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2012年6月10日 (日)

06/10 【読】「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのかー仏教宗派の謎ー (島田裕巳、幻冬舎新書)」

「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのかー仏教宗派の謎(島田裕巳、幻冬舎新書)」

宗教学者で文筆家。日本女子大学教授などをつとめ、「日本の10大新宗教」「葬式は、要らない」などの著作でも知られる島田氏が、仏教伝来から現在まで連綿と続く日本仏教の歴史を俯瞰した書。2012年2月刊行。

序章によれば、日本の仏教伝来は538年に遡るという(これまで552年という説が唱えられてきたが、現在はこちらの説が有力になっているとのこと)。崇峻天皇が飛鳥に都を定めた592年以降、聖徳太子による法隆寺の創建などを経て国内に仏教が浸透して行くが、宗派が形成された時期は奈良時代にまで下る。当時「南都六宗」と呼ばれた法相宗、倶舎宗、華厳宗、律宗、三論宗および成実宗は宗派というよりもむしろ「学派」であり、僧侶は中国から伝来した最新の学問をそれぞれの宗派で学んでいたのだそうだ。その後に三論宗から真言宗(宗祖を空海とする)が派生、また空海とともに唐へと渡った最澄が天台宗を開くことで日本の仏教は中国とはまた異なる体型へと展開して行く。本書では、南都六宗に加え古代から現代までに成立した主要な宗派、すなわち真言宗、真言律宗(真言宗と律宗から派生)、聖徳宗(法相宗より派生)、天台宗、浄土宗、浄土真宗、融通念仏宗、時宗、曹洞宗、臨済宗、黄檗宗、日蓮宗、日蓮正宗(以上天台宗より派生)について、宗祖と成立の経緯、宗派の特徴、主な僧侶、そして現在に至る経緯を細かく記載している。特に天台宗に関しては、その後の派生宗派が多いことから、各宗派にまたがっての人間関係が詳細に記されていて、極めてわかりやすい。中学高校の日本史で習う仏教史とは比較にならないほどの情報量、しかしその情報のどれもが生々しく、人間味をもって伝わってくる。宗教方面にも少なからず興味のある亭主、最後まで楽しく読むことができた。

で、浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか。

本書では、その答えを明示していない。というよりも、その答えを結論に据えていない。様々な宗派の歴史や特徴を知るうちに、答えはまるで「図と地の効果」のように、絵の背後にじわりと浮き上がってくる。答えは読んでのお楽しみ。

なかなか巧みなタイトルと最初は思ったのだが、書店で目を惹く為の手妻とも考えられる。メタなタイトルと感心するか、「釣り」と思うか。個人的にはどちらでもよいのだけれどーーー。

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