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2011年6月16日 (木)

06/16 【読】 常陸国天狗譚(岡村青、筑波書林)

「常陸国天狗譚(岡村青、筑波書林)」

真壁町生まれ、現在は石岡市(旧八郷町)在住。詩人としても活動する岡村青(おかむらあお)氏が、県内の神社・古文献・あるいは地域の古老などから天狗にまつわる伝説・伝承を収集したもの。1980年、筑波書林の「ふるさと文庫」から出版された。本書は現在でも水戸市の川俣書店など、地元の本コーナーで入手したもの。

本書における天狗とは、役の小角に端を発し、深山幽谷に隠れ住んで日々鍛錬を積む修験者たちを指す。かつて役の行者がそうだったように、人里と断絶し、ときに空を飛んでは千里を行く天狗がいるかと思えば、剛力やまじないを良くして里の人々と交流する天狗、あるいは人々を襲い、作物を奪う荒くれ者の天狗すらもいたという。常陸国内には筑波山、岩間山、加波山、金砂山、真弓山などに天狗たちの修行の場があって、ときには天狗同士激しく対立し、ときには交流を深めながら修行に励んでいたのだそうだ。いわゆる「カラス天狗」は、天狗のなかでも下っ端の階級、名前さえ与えられず、大天狗にひたすら使役される立場にあったのだという。「超人」として、また「人間」として時代を生きた天狗たちの様子が生き生きと記されている。

個人的に心に残ったのは、茨城町下土師にあったという慈雲寺に住み着いた、「たいにん和尚」のエピソード。村人と交流を深め、ときには村の子供をつれて一瞬のうちに遠くの祭り見物へといったという。神仙の力と、きさくな人柄とが絶妙に調和する和尚に不思議なリアリティが感じられた。氏の地元である筑波山、加波山の豊かな自然の描写、奥久慈の四季の風情など読みどころも多い。天狗に、また地元に興味のある方はぜひ一読を。(2011.06.16)

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