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2012年6月26日 (火)

06/26 【読】「動員の革命ーソーシャルメディアは何を変えたのかー(津田大介、中央公論新社)」

「動員の革命ーソーシャルメディアは何を変えたのかー(津田大介、中央公論新社)」

ジャーナリスト・音楽評論家でMIAU(インターネットユーザー協会)理事。著作権ビジネス、メディア論に造詣が深いほか、昨今では司会やコメンテーターとしても活躍する著者が、中東革命・東日本大震災などで活躍したFacebook, Twitterなどソーシャルメディアの本質を考察した書。

チュニジアで起こったジャスミン革命、エジプトのムバラク政権の崩壊、ロンドン郊外に端を発しイギリス全土へと広がった若者たちの暴動、そしてアメリカの"Occupy Wall Street"運動ーーー。現代の社会を運動のほとんどは、ソーシャルメディアを通じて拡大している。地理的な距離や社会的な立場を越え、無関係な人々を網の目のようにつなげるのがソーシャルメディアの役割。だが、ネット上でのバーチャルなつながりを、リアルな行動へとシフトさせるためには「動員」の力が必要となる。ソーシャルメディアを通じ、人々はどうやって「動員」されていったのか、どうしたら「動員」へと結びつけて行くのかを考察するのが本書の主眼。「動員」はなにも革命やデモに限ったことではない。ネットによるビジネス展開、商品の販売やライブ動員、あるいは東日本大震災などで注目された災害支援の輪ーーー。氾濫する情報のなかで、いかに人々を動員(ムーブメント)へに導いていくかは、あらゆるシーンで必要なノウハウといえる。

なお、本書では、ソーシャルメディアの分析にとどまらず、実例をあげてのソーシャルメディアの活用法、ソーシャルメディアの将来展開についても論じている。これからソーシャルメディアを使ってなにかをやらかしたい人には絶好のマニュアルとなっているあたり、一粒で二度も三度も美味しい。胡散臭いコンサルタントの意見や、クソ高いセミナーに参加せずともしっかりとその要点が把握できることから、実用書としての価値も高い。各章に挟み込まれた対話編、モーリー・ロバートソン氏、宇川直宏氏(Dommune)、家入一真氏らとの対談も興味深い。この内容で760円は破格にすぎる。

ちなみに、巻末にはいとうせいこう氏、中沢新一氏との特別鼎談が収録されている。自由民権運動の際のオッペケペー節、山口県上関町祝島の上関原発反対デモを挙げ、動員ーーー特にデモに関して民俗学からの再解釈を試みる。実践的かつリアリスティックな内容だった本論に対し、こちらはすこしロマンチック、思考を自由に漂わせてのフリーディスカッションとなっている。斬新な発見や、切っ先鋭い指摘はなく、すこし物足りなく感じた。

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