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2011年11月

2011年11月30日 (水)

11/30 【聴】 Moonlight Feels Right / Starbuck, Private Stock|Maskrat(RATCD-4362)

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Bruce Blackman(Vo., Keyboard)とBo Wagner(Marimba, Percussion)を中心としたロック/ポップスユニット、Starbuckの1976年作品。「恋のムーンライト(Moonlight Feels Right)」、「星影のマリンバ(I Got To Know)」、「Lucky Man」などのヒット曲を含む1stアルバムとなる。インスト曲"Bordello Bordeaux"を含む全10曲。ちなみに、"Moonlight Feels Right"は高橋幸宏がアルバム"Only When I Laugh..."でカヴァーしている。

いわゆるロック/ポップスの枠組みを踏襲しつつ、品良く、スタイリッシュに纏め上げたアルバム、といえばよいだろうか。Starbuckが活動の中心としたアメリカ南部ジョージア州の雰囲気、R&Bやジャズ、ファンクといったブラック・ミュージックの影響を受けながらも、ソフト・ポップスの優しさ、穏やかさを十二分に発揮したサウンドがStarbuck(及びこのアルバム)の特徴だ。随所にフィーチャーされるマリンバの軽快なリズムと、どこまでもポジティヴなヴォーカルが、聴いている人の心を穏やかにさせる。うんうん、亭主にもこんな時代あったよなぁ・・・と思わず懐かしくなってしまう初々しさがある。

もうひとつ、Starbuckが他のソフト・ポップスと違う点は、いわゆる「ヒット曲」に甘んじることなく、構成を変え、アレンジを変えて様々なアイデアを盛り込んでいる点だろう。先に紹介したR&Bやジャズ、ファンクのリズムはもちろん、ワンフレーズ・ワンメロディのミニマルな曲、インスト曲など「聴かせる」工夫が随所にうかがえる。中心人物であるBruce Blackmanはそれ以前にもバンドで活躍するなど相当なキャリアの持ち主であり、しかも本アルバムリリースに当たってはレコード会社とかなりの打ち合わせを重ねたそうで、なるほど手間隙をかけただけのことはある。

なお、"Moonlight Feels Right"を幸宏さんがカヴァーしていることは先にも述べたが、幸宏さん、非常に原曲に忠実なカヴァーに仕上げている。マリンバのソロだけでなく、キーボードの音色なども原曲に近づけていて、知っている人はさらに楽しめる。(2011.11.18) 

11/30 【聴】10minutes Older / 菊地成孔 + Combo Piano, Sycamore|Ewe(EWSY005)

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菊地成孔と渡邊琢磨(Combo Piano)、二人のアーティストがそれぞれにセッション・メンバーを率いて作り上げたサウンドトラック。アキ・カウリスマキ監督の「人生のメビウス」の音楽を渡邊が、ベルナルド・ベルトルッチ監督の「イデアの森」の音楽を菊地がそれぞれ担当。全15曲。大友良英、坪口昌恭、南博、岩澤瞳のほか、鈴木正人、春野高広ほか多数のアーティストが参加している。

ハネるリズム、複雑な転調・・・。トリッキーだが、トリッキーさを感じさせない、端整な作品といえば良いだろうか。坂本龍一のエスペラントを思わせる実験的なアンサンブル、縦ノリの激しいビートのダンス・ロック、あるいは情熱的なラテン音楽などをそろえたCobmo Pianoと、スウィンギーなジャズと、CDJによるアヴァンギャルドなスクラッチ・ミュージックとを対比させた菊地成孔。それぞれに個性を発揮しつつも、しっかりと軸足を定めた安定感のある作品が楽しめる。菊地成孔については同時期に彼の参加する作品2枚を購入しているが、やはりコンセプト・メイカーとしての彼が一番生き生きしているように感じられる。一方でCombo Pianoは、効果的にヴォーカルを挿入することによって適度な安心感を与えてくれる。ヴォーカルが入ると安心するのが亭主の特性かどうかはわからないが・・・少なくともその曲を理解し、感情移入するためのとっかかりにはなる。

お題となった映画についてはまったく知らないけれども、少なくとも映像がないと理解できない、という類の音楽ではなく、むしろ映像側が油断すれば、音楽が映画そのものを食ってしまう(!!)くらいのパワーを秘めている。(2011.10.14) 

2011年11月29日 (火)

11/29 【食】一蘭渋谷店(天然とんこつラーメン、東京都渋谷区)

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本日東京出張。

打ち合わせの後、渋谷のハチ公口〜タワーレコード通り沿いにある天然とんこつラーメンの店・一蘭へ。九州を発祥として国内に展開するかなり有名なチェーン店とのこと。ラーメンを純粋に味わうため、個別に仕切られた座席でも有名かと。

とりあえず天然とんこつラーメンを注文。
今回は初めてということで、にんにくを抜きにした以外はすべて標準の味付けとした。

麺・スープともにいわゆる九州とんこつラーメンのそれ。ただし麺については標準でもかなりそぼそぼとしていて、ぶちぶちと短く切れる。茹で加減を変えたらいくらか良いのだろうが、コシはあまり感じられない。スープはほどよい濃さのとんこつスープ。濃度・旨みは標準的。麺、スープともに標準的で万人が好みそうな味・・・

・・・なのだけれど。

スープの中央にある赤い「秘伝のタレ」、これが辛い。

唐辛子ほか30種類の材料を調合して作ったタレなのだと言うが、これが実に辛く、スープを味わうどころではなかった。店内にある食べ方によれば、最初はこのタレをよけてスープと麺を味わい、徐々に溶かして楽しむそうだ。ところが亭主、うっかり最初からこれを混ぜて食べてしまったため、とにかく最初から最後まで辛さだけが際立った。そぼそぼとした麺、まったりとしたとんこつスープ、旨みも食感もノド越しも、その全てが辛味で台無し。標準の味付けとしたはずだったのに・・・と思ったのだが後の祭り。亭主自身決して辛いものが苦手でも、嫌いでもないのだけれど、これは失敗だった。

おそらく、このタレがなければ標準的な味わいの、ふつうに美味しいとんこつラーメンだったと思われる。このタレが標準だというならば・・・「辛いラーメン」という感想で終わりかも。

なぜこの味が受けているのかさっぱりわからないまま、店を後にした亭主でありました。

11/29 【聴】 Audio Technica ATH-CM707

本日、東京出張の帰りに秋葉原のダイナミックオーディオ5555に立ち寄り、ダイナミック型インナーイヤーヘッドフォンのAudio Technica ATH-CM707を買ってきました。

これまでSennheiserのMX500を愛用してきまして、それこそ何年使ったかわからないほどに使い込んできたのですが、数日前からイヤフォンミニジャック部の導通があやしくなり、本日出張中に完全に断線してしまったのでした。

ダイナでイヤフォンを見たところ、売り場はカナル型ヘッドフォンがほとんどで、インイヤー型はほとんどないんですね。ゼンハイザーの高級品(確か29800円)と、ATH-CM707が売られているくらいで、あとは全部カナル型。亭主自身カナル型を聴き込んだわけではないのですが、以前iPodに付属のカナル型を装着した際、耳がぼわーんと詰まった感じがして、非常に不快だったのですね。音も、飛行機の機内で聞く、聴診器みたいイヤフォンのような音で、これまた不快。

店頭でこれ(ATH-CM707)を試聴できるとのことでしたので試してみたところ、MX500に比べて低音が強調されているほか、バッキングの細かい部分までしっかり再生しており、迫力ある音。なかなか好印象でした。ほかに選択肢もないことですし・・・ということで購入。

今もこのイヤフォンで聴いています。これまでに比べて音の重心がぐっと下がり、さらに全帯域が躍動感に溢れています。中域・シンセのような矩形波音も俊敏で切れ味抜群。多少大げさというか、作られた感じ、ごちゃごちゃとした感じではありますが、これはこれでよいのではないかと。インイヤー型に散々言われる音漏れも最小限です。

気になる点を二点ほど。

コード部が非常にやわらかく、強度的に心配が残ります。
あとソフトケースがついてきます。高級感があってよいのですが、iPodにつなぎっぱなしでは使いみちがないように思います(^^;)

ともかく、また新鮮な気持ちで音楽を聴けるようになりました。
通勤の往復が楽しくなりそうです。


2011年11月27日 (日)

11/27 千波湖お散歩

まはろくんと、妻と一緒に水戸市内の千波湖をお散歩してきました。

20111127sembako.jpgはじめての千波湖に大興奮のまはろくん。湖畔をジョギングする人、散歩する人、ワンちゃんを連れた飼い主さん・・・いろんな人に逢いました。
湖にはカモのほか様々な水鳥さんたちがいて、湖畔べりの小道では、黒鳥さんとなにやらお話もしてきました。

20111127sembako3.jpg湖一周3kmのお散歩、楽しかったね。またいこうね。



11/27 【読】 アンブロークンアロー―戦闘妖精・雪風(神林長平、ハヤカワ文庫)

アンブロークンアロー―戦闘妖精・雪風(神林長平、ハヤカワ文庫)

南極に突如出現した超空間通路を通じ、地球への侵攻を試みる異星体・ジャムと、ジャムの侵攻を受け組織された超国家的軍隊・FAFとの戦いを描く人気ハードSFシリーズ第3弾。第一作目「戦闘妖精雪風」より30年、長きにわたって書き綴られてきた、作者神林長平のライフワークとも言うべき作品。2009年ハードカバーとして出版。現在は文庫版も発売中。

「敵の情報収集を任務とし、たとえ味方が危機に陥っても自らは必ず帰投する」・・・非情な命令に応えるべく、圧倒的な推力と情報収集能力を備えた戦闘機「雪風」と、雪風にのみ心を開くパイロット・深井零を主人公に、コミュニケーションとは、意識とは何かを深く掘り下げた本シリーズ。圧倒的かつ緻密なメカ描写が話題となった「戦闘妖精雪風」、機械(雪風)と人間(零)との異種間交流を描いた「グッドラック」に続く本作では、ついにジャムが人類に対して宣戦布告する。これまで一切のコミュニケーションが通じなかったジャムが、FAF内に現れた裏切り者という媒介を経て人間へと間接的コミュニケーションをとり始める。30年も(小説世界においてもジャムとの戦争は30年間続いている)経ってやっと宣戦布告かよ!と思う向きもおられようが、異種間の、特に異星とのコミュニケーション(しかも人間と同じ血肉を持つかも怪しい)ならば、そう都合よくコミュニケーションが進むとも思えない。ある意味非常にリアルな設定、ともいえる。

特筆すべきは、本作が、30年の歳月を経て他の神林作品(たとえば「七胴落とし」や「言葉使い師」、「我語りて世界あり」などといった、思索的SFへと軸足を完全に移した点だろう。言葉によって多様に変容する世界、現実が瞬時に夢幻へと変化する世界にあって、自分と、他者を語ることは極めて難しい。それが人間と機械、機械と異星体、あるいは異星体と人間ならばなおのこと。作者は、かつてないスケールで前人未到のジャンルへと足を踏み入れている。(2011.11.27)

2011年11月26日 (土)

11/26 【聴】 This is How I Do / Makoto, Vithmic(VMLCD-10001)

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Drum'n'Bass系アーティストとしてLTJ Bukemが主宰するGoodlooking Recordsからアルバムをリリース。以降も多様なジャンルを横断しつつ時代の最先端を行くシミズマコトの2011年3月リリースのアルバム。JazzanovaのヴォーカリストPaul Randolphをフィーチャー新曲"Tower of Love", Harbie Hancockの名曲"Chameleon"のカヴァー、さらにはStevie Wonderの名曲"Overjoyed"のDJ Patife feat. Cleveland Watkiss(!!)によるリミックスのMakotoリミックスなど、全12曲。

ニューアルバムと銘打ってはいるものの、実際にはリミックス・ワーク、ヴァイナルでのリリース作を集成した、「お仕事集」の色合いが強い。ハイスピード・ドラムンベースのアレンジを施した"Overjoyed"、アップテンポでドライブ感溢れる"Tower of Love"、いわゆるテクノ・トラックとしての"Clockworks"などなど、ジャンルも、アレンジも様々で、アルバムとしての統一感はイマヒトツ。ただし、一曲一曲の破壊力―――完成度や爽快感――はすさまじい。主役級のトラックが次々とやってくる様は、むしろベストアルバムの風格すら感じられる。

バブルの時代、J-Popのアルバムといえば、連発するCDシングル(どれも大ヒットを飛ばしている)をひとつにまとめてアルバム化したものが多かった。シングルをただ単にまとめたものならば統一感とか全体のコンセプトはまちまちになるだろうに、なぜか単にまとめたものでもしっかりと統一感があった。してみると当時のアーティストが、いかに金太郎飴な作品ばかりをしたためていかが解ろうモノだ。もちろん本作は一曲一曲が最大瞬間風速、ジャンルばらばら、コンセプトばらばらも致し方ない。(2011.10.14)

2011年11月25日 (金)

11/25 【聴】 Last Train to Exitown / The Beatniks, TOEMI(TOCT-27097)

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鈴木慶一と高橋幸宏のユニット、The Beatniksが、2001年以来約10年ぶりとなるニューアルバムをリリースした。1981年リリースの"Exitentialism", 1986年の"Exitentialist A Go Go",1996年の"The Show Vol.4 Yohji Yamamoto Collection Music"そして2001年のM.R.I.に続く第5作目。全10曲。

何かに怒りを感じたときに自然に活動を始めるユニットが、Beatniksなのだそうだ。メインコンセプトは実存主義"Existentialism"をもじった"Exitentialism"。出口主義と訳されるこの仮想のイデオロギーには、細分化し、袋小路と化した状況を打破したいと言う思いがこめられているのだと言う。活動初期は二人とも神経症に悩んでいたそうで、出口とはそれぞれの魂の救済をさしていたように思う。街の奏でるリズムからドロップアウトした都市生活者が感じる、いたたまれなさ、やりきれなさに、やはり神経症気味だった亭主自身大いに共感していたことを思い出す。取り乱すことも、また悲壮に暮れることもなく、現実を見つめつつただ淡々と悲しみをかみ締める・・・そんな情景に亭主自身も救われていた。"Total Recall"、「ちょっとツラインダ」、そして「ある晴れた日に」・・・特に2ndアルバム"Exitentialist A GoGo"から受けた影響は計り知れない。

一方で、本作"Last Train to Exitown"。心境の変化か、それとも二人が老境へと差し掛かったからか、「出口主義」なるコンセプトがいくらか変質しているように感じられる。「出口主義」の主眼たる魂の救済的意味合いが薄れ、哲学的な歌詞とスノッブなトラックが並ぶさまは、二人が現実を離れ、一段高い場所から下界を眺めているかのようだ(確かにこのところは現実から程遠い事件ばかりが多い)。歌詞は聞こえ、理解もできるのだけれど・・・残念なことに心にしみこんでこない。おそらくあの悩める日々、亭主がラジカセの前で「ある晴れた日に」を聴いた日々は、遠い過去へと消え失せてしまったのだろう。

もちろん、作品としての完成度はいよいよ高まり、ビートニクス世代=ヒッピーイズムに始まるムーブメントが行き着く先としての枯淡な世界感はいよいよリアルさを増している(つまりそれが「老いる」ということなのだ)。このアルバムは、過去を振り返るな、この無常の現実を見よとのメッセージなのかもしれないが・・・それでも亭主自身、まだあきらめることが出来ずにいる。(2011.10.13)

2011年11月24日 (木)

11/24 【聴】 Dancing for the Cabana Code in the Land of Boo-Hoo / Coati Mundi, rongmusic|Think! Record|Disk Union(TR017)

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ドクター・バザーズ・オリジナル・サヴァンナ・バンドのオリジナル・メンバーの一人、コーティ・ムンディのソロ・アルバム。1stアルバムからなんと27年ぶりのアルバムリリースとのこと。ダンス音楽・南国音楽の濃い部分ばかりを混ぜて溶かして煮詰めて、砂糖をたっぷりまぶしたかのうような新感覚ディスコティーク・ミュージック。

アフロ・キューバン、カリプソ、ラテン、マンボ、ファンク、ディスコ・・・。様々な音楽要素を巧みに組み合わせ、南国の香りをそのままに無国籍なサウンドを作り上げることに成功している。全体的にバタ臭い感じもするが、オリジナル・サヴァンナ・バンド(オーガスト・ダーネル)の世界感が好きな人には程よい濃さ、懐かしさすら感じられることだろう。「チャンプルー」的なつくりは細野さんのトロピカル3部作(トロピカル・ダンディー、泰安洋行、はらいそ)にも通じるものがある。何よりもまず、ジャケットのコーティ・ムンディの肖像がどことなく細野さんに似ていないだろうか。

その濃さ・甘ったるさに慣れてしまえば、これぞラテンのエッセンス。ぐいぐいイケてしまうタイプの音楽。(2011.10.28) 

11/24 【聴】 WTC 9/11 / Kronos Quartet - Steve Reich, Nonesuch(7559-79645-7)

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現代音楽の巨匠・Steve Reichの最新アルバム。2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件をモチーフとして作られた"WTC 9/11"、2009年の作品"Mallet Quartet"、そしてThierry De Meyの映画に提供された2002年作品"Dance Patterns"の3曲が収録されている。"WTC 9/11"および"Mallet Quartet"はそれぞれ3部構成であることから、実質は全7曲となる。

"WTC 9/11"にはReichの作品にはおなじみの弦楽四重奏団Kronos Quartetが参加。断片的な人間の声は、事件当時の音素材だろうか?航空機の中に居るかのような騒音、「ワールドトレードセンター」「崩壊している!」「メイデイ!」・・・悲痛な声、無情に響く弦の調べ。当時を知る人ならばそこに絶望と悲しみを見出すことだろう。現代音楽というミニマルかつ無調の世界にあって、まるで禁じ手のように、ここには人間の情念が渦巻いている。

"Mallet Quartet"の演奏はSo Percussion。複数台のヴィブラフォン?による重層的なサウンド、Reichお得意のポリリズムが心地よい。"Dance Patterns"はヴィブラフォン2台、ザイロフォン2台、ピアノ2台の構成による。先の"Mallet Quartet"に比べるとさらにダンサブルに仕上がっている。現代音楽というよりもダンス音楽と言ったほうがしっくりくる。

ちなみに亭主、このアルバムをiPodに入れアメリカ〜ベネズエラに渡航したのだけれど、道中この音楽を聴くことができなかった。飛行機が落ちるかもしれない、という不安もだが、この曲を聴くことがとてつもなく不謹慎であるかのように感じられたのだ。帰国しても、聞く際には少なからず緊張する。(2011.10.28)

2011年11月22日 (火)

11/22 【聴】 God says I can't dance / Tipographica, Pony Canyon(PCCR-50030)

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ギター奏者の今堀恒雄をリーダーに、外山明(ドラム)、水谷浩章(ベース)、松本治(トロンボーン)、水上聡(キーボード)、そして菊地成孔(サックス)の6人からなるコンテンポラリー・ジャズ・ユニット、Tipoguraphicaの2009年アルバム。全7曲。

なんというか・・・複雑怪奇で奇妙奇天烈、偏執的かつ変態的なアルバム、とでもいおうか。随所にちりばめられた変拍子、不定形のシンコペーション、それでいてしっかりとセッションが成り立つと言う超絶技巧のテクニック。聴いていてまったくリズムが取れない変則ビートを、しっかり演奏しきってしまうのだからすさまじい。活字を変形・組み合わせてデザインとする「タイポグラフィ」と言うアートがあるが、それに近い感覚、といえばよいか。音素をデザインのように並べていくことで、一つ一つの音素の意味を超えた別の何かが浮き上がる。この体験は貴重だ。

とはいえ、そんなサウンドが素直にノれるといったタイプの音楽ではないのはたしか。脳みそがこねくり返される気分はするものの、心地よさとか、楽しさといった部分を感じられるかは人それぞれではないだろうか。玄人好みもはなはだしいので、まずは興味のある人・変わりモノが好きな人にオススメかと。亭主自身はとても好きなジャンルなのだけれど、それでも何度も聴きたいというサウンドではない。

2011年11月21日 (月)

11/20 第3回 I Love 古河マラソン in 谷中湖

茨城県古河市で開催された、「第3回 I Love 古河マラソン in 谷中湖」のハーフマラソン部門に参加してきましたヽ(´ω`)ノ

20111120koga01.jpg谷中湖は、渡良瀬川の遊水地として、茨城県、栃木県、群馬県そして埼玉県の県境にある貯水池。広さは4.5km2(東京ドームの約100倍)、貯水容量は2640万m3、外周は9.2km。

20111120koga03.jpg湖はハート型をしており、左上の北ブロック(禁猟区でウィンドサーフィンができる)、中央の谷中ブロック(浮島が点在)、そして右半分の南ブロック(釣りが出来る)の3ブロックから成り立っています。今回の大会は、湖中央の島をスタート/ゴールに、谷中ブロックと北ブロックを周回するコースで行われました。種目は、キッズ・親子ペアラン、5km、10km、そしてハーフの4種目。参加人数は全体で1200人。規模はかなり小さいものの、主催である古河青年会議所の皆さんによる、手作り感あふれる、温かみのある大会でした。

20111120koga04.jpg前日までは暴風と大雨に大荒れだったそうですが、朝にはほぼ雨が上がり、日差しほどほど、風はほとんどないという絶好のマラソン日和となりました。ベネズエラ出張でまったく練習らしい練習をしておらず、しかも今シーズンはじめての大会だった・・・という亭主、ベストコンディションとはいかないまでも、なんとか走りきることが出来ました。記録もまあシーズン最初としてはまずまず、といったところでしょうか。

それにしてもこの大会、

(1) 湖周回ということで高低差ほとんどなし、しかも視界をさえぎるものがないためペースが維持しにくい
(2) 市街地や住宅地を走らないため地元の皆さんの応援(や差し入れ)がない。釣りをしている人はいるものの、こちらはほぼガン無視
(3) 物販はスポーツ店、御家宝(お菓子)、コーヒーなど最小限、周囲に食事をする場所がない

などなど、他の大会とちょっと毛色が異なる部分の多い大会でした。特に印象的だったのは(1)。高々10kmの距離が、湖の広さに圧倒されてなんだか数10km、数100kmに感じられ、ついついペースを上げてしまいました。高速コースは最初に飛ばしてしまうと後でバテてしまうんですよねぇ・・・いやはや大変な難コースでした。

20111120koga02.jpgただ・・・参加された皆さんは、さすがによく練習されていて、どなたも早かったです(^^;)難コースなのは練習不足の自分だけだったかもしれませんね。

ともかく古河マラソン。大変ながらも非常に楽しく走ることができました。
主催の皆さん、ほんとうにありがとうございました。
次回もぜひ、参加したいと思います。

2011年11月19日 (土)

11/19 【聴】 Calendula / naomi & goro & 菊地成孔, Ewe|333|Commmons(RZCM-46790)

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ヴォーカル・ギタリストの布施尚美と、おなじくギター・ヴォーカルを担当する伊藤ゴローによるボサノヴァ・ユニット、naomi & goroが、DJでサックス奏者でもある菊地成孔とのコラボレーションで作り上げたアルバム。布施の美しいヴォーカルと菊池のサックスをメインに、穏やかで優しいボサノヴァを聞かせる。なお伊藤ゴローはMoose Hill名義での活動でも知られている。

全11曲、うち9曲がカヴァー曲で構成されている。A.C.Jobim, Hall & Oates、あるいはBrigitte Fontaineなどの有名アーティストの、"One on One"(Hall & Oates)や「イパネマの娘」(A.C.Jobim)などの有名曲を収録。オーソドックスなアレンジと、磐石のヴォーカルが絶対的な安定感を与えてくれる。どこを聴いても文句のつけようがない、癒しのサウンド。菊地によるベルベットの花びらのようなサックスも美しい。オリジナル曲は、一曲を伊藤が、もう一曲を菊地が担当していて、こちらもまたカヴァーに劣らず素敵な仕上がりとなっている。(2011.10.14) 

2011年11月17日 (木)

11/17 【聴】 Biophilia / Bjork, Polydor|Universal(UICP-9043)

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元シュガー・キューブのヴォーカルだったとは昔の話。アイスランド出身のヴォーカリストとしていまや世界的知名度を誇るBjorkの最新アルバム。海外盤、海外限定盤、国内盤、国内限定盤など多数のヴァージョンが発売されている。ちなみに亭主は14曲入りの国内限定盤を購入。海外盤は10曲入り、その他ヴァージョンによって収録曲数が微妙に異なるらしい。

全然関係ないが、亭主の会社のKさん(女性)がBjorkにちょっと似ている。

近年はエレクトロニカ系アーティストとのコラボ作を多くリリースする彼女。デビュー当時のポップな作風から遠いということもあってか、亭主の周囲ではあまり受けがよろしくない。絞りだすように紡がれる歌声、明確なビートやメロディが存在しないトラックは、ポップスやロックなどのマス・ミュージックと完全に対極のサウンド。宇宙や生命をモチーフにした本作もまたこれまでの作風を継承している。その独特な雰囲気は、まるでBjorkの作品それ自体がひとつの独立した音楽ジャンルであるかのよう。楽しめる人には素朴に楽しめる一方で、さっぱり理解できない人がいるのもまた当然の成り行きなのだろう。亭主自身、何回かこのアルバムを聞き込むうちにようやく素朴に楽しむ術がみえてきたところだったりする。アヴァンギャルドでパンクな歌詞を持つ、民族音楽。(2011.10.08)

2011年11月16日 (水)

11/05-14 ベネズエラ出張

11/05から14までの10日間、ベネズエラに出張に行ってましたヽ(´ω`)ノ

11/05 成田出発−シカゴ経由でマイアミへ(一泊)
11/06 ベネズエラの首都カラカスへ(二泊)
11/08 ベネズエラの西部にある都市マラカイボへ(二泊)
11/10 カラカスヘ(二泊)
11/12 マイアミ経由でロサンジェルスへ(一泊)
11/13 ロサンジェルス出発−11/14に成田着

カラカスは、カリブ海沿岸から内陸に、ハイウェイで45分ほど走った高地の都市。
盆地に林立する高層建築と、山肌にへばりつく小さな家々が印象的な街でした。

20111105venezuela01.jpgちなみに山肌の家家は全て貧民街。隣国からの不法入国者が山肌に勝手に家を建てた結果、このような景色になってしまったのだとか。

日本人からみて南米の国と言いますと、ベネズエラやアルゼンチンなどを含め全体的に貧しい国のイメージがあるかと思います。ですが、ベネズエラに関して言えば(貧富の差は激しいものの)都市部では人々が皆スマートフォンを使い、デパートにはWiiやXBox、PS3が並び、街道筋の大衆食堂ですらテレビは薄型液晶テレビを使っているという風に、日本と変わらない(いや日本以上の)生活を送っているのでありました。

20111105venezuela02.jpg亭主自身、出張中にホテル(写真)のロビーでフリーのWi-Fiが使えたため、亭主も携帯電話経由でTwitterに投稿したり、自宅に届いたメールを読んだりしていました。

そもそもベネズエラはチャベス大統領が反米政策を推し進めており、アメリカとはケンカ状態、輸入も大きく制限されています。ところが、市外を見ますとペプシやコカコーラの看板、マクドナルドやバーガーキング、ウェンディーズ(!!)の店が並び、人々はTVでCNNのニュースで情報を収集し、マイアミに買出しに出かけ、DellやHPのPCを使い、スマートフォン(Blackberry)でTwitterにつぶやいているんですね。つくづくITが世界をフラットにしたのだなぁと、強く実感したりして。

もっとも、治安は極めて悪く、日本人が外を歩こうものなら即襲われるため、自由に街の中をあるくことは出来ません。拳銃がレンタルできるため、子供が拳銃をつきつけてくることもあるのだとか。そのため、出張中は、常に現地関係者の方に付き添ってもらうか、ショッピングセンターなど警備員が巡回している場所を歩いていました。

一方で食べるものはどれもこれも皆おいしく(連れて行ってくれる人が厳選してくれているのかもしれません)、中華料理、韓国料理、スペイン料理、もちろんベネズエラ名物の肉料理や主食である米・トウモロコシの粉を練って作ったパンまで、食生活に関しては非常に充実していた旅行でした。写真は今回の旅行で一番飲んだベネズエラの地ビール。すっきりしたノド越しですが、日本のビールよりも味があって、ウマイ。

20111105venezuela03.jpg一番マズかった食べ物は、マイアミ空港内で食べた味も素っ気もないサンドイッチでした(^^;)

往復の交通が非常に面倒、現地の方との交流もイマヒトツではありましたが、ぜひ機会があれば次回も行ってみたいですね。

2011年11月 1日 (火)

11/01 【読】 恥知らずのパープルヘイズ(上遠野浩平、集英社)

「恥知らずのパープルヘイズ(上遠野浩平、集英社)」

ジョジョの奇妙な冒険・第5部。近未来のイタリアを舞台に、主人公ジョルノ・ジョバアーナと仲間たちの活躍を描いた「黄金の風」篇の後日談を、ミステリ・SF作家の上遠野浩平がオリジナル・ストーリとして書き下ろしたもの。

第5部終幕から半年後。イタリアのギャング団・パッショーネの裏切者・パンナコッタ・フーゴは、ミラノのサッカー競技場に呼び出される。裏切者としての烙印を押され、絶望のふちをさまよっていたフーゴの前に現れたのは、かつて仲間だった拳銃使いのグイード・ミスタ。かつてのパッショーネのボス・ディアボロを斃し、新たにボスとなったジョルノの代理人として現れたミスタがフーゴに与えた指令、それはパッショーネの負の遺産ともいうべき「麻薬チーム」の暗殺だった。戦いか、死か―――かくて鉄砲玉として仕立て上げられられたフーゴは、新たな仲間とともに「麻薬チーム」との戦いへと身を投じることとなる。

本作では、原作コミックにおいてストーリから途中離脱したきり一度も描かれなかったフーゴのその後が語られる。懐かしいキャラクタの再登場、ふんだんに現れる原作の回想シーン、あるいはジョジョの醍醐味ともいえる能力者(スタンド使い)同士のバトル、そして原作では語られなかったエピソードの補間などなど、原作を知るファンならば問答無用に楽しめる仕掛けが随所に施されている。もちろん原作を知らない人が読んでも理解できるよう、本編のエピソードを適宜織り込んでいるほか、スタンドなどジョジョに特有のガジェットについても詳しく説明しているので心配ない。作者の上遠野氏自身もジョジョの熱烈なファンとのこと、いわゆるノベライズとは次元を異にする濃密世界が堪能できる。

ボスとなったジョルノの動向、トリッシュ・ウナやポルナレフ(!)のその後などなど、いろいろと書きたいことはあるのだけれど、詳しくは小説にて。原作では充分に閉じられていなかったストーリの環が見事に閉じ、また物事がしかるべき場所へと収まっていくさまは、ファンにとっては念願の内容といえる。(2011.11.01)

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