が塩の闇ルートを掌握しようと試みる。原本では梁山泊は盗賊まがいの略奪で兵站を整えていたのだそうだ。現代的・合理的な思想の元に物語が作りこまれているのが北方版の特徴、らしい。教育機関・人材のリクルート・流通経路といわゆる「インフラ」を地道に整え、外堀を埋めていく構成は見事というしかない。

もっとも、第1巻といえば大河小説においてはまだまだ導入部、作品全体の評価にはまだ早い。第1巻を読み終えて、次は第2巻、3巻と読み進めていきたいところだが、残念ながら亭主には時間が無い。棚の上には数十冊におよぶ「積読」の本があり、一方で読書をする時間は圧倒的に限られている。

本シリーズは全19巻だそうだが、今回はここまで、続巻はまたの機会に。

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