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2012年9月 7日 (金)

09/06 【読】 「サイバーテロ 漂流少女(一田和樹、原書房)」

「サイバーテロ 漂流少女(一田和樹、原書房)」

コンサルタント会社社長、サイバーセキュリティ情報サービス会社代表などを経て現在はミステリ作家として活躍する一田氏の最新作。前作「檻の中の少女」で活躍したサイバーセキュリティコンサルタント・君島悟が主人公のシリーズ第2作。2012年2月刊。

企業向けコンサルを主たる業務とする君島の下に飛び込んできた、家出人捜索の依頼。家を出たという高校生・真行寺大樹は、企業のサイトをハッキングし個人情報を盗み出す「ハッカー」だった。家出してもなおTwitterにつぶやきを投稿し続ける大樹を追う君島。だが、大樹との邂逅は、国家をも揺るがす危機の幕開けだった―――。

団体・人名に(差し支えない程度に)実名を使ってみたり、現代のテクノロジで実現可能な計算機技術、ソフトウェア技術でストーリを組み立ててみたりと、徹底的なリアリティにこだわったミステリ。実際のセキュリティ会社の人間に査読を依頼するほどの世界設定は、まるでそれがドキュメンタリーであるかのような錯覚すら起こさせる。一方、登場人物はといえばどちらかといえば非実在的。ハードボイルドな君島をはじめ、セキュリティ会社の人間、ハッカーの高校生たちなどはいずれもキャラ立ちするようカリカチュアライズされている。いや、高校生の言動はむしろリアルすぎて、そこが逆に非実在感をかもし出しているといってもよい。最近の子供たちの会話は、初老となってしまった亭主にはグネグネ・ぐにゃぐにゃしすぎていて理解しがたい。

実は一田氏の作品は、以前よりScanNetSecurityで週刊連載されている「工藤ちゃん」シリーズを愛読していてこれが最初ではない。シンプルな構成でサクサクと読み進められる「工藤ちゃん」シリーズに対し、重厚でハードボイルドな「君島」シリーズは活字的にも、またトリック的にも盛りだくさん。次々と起こる事件、緊迫する推理戦、最後の最後までひっくり返り続けるストーリなど、全篇を通して目が離せない。「工藤ちゃん」と「君島」のキャラの違いがわかりにくい(どちらにも巨乳の眼鏡っ娘が彼女として登場する)という点は気になったものの、最後まで楽しく読むことができた。(2012.09.06) 

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