« 06/01 【食】 ラーメン・つけ麺、笑福(大阪市内) | トップページ | 06/04 【聴】 Madame Crooner / Miharu Koshi, Daisyworld|Victor(VICL-64033) »

2013年6月 3日 (月)

06/03 【読】 「愛しの座敷わらし(上)(萩原 浩、朝日文庫)」

「愛しの座敷わらし(上)(萩原 浩、朝日文庫)」

デビュー作「オロロ畑でつかまえて」にて1997年の第10回小説すばる新人賞を受賞。2005年には「明日の記憶」が第2回本屋大賞の第2位、第18回山本周五郎賞を受賞した作者が、2008年に発表した家族小説が本作。2012に水谷豊主演にて映画化されている。地方へと左遷されたサラリーマンの主人公と、その家族が田舎暮らしで体験する様々な事件を優しい筆致で描き出す。

商品企画の失敗をきっかけに、東京の本社から東北地方の支社へと転属となった主人公・高橋。長野県出身の彼は、転属を期にかつてより夢見ていた田舎暮らしの計画を実行に移す。巨大な古民家を家族の了解なしに賃貸契約した夫に、都会暮らしに慣れた家族は大反対。ところが実際に古民家を見学するうち長女、長男そして祖母らの気持ちが徐々に古民家に傾き始め―――。

独断で物事を進める身勝手な夫、認知症気味の祖母、学校でいじめられ孤立する長女、ぜんそくの再発が心配される長男、そして彼らに振り回され必死で家庭を切り盛りする妻。一見平和そうに見える家庭はそれぞれに問題を抱えていて、彼らの心情、そして家族内の対立が田舎暮らしによってどう変化していくかが上巻の主題となる。古くから古民家に住みつき、家運を上向かせるといわれるこどもの妖怪「座敷わらし」は物語序盤からちらほらと「気配」として現れているが、物語の進行に大きく影響を与えることなくマイペースに家族に絡んでいる。このあたりの加減は実に絶妙というか、下巻に向けての巧みな「引き」となっている。

まずは小手調べの上巻、さわやかな夏の情景描写を楽しみつつ読みたい。

« 06/01 【食】 ラーメン・つけ麺、笑福(大阪市内) | トップページ | 06/04 【聴】 Madame Crooner / Miharu Koshi, Daisyworld|Victor(VICL-64033) »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 06/03 【読】 「愛しの座敷わらし(上)(萩原 浩、朝日文庫)」:

« 06/01 【食】 ラーメン・つけ麺、笑福(大阪市内) | トップページ | 06/04 【聴】 Madame Crooner / Miharu Koshi, Daisyworld|Victor(VICL-64033) »

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
フォト
無料ブログはココログ