« 03/21 古い記憶より | トップページ | 03/28 日々雑感 »

2011年3月24日 (木)

03/24 【読】「未来型サバイバル音楽論-USTREAM, Twitterは何を変えたのか-(津田大介+牧村憲一、中公新書ラクレ)」

「未来型サバイバル音楽論-USTREAM, Twitterは何を変えたのか-(津田大介+牧村憲一、中公新書ラクレ)」

メディアジャーナリストで一般社団法人インターネットユーザー協会理事。Twitterでの活動をはじめ近年活躍目覚しい津田大介氏と、フリッパーズ・ギターを擁したトラットリア・レーベルなど数多くのインディペンデント・レーベルのプロデュースを手がけた牧村憲一氏による、最新・最強の音楽論。

近年急速なシュリンクが続く音楽業界。「CDが売れない」「メガヒットが出ない」といった逼塞状態に対しては、これまで多くのメディアや評論家が考察・解説を加えている。ただし、具体的にどうしたらよいのか、どうすべきかを提案する論考は、実は、ほとんどない。消費者の嗜好の多様化、音楽業界の構造的欠陥、あるいはWinnyや違法ダウンロードサイトによる著作権の侵害・・・様々な原因が指摘される一方で、建設的な意見、将来を見据えた提言は、ほとんどないのが現状だった。

本書では、津田氏と牧村氏が音楽業界をあらゆる側面(日本のポップス史、文化、ビジネス、著作権、IT技術など)から分析するとともに、従来の業界構造にこだわらない、最新の音楽ビジネスを紹介。「1人1レーベル」をキーワードに、これからのアーティストのありかた、レーベルのありかたを提案する。1970年代に日本発の会員制レーベルとして立ち上がったURC、1990年代に「渋谷系」の代表的レーベルとしてコアな人気を誇ったトラットリア、そして近年坂本龍一が立ち上げたCommmonsなどといったインディペンデント・レーベルの試み、まつきあゆむや向谷実、七尾旅人といったアーティストらによる斬新な音楽へのアプローチは、利権と著作権によってがんじがらめとなった音楽業界に風穴を開け、新たな風を呼び込んでいる。風穴の向こうには希望と喜びに満ち溢れた大地がある。

実は亭主、書店で本書の冒頭部を眺めた際にTwitterだのUstreamだのといったキーワードを目にして「ああ、また流行りものを扱った本が出た」と軽くがっかりしていたのだ。ところが実際に読んでみると、これらキーワードは添え物に過ぎず、むしろ重要なのは過去におけるインディペンデント・レーベル立ち上げのコンセプトだった。停滞した音楽業界を再び活性化させるためのカギは、はるか昔から我々の目の前にぶらさがっていたのだ。

アーティスト、リスナーを問わず、あらゆる音楽関係者・音楽ファンに読んでもらいたい本。オススメ。(2011.03.24)

« 03/21 古い記憶より | トップページ | 03/28 日々雑感 »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 03/21 古い記憶より | トップページ | 03/28 日々雑感 »

2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
フォト
無料ブログはココログ