« 2011年5月 | トップページ | 2011年7月 »

2011年6月

2011年6月30日 (木)

06/30 【軟】 Up / System 7, A-Wave | Wakyo(WKYCD031)

IMAGE
元Gong。Steve Hillageと奥様のMiquette Giraudyの二人によるユニットで、Derrick Mayとのコラボレーションでも知られるSystem 7の最新アルバム。テクノあるいはハウスを前面にフィーチャーした、前向きで真摯なダンストラックを聞かせてくれる。全10曲。

1991年のSystem 7結成、あるいはさらに遡り、Gongとしてデビューした1967年という時代を考えると、彼らのキャリアは相当なものになる。多くのアーティストは、年齢を重ねるうちにその作風が抽象的に、また枯淡になり、最終的にはアーティスト自身の原体験へと回帰する傾向にあるのだけれど、System 7に限ってはなぜか常にテクノ/ハウスの王道・メインストリームにあって全くぶれることがない。Derrick May、Talvin Singh、あるいはAlex Patersonら若い(しかしシーンにおいては大御所の位置にある)アーティストとのコラボレーションを重ねても、その作風は枯れるばかりか、ますます瑞々しく、光を放つ。本作"Up"もまたそんなSystem 7の輝きの一端を感じさせるアルバムに仕上がっている。

まずもってM1、"Positive Noise."から素晴らしい。アンビエンティックなイントロから始まるハウス・トラック、どこまでも前向きなグルーヴは、昨今のストイシズムとは完全に方向を異にする。M2の"Funky Gong" (!!)のアヴァンギャルドなファンク、M3 "Berimbau"のラテンなテクノなど、そのどれもがユーモアと躍動感にあふれている。全盛期のケンイシイ、Jelly Tonesあたりのサウンドがまさにこんな感じだっただろうか。"Up"というタイトルがまさにしっくりくる。

Steve Hillageは1951年生まれ、現在は59歳だという。還暦を控え、さらなる高み"Up"へと進もうとする心意気が感じられるアルバム。元気でます。オススメ。 (2011.06.11)

2011年6月26日 (日)

06/26 第28回 富里スイカロードレース出場

千葉県は富里市で開催された「第28回 富里スイカロードレース」に参加してまいりました。
種目は一般は5kmと10km、小中学生の3kmの3種類(ただし年齢・性別により細分化されます)。富里中学校前をスタートに、農業地帯をぐるりと一周する周回コース。途中、給水所ならぬ「給スイカ所」があり、富里名産のみずみずしいスイカを食べることができます。また、ゴール後は会場内の「スイカサービスコーナー」でもスイカが供されます。こちらは出走者以外、ご家族や関係者の方にも振舞われます。

もちろん、給スイカ所のスイカも、スイカサービスコーナーのスイカも、無料。食べ放題。

首都圏から近く、大人から子供まで誰もが楽しめる大会となっているからか、出走者は年を追うごとに増加。今年は13000人がエントリしています。エントリ開始日の一次受付にて10000人がほぼ数時間で満員、その後二次受付にて3000人が抽選と、人気の高さは相変わらず。この日は時折霧雨が降るあいにくの天気でしたが、会場は多くの人でにぎわっておりました。

--

さて、2009年より連続3回目の参加の亭主。今年は義兄・妻と三人でスイカのかぶりものを付け、おそろいのシャツを着て出走しております。マラソンが好き―――だけれども長距離の苦手な義兄を妻がサポートしつつ、ときおり亭主が突っ込みを入れつつ、協力して5kmを走りました。三人のスイカのかぶりものに、沿道からは声援のほか、「おいしそう」「良く出来ている」などお褒めの言葉もたくさん頂戴しています。

これまで一人ないし二人で走っていた頃と違い、三人で走ると、良い具合にコミュニケーションが分散されるようです。互いに声をかける相手を変えつつ走る、というのは、声をかけられる側にとっては圧迫感が少なく、気が楽のようです。ときに一人で、ときに誰かとコミュニケーションをとりながら走ることで、より楽しく走ることができました。長距離の苦手な義兄も、ずいぶんタイムが更新されたようです。

三人そろってゴールの後は、スイカサービスコーナーでスイカをたくさん食べたほか、串焼きなどを食べています。先にも述べた立地の良さから、テキヤさんの出店、地元名産・特産品の出店、さらにはスポーツ用品の出店など様々なお店が並んでいて、三人であちこちの店を覗きこんではお祭りの雰囲気を楽しむことができました。お土産は、地元で採れたスイカを3個、メロンを2個、それにトウモロコシを何本か。

--

沿道の皆さん、給水・給スイカ所の皆さん、そして警備や救護などの皆さんの声援に、楽しく走ることができました。ありがとうございました。

また来年、富里スイカロードレースでお会いしましょう。

2011年6月25日 (土)

06/24 【聴】 Alien Symphony / AtomTM & Masaki Sakamoto, Sublime(IDCS-1032)

IMAGE
このサイトではすっかりおなじみのAtom TM(Atom Heartの別名義)と、神経内科医でピアニストの坂本昌己のコラボレーションによって生まれたエレクトロニカのアルバム。チリ在住のAtomと、日本の坂本、二人の間で音楽データが3年もの間やりとりされたのだという。ノンストップで展開する怒涛の41曲。ゲスト・アーティストとして、コシミハル、クリス・モスデルらが参加している。2010年5月リリース。

Atom TM・・・というよりも、セニョール・ココナツとしてのクレジットのほうがしっくりくるだろうか。陽性でポップなエレクトロニカ。テンポ良く繰り出されるサウンドは、素直に聴いて心地よく、楽しい。全体は9曲に大きく分けられ、そのそれぞれがさらに細かく分けられている。同じモチーフを用いつつ、微妙にアレンジを変えることによって曲がどんどんと展開していく様は、まるで映画のストーリを追うかのようだ。コシミハルの透明でかわいらしいヴォーカル、クリス・モスデルによるアインシュタイン方程式の歌詞(!!)、映画「未知との遭遇」で異星人との交流に繰り返し使われた5つの音などなど、随所に工夫が凝らされている。聞くほどに新たな発見がある。

正直このテのアルバムは、話題ばかりが先行していざリリースされてみるとたいしたことのない作品に仕上がりがちだ。参加アーティストの個性がことごとく平均化され、凡庸なアルバムとなってしまう例を、これまで何度も見てきた。ところが、本作におけるAtom TMと坂本昌己のコラボレーションは、それぞれの個性が何倍にも増幅され、より魅力のあるものへと変化している。

アルバムリリース自体は地味だったけれど、個人的には最近イチオシのアルバム。(2011.06.11)

2011年6月23日 (木)

06/23 【聴】 Skream! / Skream, Tampa(TAMPACD008)

IMAGE
ダブステップ界隈では圧倒的な知名度を誇るOliver Dene Jonesのプロジェクト、Skreamの1stアルバム。レゲエ/ドラムンベース/ガラージあたりのドープなサウンドが存分に楽しめる全14曲。

いきなりオペラ/オーケストラをフィーチャーした仰々しいトラック"Tourtured Soul"から始まる本作。ただし全体としては奇をてらった、という感じはなく、むしろ堅実だ。かつてのジャングルを髣髴とさせる「変則レゲエ・サウンド」、過激なアレンジと攻撃的なラップももう一味欲しい、というのが正直なところか。悪くはない。むしろ完成度が高すぎてかえって地味に感じてしまうのだ。

さらなる完成度、ドープな世界感を望む向きには、2ndアルバムがオススメかと。(2011.06.11)

2011年6月21日 (火)

06/21 【聴】 Diary of an Afro Warrior / Benga, Tampa(TAMPACD010)

IMAGE
サウス・ロンドン出身のダブステップ系アーティスト/プロデューサ、Bengaが2008年にリリースしたオリジナル・フルアルバムの2作目。ダブステップに固執しない、奔放かつトリッキーなテクノのアルバム。全14曲。

ダブステップ系レーベルであるTampaからのリリースであること、ミニマルかつシックなデザインのジャケット、そしてタイトルのストイックさから、相当ハードなダブステップかと思ったのだが・・・違った。スピーカから流れてきたのは、UKガラージとファンクの要素を巧みに組み入れたデトロイト・テクノ。事前の知識なくこのアルバムを聴いたならば、まず間違いなく「デトロイト・フォロワーの作品」と思うだろう。変則的なリズム、奇妙な音色、そして小気味良いファンクのビートなどなど、随所に工夫がなされている。

付け加えるならば、初期のケンイシイの作品群とよく似ている。スネアやバスドラ、ハイハットなどといった従来の音色にとらわれない奔放さに、ケンイシイの才能と、テクノの可能性を感じたものだ。奔放さという点では、Bengaの本作も負けてはいない。常に聴き手の予想を超え続けるクオリティは見事。ダブステップというジャンルに押し込めておくのはもったいないサウンドかと。(2011.06.11)

2011年6月18日 (土)

06/18 【聴】 Orange / Atom Heart, World(AW-067)

IMAGE
現在はチリのサンチアゴ在住。Rather Interestingレーベルの主宰として、またセニョール・ココナッツとしての活動も有名なAtom Heartの初期作品集。全5トラック。Atomといえばこの「どむや」ではかなり頻繁に登場する、おなじみのアーティストであります。

1994年の作品・・・というから、考えてみればそれほど古い作品というわけでもないのかもしれない。細野晴臣、テツ・イノウエとユニット"HAT"を結成したのが1996年、Wikipedia英語版によれば、Lassigue Bendthaus名義のアルバム"the Engineers Love"が1988年。むしろ作風としてはかなり安定期に入っていたものと考えられる。いわゆるアンビエント、IDM(Intelligent Dance Music)といった既存のジャンルが、エレクトロニカという新たなジャンルへと移行する過程、ポップであったり、チルアウトであったり、様々な音楽要素が電子楽器という溶媒を通して融合していく過程が伺える。のちにRather Interestingレーベルとして結実する無機的な電子音響、またセニョール・ココナッツの作品群として結実するユーモア、そのどちらもが微妙に含まれているあたり興味深い。

ある意味非常に分かりやすい、エレクトロニカらしいエレクトロニカなので、これから電子音楽を聴いてみよう、という人にもとっつきやすい。ちなみにトラックは5つだが、M5 "Cobal <2>"は複数の曲から構成されている。トラック数からは予想も付かないほどのボリュームと、楽しさを保証する。(2011.06.11)

06/18 【聴】 Fever / 2562, When in Doubt(doubt001cd)

IMAGE
ブリストルのダブステップ・レーベルTectonicから"Aerial", "Unbalance"の2枚のアルバムをリリース。オランダを代表するダブステップ系アーティスト・2562ことDave Huismansの最新作が、自らのレーベル"When in Doubt"からリリースされた。全11曲。

忘れないうちに言うと、なんといってもこのジャケットデザインがいい。ステレオ・セットをいじる子供(まだハイハイ状態)と、その前に並べられたCD/アナログの数々。前途洋洋たる彼の姿が目に浮かぶ。

ここ何ヶ月か、ダブステップにかかわる主要なアーティストの作品を集中的に聴いている。デトロイトあり、ハウスあり、ヒップホップやブレイクビーツ等等さまざまなジャンルと交錯する内容は、「ひたすら暗い音楽」というダブステップの当初のイメージを打ち砕きつつある。ポスト・ダブステップとしてのジャンルの拡大と再構成。ただし「これは」と思う作品は、実は少ない。

ドングリの背比べとも言うべきポスト・ダブステップの世界、ただし2562に関してはその限りではない。ブレイクビーツ、テックハウスなど他ジャンルからインスパイアされた部分はあれ、確実に「ダンス・ミュージック」としてのツボを抑えて聴き手の興味をしっかりと惹いている。ブレイクビーツ・テイストのファンファーレとも言うべきM01"Winamp Melodrama"に始まり、独特の撥ねるリズムとパーカッションが特徴的なM02"Cheater"、疾走感あふれるミニマル・サウンドのM04 "Aquatic Family Affair"、ディープで攻撃的なベース・ミュージックのM07 "This is Hardcore"など―――。作品そのものは決して「ダンス・ミュージック」ではないものの、思わず聞き入り、ノってしまいたくなる絶妙のビートにあふれている。

ダブステップも数あれど、個人的に一押しの一枚。(2011.06.11)

2011年6月17日 (金)

06/17 【聴】 YMO / Yellow Magic Orchestra, Sony GT(MHCL-20123)

IMAGE
もはや説明不要、1978年のデビュー以来(いくらかのブランクはあったものの)常に人々を魅了し、音楽シーンへと影響を与え続けるYellow Magic Orchestraの最新ベストアルバム。今回のコンセプトは「海外の若い世代に向けたYMOの紹介」とのこと。メンバー3人による選曲、CDのフォーマットで最良の音質を得る"Blue Spec CD"でのリリース。

トラックリストは以下。

  1. Firecracker / Yellow Magic Orchestra (US)
  2. Cosmic Surfin' / Yellow Magic Orchestra (US)
  3. La Femme Chinoise (Yellow Magic Orchestra (US)
  4. Tong Poo / Faker Holic (London Paris Side)
  5. Day Tripper / Faker Holic (New York Side)
  6. Behind the Mask / Solid State Survivor
  7. Rydeen / Solid State Survivor
  8. Tighten Up / X-Multiplies
  9. U.T. / BGM
  10. 1000 Knives / BGM
  11. Mass / BGM
  12. Camouflage / BGM
  13. Light in Darkness / Technodelic
  14. Epilogue / Technodelic
  15. Key / Complete Service
  16. Nanga Def? / Technodon
  17. Tokyo Town Pages / EP The City of Light - Tokyo Town Pages
テクノデリック、浮気なぼくら、Technodonからのトラック、日本語詞の曲が極端に少ない点は、海外に向けて発信する意図によるものだろう。むしろ気になったのは、La Femme Chinoiseのイントロと終わり部分、またFaker Holicのライブ音源がなんら前ふりなく唐突に始まる点。いかなベストとはいえ一枚の作品、自然につながって欲しいところだ。完成された作品なのだからとあえて手を入れなかったのだろうが、やはり気になる。解説のブックレットがシンプルなのはすでにエピソードは語りつくされていて、調べればWikipediaなり、どこなりで手に入るからなのだろうが・・・これまた気になる。

ところで本作、Blu-spec CDなるフォーマットの高音質CDなのだという。Blu-ray Disc用に開発された高分子カーボネートのCD本体がジッタを低減するとともに、同じくBlu-spec Disc用のカッティング技術を用いることで、マスターテープの音質をそのまま再現することに成功しているのだそうだ。確かに聴いてみると音質の向上は著しく、たとえばM1 Firecrackerの炸裂音、「パーン」とはじける音の透明感、広がりは最新ベストUCの音質すら凌駕する。ふと思い立ち最初期のCDを聴いてみると、これがまたボーボー、ぼやぼやとした音。聴いているうちに脳の中にまで霧がかかってくるようだ。

本アルバムを買った亭主、最初は「YMO商法」と徹底的にこき下ろすつもりだったのだけれど、音質の良さに圧倒されて、批判する気がうせた。今ベストを買うならばまちがいなくこれを買いべきであるし、これまでのベストを持っていたとしてもその音質のよさを確認すべきだ。U.T.で3人が何をしゃべっているか、はっきりと聞き取れるのもまた収穫というものだ。(2011.06.17)

06/17 【聴】 One Offs Remixes and B-Sides / Domu, Tru-Thoughts(TRUCD0196)

IMAGE
ジャズ・ハウス・クロスオーバーのプロデューサとして知られるDomu(Dominic Stanton、2009年に音楽活動を停止中)のレアトラック・リミックストラックを集めたベストアルバム。ちなみにアルバム名である"One Offs Remixes and B-Sides"はTru-Thoughtsの定番シリーズのひとつで、Bonobo, Quanticなどもこのシリーズに名を連ねている。

CD1はこれまでのアルバムからのセレクション。Collecting Dust 、Massage to Omarほか14曲。CD1は他のアーティストに提供したリミックスを集めたもので、The Rebirth, Spanky Wilson and the Quantic Soul Orchestra, Bukora, A.C.Lewis, Daedelus, Jazzanova, The Cinematic Orchestraなどのトラックのリミックス13曲が収録されている。磐石というか円熟というか、どこから聴いても破綻のない、安定したトラックメイキングが彼の魅力だ。ヒップホップ、ラウンジ、ダブ、サンプリングなど気持ちの良いリズムをベースとしたグッド・ミュージック。ネタに走らず、奇をてらわず、ひたすら品行方正、端正で丁寧なつくりに好感が持てる。これで31歳というのだから・・・活動停止が本当に悔やまれる。

10年の活動期間にリリースされたアルバムは3枚。シングルは25枚。彼のソウルを感じつつ、じっくりと聴きたい。(2011.06.06)

2011年6月16日 (木)

06/16 【読】 常陸国天狗譚(岡村青、筑波書林)

「常陸国天狗譚(岡村青、筑波書林)」

真壁町生まれ、現在は石岡市(旧八郷町)在住。詩人としても活動する岡村青(おかむらあお)氏が、県内の神社・古文献・あるいは地域の古老などから天狗にまつわる伝説・伝承を収集したもの。1980年、筑波書林の「ふるさと文庫」から出版された。本書は現在でも水戸市の川俣書店など、地元の本コーナーで入手したもの。

本書における天狗とは、役の小角に端を発し、深山幽谷に隠れ住んで日々鍛錬を積む修験者たちを指す。かつて役の行者がそうだったように、人里と断絶し、ときに空を飛んでは千里を行く天狗がいるかと思えば、剛力やまじないを良くして里の人々と交流する天狗、あるいは人々を襲い、作物を奪う荒くれ者の天狗すらもいたという。常陸国内には筑波山、岩間山、加波山、金砂山、真弓山などに天狗たちの修行の場があって、ときには天狗同士激しく対立し、ときには交流を深めながら修行に励んでいたのだそうだ。いわゆる「カラス天狗」は、天狗のなかでも下っ端の階級、名前さえ与えられず、大天狗にひたすら使役される立場にあったのだという。「超人」として、また「人間」として時代を生きた天狗たちの様子が生き生きと記されている。

個人的に心に残ったのは、茨城町下土師にあったという慈雲寺に住み着いた、「たいにん和尚」のエピソード。村人と交流を深め、ときには村の子供をつれて一瞬のうちに遠くの祭り見物へといったという。神仙の力と、きさくな人柄とが絶妙に調和する和尚に不思議なリアリティが感じられた。氏の地元である筑波山、加波山の豊かな自然の描写、奥久慈の四季の風情など読みどころも多い。天狗に、また地元に興味のある方はぜひ一読を。(2011.06.16)

2011年6月14日 (火)

06/14 【聴】 One and Ten Very Sad Songs / Pizzicato One, Readymade|Universal(UCCU-1320)

IMAGE
Pizzicato Vとして、またプロデューサ、リミキサーとしてのキャリアすさまじく、「大御所」と呼ぶにふさわしい小西康陽のソロ・プロジェクト、"Pizzicato One"の初となるオリジナル・フル・アルバム。マルコス・ヴァーリ、ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ、エリック・マシューズら大物アーティストを贅沢に起用した良作。全12曲。

往年の名曲を集成したカヴァー・アルバム。ハリー・ニールソンの"ONE", ジョン・レノンの"Imagine", バート・ラッセルの"A Little Bit of Soap"など、そうそうたる楽曲がクレジットされている。それぞれに個性的なヴォーカルがアサインされ、全体としてシックで、メロウな世界感。温かみのあるウッドベース、ドラムのブラシ、シンセを廃した生楽器にこだわったあたりがすばらしい。彼のメイン・プロジェクトであるPizzicato Vとは趣を異にする世界が存分に楽しめる。

豪華なゲスト・アーティスト、狙いすぎの選曲、アコースティックを意識したチルアウトなアレンジ。玄人受けのするアルバムである一方、アーティストや曲に明るくない向きには「ネタに走らない、おとなしすぎる」アルバムかもしれない。(2011.06.06)

2011年6月13日 (月)

06/13 【聴】 Operation Ragnarok Remix / Sampling Masters, SuperSweep(SRIN-1082)

IMAGE
NEO GEO向けシューティングゲーム「作戦名 ラグナロク」のゲームサウンド(作曲・並木学)のリミックス・アルバム。細江慎治と佐宗綾子のユニット・Sampling Mastersが、ハイテンションなハードコア・テクノをさらに超ハイテンションなサウンドへとアレンジしている。ちなみに亭主は作戦名ラグナロクをプレイしたことがなく、並木氏のサウンドについてもよく知らなかったりする。

YOUTUBEなどにアップロードされていたゲームのプレイ画像などを見るに、原曲はF/A(namco)のサウンドに近い。いわゆるレイヴ・ミュージック、テクノの中でも特に血圧の高い部類の音に入るだろうか。ロッテルダム、ハッピーハードコア・・・かつて流行りまくったバブリーなテクノを敢えて「いま」「同じ芸風」のSampling Mastersがアレンジする必要はないように思われる。まるでドデカミンにペプシを注ぐかのようなアレンジ―――

ただしこれが結構イケてしまうあたりがSampling Mastersらしいといえば、らしい。ロッテルダムにありがちな「頭の悪い」アレンジを控えめに、スタイリッシュかつハイスピードに仕上げている。リッジ・レーサーなど往年のメガテンファンにとってはおなじみのアレンジ。リッジファンには文句なくオススメの一枚。(2011.06.06)

2011年6月12日 (日)

06/11 エムシーカフェ 丸の内オアゾ店(早矢仕オムライス)

東京駅北口、丸の内オアゾの丸善4Fにあるカフェ。
名物の早矢仕(ハヤシ)ライスは、丸善の創業者早矢仕氏が考案したのだそうで。今回は妻のオススメ、早矢仕オムライスを注文した。窓際の席は東京駅を一望する好立地で、電車の行きかうさまを眺めながらの食事が楽しめる。

20110611maruzenomu.jpgオムライスは、白米(チキンライスではない)をふわふわの卵で包んでいる。スプーンですくうと卵がとろりとほぐれる。ハヤシソースはドミグラスソースをベースに、ひたすら上品に仕上げている。ドミグラスソースにありがちなツンツンした感じは一切なく、ソースの甘みと、少し焦がしたようなほろ苦さのみが口の中に広がる。女性には特に好かれそうな味。これはうまい。

一方で、あまりにも箸が・・・スプーンが進むので、見た目よりもずっと少なく感じた。メニューにはハンバーグハヤシなどもあるので、おなかがすいている人はそちらも良いかも。

買った本を読みつつ、小じゃれた雰囲気が楽しめる店。


06/11 【聴】Trigon Vanguard II

6/11に東京に行った際、Dynamic Audio 5555の1FにてTrigonのフォノイコライザ Vanguard IIを購入。
中古美品・持ち帰り・ダイナ会員価格で\34095(税抜き)でした。色は黒。

前オーナさんは、2011年1月にサウンドクリエイトで購入しておりほとんど新品同様でした。

以前から亭主、Audio TechnicaのAT-PEQ3を使っておりましたが、MM/VM専用であること、音質に不満があったことから、Vanguard IIに買い換えた次第。ちなみに候補としてはPro-JectのPhono Boxシリーズがありましたが、お店の人によればPro-Jectはやはり値段なりのサウンド、やはりVanguardのほうがいいよ、とのこと。

現在のアナログシステムは以下のとおりです。

Pro-Ject Perspective
Shure SC35C(MM)

Vanguard IIについて。
MM/MCの設定は、背面のディップスイッチで行います。ゲイン、負荷インピーダンスをそれぞれかなりきめ細かく設定することが可能ですが、それだけに細心の注意を必要とします。
どきどきしながらスイッチを設定、坂本龍一の「音楽図鑑」で試聴。

ゲインそのものがAT-PEQ3と違うのは仕方ないこととして、全音域に対して透明度が高まった、ということは一聴してすぐに分かりました。たとえばM1「チベタン・ダンス」のハンドクラップ(拍手音)、これまで音にかかっていた「霧」「もや」が取り払われ、より鮮明な、ハイファイな音に近づいた感じ。音量を上げてもちっとも聞き苦しくありません。低域の豊かさもまた特筆すべき項目。音の重心がぐっと下がり、アナログのメリットである重厚なサウンドがさらに楽しめるようになりました。

―――AT-PEQ3と比べてですが(^^;)

残念ながら亭主自身は、自室のシステムでこれら2種以外のフォノイコを聴いたことがなく(PMA-2000II内蔵のフォノイコを使っていたこともありましたが昔の話)、出音に対して絶対的な評価は出来ません。ですが、自室のシステムでアナログを聴いて、すっきり晴れやかな音に感じたことは今回が初めて、改めてアナログの奥の深さ、ポテンシャルを感じた次第です。

次はぜひ、ヴィンテージなフォノイコと比較してみたいですね。あとはMCカートリッジでしょうか。

楽しみはまだまだ続きます。

2011年6月 5日 (日)

06/05 【聴】 World of Fantasy / Capsule, Yamaha(YCCC-10020)

IMAGE
もはやカリスマと化した感のある音楽プロデューサ/クリエータの中田ヤスタカと、本ユニット専属のヴォーカリスト・コシジマトシコの二人からなるテクノ・ポップユニット、Capsuleの最新アルバム。当初は"Killer Wave"というタイトルでリリースの予定だったが、震災を考慮して発売日を延期、タイトルを変えてのリリースとなった。シンセ音を全面に押し出したキレまくりのハードコア・テクノポップは前作と同じく。全10曲。

Perfumeのプロデュースが特に有名な中田サン。本作でも尖りまくったサウンドを志向している。まるで全盛時のHardfloorを思わせるシンセの音色、攻撃的な英語詞、そしてあざといほどにハードコアなアレンジなどなど、どれをとっても日本の音楽(特にJ-Pop)では主流たりえない、大胆な内容。唯一のポップ要素はコシジマさんヴォーカルだろうか。可愛らしいヴォイスと機械的なサウンドとの組み合わせが、独自の世界観を作り上げている。Perfumeあたりを好んで聴く人ならばすんなりと入れるかもしれない。もっとも、かつてのCapsuleが指向した、オシャレ系・カワイイ系サウンドを期待している人は居るまい。

元タイトルである"Killer Wave"が示すとおりの攻撃的なアルバム。強炭酸の刺激がお好みな方に。(2011.05.27 Amazon.co.jpから)

2011年6月 4日 (土)

06/04 日々雑感

お疲れ様です。
亭主でございます。

世の中には、ラジカルな思考をお持ちの方がおられます。
今日も会社でIさんという方とお話をしたのですが、もともと雑談が大好きな上に、ご自身の考えをしっかり持っておられて、しかも考え方が達観を超えてかなり過激だった・・・ということで終始「(^^;)」な亭主でありました。

いわく、

「里山プロジェクトは、発起人が単に自分の子供の頃の風景が好きなだけ」
「本当にエコを考えたら江戸時代の状態にまで戻らなきゃいけない」

いや私が言ったんじゃないですよ。

個人的には里山プロジェクトは、良い案だと思っています。実のなる木を植え、動物たちが飢えない環境を作ること、動物のエリアと人間のエリアとの間に緩衝地帯を作る意義は大いにあると思います。
よしんば発起人という方が、自らの子供時代を懐かしんでこのプロジェクトをはじめたとしても、それはそれでよいことだと思うのですね。
むしろ江戸時代に戻せ、という理由に乏しく、ならば平安時代、縄文時代、ジュラ紀でも良いはずなのに、なぜ江戸時代なの?と逆に問いたいわけで。江戸時代がエコな時代、と認識することそのものが、特定の時代に対して特別な思い入れを持っていることの証左なのではないかと。

--

ぜんぜん関係ありませんが、震災以降、多摩川に熱帯魚が捨てられ、川という生態系が大きく乱れているようです。ブラックバスやブルーギルなどと同様、外来種の熱帯魚が日本固有の種を脅かす日は近いとのこと。

じゃあ山にパンダとか捨てたら、増えるんですかね。
山に行ったらパンダが手と足を使って笹とか食べてるんですかね。
家の裏の、空き家になってる倉庫にパンダが子供産んでたりして。

そりゃ名案だね!ヽ(´ω`)ノ

--

亭主は、みんなが、それぞれのアイデアを駆使して、様々なことをすれば良いと思っています。
里山プロジェクトだけでなく、様々なアイデアを、それぞれが出来る範囲で進めていく。
何が良いとか悪いとかではなく、ひとつのアイデアに固執するのではなく、いろいろな方法を絡み合わせることで複雑で、強固な環境を作っていく。

雑木林、というのは、様々な種類の木や草からなる林のことです。

雑木林を作るには、様々な種類の木を持ち寄るしかないのです。

ラジカルな人、というのはおそらく、物事をシンプルに考えようとするあまり、その理由や、解決策にもシンプルさを求めるのかもしれません。
確かに、物事を複雑に考え、また手段を組み合わせて、うまくいった事例はめったにありません。私たちには、複雑な問題を複雑な方法で解決するスキルはないように思うのです。

ただ、私たちは一人ではありません。

皆がシンプルに、しかし各自が様々なアプローチで解決を試みれば、おそらく物事は複雑に、より多面的に解決できるのではないか。

Iさんのお話を聞きながら、そんなことを考えた昼下がりでありました。

2011年6月 1日 (水)

06/01 【聴】 In Dub (Live) / Hallucinogen, Twisted(TWSCD34)

IMAGE
Shpongle, Younger Brotherなどのプロジェクトでも知られるSimon Posfordのソロ・プロジェクト・Hallucinogenのライブアルバム。2007年5月、LondonはBrixton Academyでの演奏を録音したもの。冒頭には聴衆の歓声入り、ただし全体としてはフル・アルバムの性格が強い。全9曲。

ドラッグのトリップ状態にも似た、トランシーなサウンド(ずばりサイケデリック・トランス)が売りのHallucinogenにあって、本作は珍しくバンド形態にこだわっている。ドラムはDavid Nock、ベースはYouth、ギターとヴォーカルにJackson、ビートボックス(およびシンセ)にOTT、そしてギターとシンセにSimon Posfordと、総勢5人による演奏が本作の売りだ。色鮮やかなシンセの効果音と、ダブのベース・ラインが演奏全体に緩やかなグルーヴを与えている。サイケデリック・トランスにありがちなオカルティズムやドラッグ・サウンドは一切なく、むしろ健康的にすら感じられる。

古きよきジャーマン・ロックやサイケデリック、CANだとか、アシュラ・テンペルだとか、あるいは少し趣は違うがGrateful Deadなどに慣れ親しんでいる人ならば、すんなりと聴けるサウンドかと。演奏主体となったからだろうか、各トラックが新曲であるかのように瑞々しく、またエモーショナルに聞こえるあたりにも注目したい。(2011.05.19 Tower Records柏店から)

« 2011年5月 | トップページ | 2011年7月 »

2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
フォト
無料ブログはココログ