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2012年12月14日 (金)

12/14 【読】 「日本人のための食養生活―これを食べれば医者はいらない(若杉友子、祥伝社)」

「日本人のための食養生活―これを食べれば医者はいらない(若杉友子、祥伝社)」

今年75歳。23年前に静岡で食事研究のための店を開店、17年前には京都市綾部に移住し、以降綾部で自給自足の生活を続ける「食養研究家」若杉友子氏による食のエッセイ集。一汁一菜、粗食を基本とした食事法が人気を呼び、日々料理教室や講演会のため全国を飛び回っているという氏が、現代日本人の食生活に警鐘を鳴らす。2012年4月刊。

自らや仲間たちが栽培・収穫した食材を使ったお惣菜、砂糖を使わず、味噌としょうゆ、塩などの調味料だけで味付けした素朴なおかずによって、多くの人の健康を回復してきたという若杉氏。肉や魚、乳製品を使わず、また加工食品にも一切手をつけない徹底ぶりは、菜食主義者のそれを髣髴とさせる。古きよき時代の日本の食生活が日本人にもっとも適しているという考え方は、いわゆる「おばあちゃんの知恵袋」のようなものか

―――と思っていたら。

思想家でマクロビオティック(マクロビ)の提唱者、桜沢如一(ゆきかず)氏の著書「新食事療法」に影響を受けたものなのだという。ナトリウムとカリウムのバランスを易経の陰陽で説明するなど独自の理論展開で知られた桜沢氏の考え方を、「おばあちゃんの知恵袋」的テイストとしてアレンジしなおしたものが若杉氏の食養論といえるだろう。LOHASや菜食主義の人気などとあいまってマクロビにもまた多くのファンがいるようだが、現代において「マクロビ」は疑似科学の一種としてとらえられている。本書においても「好転反応」「原子転換」などといった単語が並んでおり、お年寄りが口にするとは到底思えない、誰かの入れ知恵的な、オカルティックな雰囲気すら感じられる。若杉氏自身は「ここに書いてあることは絶対に守らないといけない、これ以外は全部間違っている、なんて杓子定規に思わないでください」と寛容な言葉を述べているものの、読み進めてみると「危険」「極悪」「愚か者」など物騒な言葉で警鐘を発し、陰謀論に陥っている部分もあって、読むほどにゴリッ、ゴリッと随所に引っかかるものがあった。

もちろん、亭主として共感できる部分は少なくない。医学の最新研究によれば、日本人はカロリーのとりすぎ、肥満が糖尿病や高血圧、がん(!!)などの原因であるのだそうで、その視点からも粗食の大事さは十分に理解できる。精製塩よりも、ミネラルを多く含んだ自然塩のほうが健康に良いことは用意に理解可能であるし、自らが精魂こめて育てた野菜が美味であることは自身も体験しているのだけれど―――。

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