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2013年2月 6日 (水)

02/06 【読】 「戦国武将の謎に迫る!諏訪大社と武田信玄(武光誠、青春新書)」

 「戦国武将の謎に迫る!諏訪大社と武田信玄(武光誠、青春新書)」

明治学院大学教授。日本古代史を中心とした日本文化研究を専門とし、歴史に関する著書を多数執筆する氏が、長野県諏訪地方を中心として全国的に信仰される諏訪大社と、現在の甲府市近辺を本拠とした地方武士である武田信玄との関わりについて解説した書。2012年10月刊。諏訪大社の主祭神であり風の神、農耕の神、水の神、山の神、狩猟の神など多様な要素を持った建御名方神がなぜ武神として祭られるようになったのか、本来諏訪の出自ではない武田信玄が、なぜ諏訪大社を信仰し、また手厚く保護したのかを明らかとする。

書名には「戦国武将の謎に迫る!」となかなか刺激的な言葉が使われているものの、本書の主眼である「諏訪大社と武田信玄のかかわり」に関しては実のところ謎というべきものは何も無い。平安時代から鎌倉、室町を経て江戸時代まで至る武田氏の系譜と、古代からの祭礼を連綿と継承し続ける諏訪氏(上社の祭礼を取り仕切る)と、金刺氏(同下社を取り仕切る)の系譜とを、史実に沿って、また時系列にたどればその理由はおのずと明らかになる。古代の首長が歴史の流れに沿って武士となり、また武将となって地方の武士たちを束ね、国盗り合戦へと発展していく様は、歴史好きにとっては壮大なノンフィクションであり、興味の無い人にとっては学校の歴史の教科書を読むような感じすらするだろう。

一方、天下の奇祭・御柱祭の詳細やその意味、諏訪信仰の前に存在したとされる土着の神、ミジャグチ神などについてはまったく触れられておらず、民俗学的な見地が欠けている点は特記すべき点といえる。おそらく不確実な部分、文献などで検証ができない部分にはあえて踏み込まず、戦国時代にその論点を絞ったのだろう。ただ、「謎」という点ではこちらのほうが圧倒的に謎であり、また多くの古代史ファンの興味の集まる部分だろう。一切の想像を許さない生真面目な構成をよしとするか、いまいちとするかは評価の分かれる部分かと。

いくつか苦言を呈するならば、1点は図表が多いものの本文とあまり関連付けがなされていない。小ネタというか、周辺情報を提示しているのだろうが、説明不足。もう1点はケアレスミスが散見されること。急いで書いたのだろう、人名が混乱している部分があった。

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