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2012年11月13日 (火)

11/13 【読】 「ほんとうの親鸞(島田裕巳、講談社現代新書)」

ほんとうの親鸞(島田裕巳、講談社現代新書)

現代日本における最大宗派・浄土真宗の開祖・親鸞。近年は悪人正機説を綴った「歎異抄」の解説本によってさらに知名度を増した親鸞について、宗教学者の島田氏が謎解きよろしく解説した書が本作となる。「歎異抄」に登場する有名な一節「善人なをもて往生をとぐ。いはんや悪人をや」は、日本思想史研究で知られる家永三郎氏が「否定の論理」として高く評価したもので、先に述べた解説本はもちろん、受験問題などにも頻出している。

浄土真宗と親鸞に関しては、他著(たとえば「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのかー仏教宗派の謎」)においても言及している島田氏だが、本書では親鸞の正体について、様々な角度から徹底的な考察を試みている。そもそも親鸞は、ほとんど自筆の書・著作を残しておらず、たとえば「歎異抄」は親鸞の弟子とされる唯円が、親鸞の死後30年を経て親鸞の言葉を著したものなのだそうだ。親鸞に関する情報の多くは絵巻物や弟子への書状からうかがい知るのみ、妻であったとされる恵信尼の言葉もまた彼女が80歳を超えて語られたものであり、かなりの部分が不確実なのだそう。しかも、それら情報のほとんどが相互に関連しておらず、裏をとることすら不可能―――と、ミステリ顔負けの謎に、島田氏が果敢に切り込んでいく。その結論はおそらくは浄土真宗の関係者にとってはかなり都合の悪い、頭の痛い内容と思われるのだが―――そこは読んでのお楽しみ。

もっとも島田氏が本書を記した目的は、浄土真宗という宗派を貶めることではなく、これまで開祖として神聖視され、曖昧にされてきた親鸞の「人間性」を明らかにすることにある。本書から明らかとなった「ほんとうの親鸞」は、師であった浄土宗祖・法然の教えに忠実である一方、自らの信仰に大いに苦悩する一人の人間であったという。乏しい資料と、時代背景から浮かび上がる親鸞の姿に、亭主自身大いに共感するものがあった。

とはいえ、Amazonほかのレビューによれば、島田氏の主張には多くの事実誤認・定説無視が見受けられるようで、かなり厳しい評価が並んでいる。島田氏の実力か、それとも謎解きエンターテイメントとしての割りきりかが判断できないあたり、自らの知識不足が歯がゆく感じられた。 

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